増えた

2017年06月20日 14時10分13秒 | 黒猫のひとりごと

                                 ポォ

                                                  ヮヮヮヮ  ・・・・・

               パチチ

森がゆれてる・・・

葉っぱの間から見える空は、半分暗い。

風が強いみたい。

                     ジジ  ・・・

                                  来たよ   ―――

「うん」

                   ジジジ

「・・・」

子クマが座ってる。

いつもより森がざわざわしてるから、見てるみたい。

聞いてるのかも。

              パチッ

僕にはやることがある。

さっき斧さんがコックさんと野菜を運んでいた。

僕は斧さんの頭にのって覗いたのだ。

そしたらナスがいた。

僕に似た色の野菜である。

きっと焼かれるのだ。

今度こそ、僕はナスを助けるのだ。

ニャ~

心の中で鳴く。

僕の意図を、悟られるわけにはいかないのである。

横にノロマさんやフワリさんがいるし。

「――来たみたい」

                                     ブォォォ   ン

「・・・」

森の音に紛れて、車の音。

                            ジャリリ  ・・・

赤く光る棒と、明るい光。

                  ブロロン

大きな車が来た。

           ジャリリリ

僕らがいる大タープの端っこにとまるみたい。

「クゥ」

タイヤがたくさん。

                     ブォン

エンジンがとまった。

                               ガチャ チャ

「・・・やぁ」

中から出て来たのはポールさん。

「刑事さん」

「警察に連絡してくれました?」

「・・・ああ、衛生電話ないから」

「え」

「私たちを助けに来たんでしょ?」

「まぁ・・・そうだね」

「なんで持ってないの?」

「・・・洪水で動けないとかで、軽く様子を見に来ただけだからね」

「・・・・」

「そぅ」

「・・・役立たず」

「そんなこと言ったらだめよ」

「・・・・」

ポールさんが頭に手をあてた。

            

スコップさんも出て来た。

「狩猟小屋にいた奴らがいきなり撃って来たから、慌てて逃げて来たんだよ」

「それで森の中に?」

「あいつらのバイクから逃げるためにね」

「・・・みんな無事なの?」

ニャ

テムとレウも出て来た。

「こんばんは」

母テムもいる。

「・・・私たちは大丈夫だよ」

「そう」

「まぁ、君らも無事でよかった」

「ええ」

「クマが出るとかで、ライフルを持って来てよかったよ」

スコップさんは、長い銃を持ってる。

ポールさんも。

「弾は?」

黙っていたマッチョさんが何か言った。

「持ってきたけど」

「・・・助かりました」

「あいつらは何なんだ・・・ずいぶん銃声が聞こえたけど」

「私たち財宝の地図を見つけたの」

「?」

「あいつら、それを狙ってるのよ」

「財宝・・・」

「暗号の日記ですね」

「そう」

「リフが解いたのよ」

「へぇ」

みんなで話してる。

「ニャ~」

こんばんは。

僕はポールさんに近づいて、挨拶する。

「・・・・」

僕を見て、手で返事した。

「マロックさんも久しぶりだな」

「はい」

男に話しかけてる。

「これは君が持っていろ」

                     カタ

ポールさんが、マッチョさんに銃を渡した。

「・・・屋敷が襲われたりしたらしいから、一応持って来ておいてよかった」

「戦闘用のライフルだね」

「はい」

「先に状況を説明をします、崖に来てください」

「うん」

        

マッチョさんがポールさんと歩き出した。

「君らは安全な所にいろ」

「はい」

「・・・うん」

テムたちが返事した。

「・・・何でお前らが来てるんだ」

男がテムに話しかけた。

「・・・連絡がないから、心配して探しに来たんだよ」

「私が一緒ならいいんじゃないかと思って」

母テムもこっち見た。

「学校はどうしたのかね」

「私たちの恩人の危機だって先生に説明したら、行ってきなさいって言ってくれました」

「そう」

「お店は?」

「みんなに任せてるから、大丈夫」

「ふぅん」

「また人数が増えたね」

カフスさんもいる。

「・・・こんばんは」

あいさつしている様である。

「先に寝る場所とか決めよう」

「・・・うん」

              

・・・男が歩く。

崖に行くみたい。

「クゥ♪」

テムがチワワを捕まえた。

             

黙って聞いていたコックさんが歩く。

ナスを焼きに行くのかもしれない。

         

僕は追う。

「キュ」

後ろからは子クマの声。

だけど僕は振り返らない。

ナスを焼かせるわけにはいかないのである・・・・

             ジャリ

                                    パチン

                                                     ヮヮヮヮ  ・・・・・

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