曲線

2017年05月14日 01時24分26秒 | マーロックの日記

                                        ゥゥゥゥ  ―――

                                                            ピィィィ

                      バサ ――

「・・・これでいいか」

「うん」

壁ができた・・・

私たちがつくった土壁は、天然橋の真ん中を開けて左右に伸びている。

真ん中は開いていて、バイクで突っ込んでくるのに備えて、マッチョさんたちが乗って来た大型の車をとめてある。

午前中に橋の向こう側にやって来た小屋の連中は、運んできた土嚢で壁をつくり始めた。

まだ、1発も撃ってこない。

狩猟小屋には、最初に来たトレーラーの他にも、4台の大型トラックがある。

そのうち2台が、お昼頃にこっちに向かって来ているのがドローンの映像からわかった。

時期に到着する。

連中の壁は1mないくらいの高さで、私たちの正面から横に長く伸びている。

戦うための防御壁をつくっているというよりは、私たちの移動を拒むための壁をつくっている様な感じ。

前にドローンで撮影した映像からだと、少なくとも29人はいる。

衛星電話を奪いに来た2人も仲間だと思うので、31人はいるだろう。

人数が多いから、今向かってくる2台のトラックも土嚢を満載しているんじゃないかと思う。

「新しいのをつくってくるよ」

「うん」

        

一緒に新しい壁をつくっていたグリとブラウが、去った。

カフスさんも手伝ってくれた。

土袋をつくりに行った。

    

壁の内側に移動する。

高さは2mと少し。

橋の左右の壁よりも5mくらいは後ろに、真ん中のスペースを埋めるように壁をつくった。

激しい銃撃で壁のある範囲を集中的に破壊しに来るかもしれなかったので、予備の土袋も用意していた。

内側から厚みを補強するために。

そして左右の壁は、かなり余裕のある長さにしてあった。

だから端っこを少し削って、それに予備のを合わせて新しい壁をつくった。

向こうの連中が地面から撃ってくるのであれば、私たちの壁にあたらずに飛ぶ角度なら森のやや上の方に向かう。

注意は必要だけどこの新しい壁があれば、手すり倒木の辺りと通路タープの辺りはほぼ安全に移動できる。

小屋の連中が高い壁をつくってその上から撃つとか、トレーラーを全面に出してその屋根の上から撃って来れば別。

こっちから見て左側がやや高くなっているから、そこも注意が必要。

           

森に向かう。

マッチョさんやカフスさんが、壁の端っこの土袋をとって壁を高くしている。

無事に作り直しが終われば、より安全に移動できるようになるだろう。

「ミャ~ゥ」

ニャッティラが来た。

お腹すいたのかもしれない。

朝ごはんはゆっくり食べれなかったし、私もお腹すいた。

橋の向こうは、ガードさんが単眼鏡で見張ってる。

チーフさんがつくった監視カメラは、安全に橋の向こうを見張れるので便利。

それで、トランシーバーで連絡してもうひとつつくってもらっている。

2つあれば、どちらかが壊れてもだいじょうぶ。

         ジャリ

森の土と違って、崖の地面はもう乾いている。

石が露出していて、土の部分は薄い。

      

壁を見ながら、後ろ向きで歩く。

真ん中の新しい壁は、左右のより高くしたからその向こうは見えない。

とりあえず、この壁の部分を使って移動すれば安全だろう。

「・・・」

私が後ろ向きに歩いているから、ニャッティラがチラチラ後ろを見てる。

「・・・・」

耳も動く。

               ジャリ

                                ・・・ もうできたの?

・・・後ろから声。

進行方向をみると、カールさんがセラミックシールドから頭を出してる。

「うん」

「飛ばすよ」

                  ジジ   ・・・   ああ  ・・・・

頭に着けるトランシーバーで、マッチョさんと話してる。

                                          ウィィィィ   ン

カールさんがシールドの内側に引っ込んで、レースドローンが浮いた。

「・・・ああ、マロックさん」

マリオットさんもいる。

    

シールドの内側には木箱でイスとテーブルをつくっていて、テーブルにはノートパソコン。

画面にレースドローンの映像が映ってる。

「ミャ~ゥ」

ニャッティラがマリオットさんの横に行った。

今日は天気がいいから、太陽光発電のパネルは、あちこちに置いてある。

携行用のを、みんな持って来ている。

「座ります?」

「・・・はい」

余っていた木箱を、勧めてくれた。

「・・・・」

カールさんはゴーグル型のディスプレイで飛ばしてる。

・・・もう、橋の向こうの壁が迫ってる。

レース用のだから、速い。

かなり低空を飛んでる。

私たちからみて、右側から接近する。

連中の上を滑るように移動して、撮影する様。

撮影したものは、すべて保存できる。

低空で撮れば、よりはっきりした映像が得れる。

「・・・・」

右側…南側は、まだ結構水が残っている。

湖と言うよりは、荒野にいくつも池がある感じ。

「こっち見てますね」

「はい」

向こうの壁の内側が映ってる。

数人壁の側にいるほかは、銃を置いて土嚢を運んでいる様。

まだ水は少し残っているけど、気にせず運んでるみたい。

                    ――  ジジ

                                  離れろ ――  狙ってる  ジジ  ・・・

マッチョさんの声。

フルトレーラーの横、銃を構えてるのがいる――

「・・・・」

映像が左右にゆれる。

カールさんがクネクネ飛行させている。

上手だ。

ショットガンで狙っているのがいるけど、ドローンの動きに付いてこれていない。

カメラを後ろ向きにしたまま、クネクネ後進しながら撮影している。

                ジャリ

立って、そっちの方の空を見る。

                                ソョョ

いた。

1kmも離れていないから、ここからドローンが直接見える。

・・・速くて、もう谷の上まで逃げた。

「もう戻すよ」

「うん」

ほぼ全体を撮れただろう。

撮影したのは、後でじっくり見れる。

「何か持ってきます」

「・・・お願いします」

私は、大タープに向かう。

お湯でつくれるレトルト食品はたくさんあるから、壁のみんなの分をつくってこよう。

「ミャ~ゥ」

ニャッティラも来る・・・・

                      

                                             ザヮヮヮヮヮ   ――――

                チュチュン ♪

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