冷凍庫の上

2017年05月15日 13時48分39秒 | 黒猫のひとりごと

                          ピピ

「♪」

メジロが頭で手の甲にスリスリしてる・・・

フワリさんが荷台の冷凍庫に来たから、注意を引いているのだ。

「・・・」

僕はネコハンモックのある枠台車から、見てる。

細い枠の上に4つの足をのせて、いつでも跳びだせるのだ。

あの冷凍庫の裏には、男が秘密のゴミ袋を隠している。

僕らのつまみ食いの証拠が、あそこにあるのである。

だから、近づかせるわけにはいかない。

ハットさんは、近くにいるメタボネコを撫でてる。

「・・・」

リスも、すでにフワリさんの背中に張り付いている。

メジロでとまらなかったら、リスの出番である。

それでもフワリさんの注意がゴミ袋に近づいたら、僕が行く。

ネコプッシュで押し返すのだ。

「キキ」

リスがフワリさんの髪を引っ張り始めた。

「♪」

メジロと連携しているのだ。

「りんごどこにあるか知ってる?」

「ピ?」

ニャ

フワリさんがリスとメジロを無視して、冷凍庫の向こうに手を伸ばす――

                            タン

僕は跳ねる――

                                            ―――  トン

「!」

フワリさんがびっくりして、手を引いた。

思惑通りである。

「ニャ~」

         グィィ  ・・・

僕はそのまま、頭でフワリさんを押す。

「おどかさないでよ」

            グィ

何か言ったけど、僕は押す力を緩めない。

「♪」

「・・・ずいぶん懐かれているんだね」

ハットさんの声。

「なんか怪しい」

「?」

「そこ」

「冷凍庫の裏?」

「うん」

              ―――

ニャ

横目で左をみると、ハットさんが手を冷凍庫の裏に伸ばしてる――

          タッ

僕は跳ねて、ハットさんの手に跳びかかる。

「?」

「ニャ~」

ここには何もないよ。

             スリスリ

反対の手で僕の頭を撫でながら、ハットさんが冷凍庫の裏を覗き込んだ・・・

「・・・」

見られてしまったのだ。

「・・・何もないね」

「ふぅん」

  グィ

フワリさんが僕を掴んだ。

ハットさんは何の反応もしないのだ。

          グィィ  ・・・・

僕は掴んだ手ごと引っ張って、冷凍庫の裏を見る。

ニャ

ひみつのゴミ袋がない。

「・・・」

なんでかな。

                   トコ

「あ、マロックさん」

「・・・・」

足音がして、そっちを見ると男がいる。

戻って来たのだ。

「まだ撃ってこないようだね」

「はい」

「休憩?」

「・・・うん」

            トコ

「・・・」

冷凍庫の前を通過する男と、目が合った。

りんごジュースを取りに行くのかな。

「お腹すいた」

「そうだね・・・もうごはんにしよう」

「うん」

     

僕を連れて行こうとしたけど踏ん張ったから、フワリさんはあきらめて去った。

ハットさんも。

男とは逆、箱島の方に。

ひみつのゴミ袋は、男があらかじめ隠していたのだ。

「・・・」

よかった。

「・・・」

メタボネコがこっち見てる。

リスとメジロは、フワリさんと一緒に去った。

ごはんかな。

僕は、どっちに行こう・・・・

                       トコ

                                                 ォォォォ  ・・・・・

                

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