プラスチック箱

2017年06月19日 14時14分49秒 | マーロックの日記

                             チチチ ♪

                                                     ザヮヮヮ  ・・・

             ――  ・・・・

手を振ってる・・・

私たちのいる森の崖の下、車が来た。

大型ドローンの拡大映像で、ポールさんだと分かった。

スコップさんとテムたち親子3人もいる。

ポールさんは、インターポールで密売組織の情報を集めている捜査官。

ポールさんとスコップさんは、ライフルを持っている。

クマを警戒している感じではなく、狩猟小屋の連中に追われているのかもしれない。

東からこっちに向かってきたから、おそらく狩猟小屋の近くの森から川に下りてここまで来たんだろう。

母テムたちもいるから、私たちを探しに来たんだろう。

「落とすよ・・・」

「うん」

最初、固定翼ドローンで走った先を追おうと思ったら、すぐ近くの川際で車をとめてこっちを見ていた。

銃声で、私たちがここにいるのが分かったのかもしれない。

次に大型ドローンで確認してから、一度戻してまた飛ばしている。

30分くらいあそこにいるけど、追っては迫ってはいない様。

私は十字タープの横で、タブレットを見てる。

「・・・・」

ドローンのカメラが、落ちていくケースを映してる。

トランシーバーをドローンであの近くまで運ぶには、コントローラーを持って崖際に行く必要がある。

なので手紙を入れたケースを落とした。

その方が早い。

あんまり重くても危険だし、小屋の連中が私たちに手紙を送るときに入れていたプラスチックケースを使った。

大型ドローンはものを掴むこともできるけど、大きさがちょうどよかった。

「・・・上手に落ちたね」

「はい」

川には落ちず、樹冠にも引っかからず地面に落ちた。

まったく重しがなければ制御しにくいし、クッションを底に付けておいた。

崖は風が強いけど、ほぼ流されずに狙った場所に落ちた。

「気付いたみたい」

「そうだね」

・・・テムとレウが、腕を伸ばして合図してる。

こっちを見上げていたから、私たちが箱を落としたのはすぐ気づいた様。

落ちた位置は、車からもそう離れていない。

あの位置から10kmくらい川を下った方に行けば、森に入ってこっちに来れる。

手紙にはそのことと、衛星電話を持っているなら助けを呼んでほしいことを書いてある。

ポールさんは、老紳士が呼んでくれたのかもしれない。

スコップさんはネコレースがあるから呼んでいたけど、来るのが早い。

彼も老紳士が事情を説明したのかもしれない。

「取りに行ったね」

「はい」

上からだと分かりにくいけど、車はスコップさんと出会った森にもポールさんが乗って来た6輪駆動車だろう。

同じ色だし、外観が同じ。

運転席に乗ったまま、6つのタイヤの気圧をそれぞれ操作できる。

ほとんどの地形は走れる車である。

この時期はこの辺りは、日の出が遅いけど日没も遅い。

あの車なら、日没までに大タープに来れるかもしれない。

「ニャ~」

「・・・・」

               カパ

「・・・・」

プルームさんが、カットリンゴの入ったケースをあけた。

              カプ

「♪」

黒猫がひとつもらった。

            トン

私たちを横目で見て、大倒木の根っこに跳ねて行った。

すぐそこ・・・・

                  

                               チチチ

                                                  ヮヮヮヮ  ・・・・・

               ジジ  ジ  ・・・

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