時代小説を、特に捕り物を読むのは単純に楽しむためだ。
ありきたりな理由だが季節の風情や情緒を味わい、人の心の機微を自分とは切り離して読めるところがいい。
もし釈然としない部分があっても「時代が違うから」と済ませ、もし共感できるところがあったら「時代が変わっても」と読んでいける都合のよさも、私にとっては魅力だ。
捕り物には短編連作の形式が多いことも、ちょっと物語を読みたいときにぴったりで、そうなると、形式や内容のマンネリすら安心感のもとである。
大当たりはなくてもはずれがないことが、気軽な気分転換の読書には大切なところで、なおかつ読後感が重くないものがいい。
そういう読書にぴったりの1冊だった。
主役の平七郎は、橋の点検とその周囲の治安を守るのが仕事の、橋廻り同心である。
以前は亡き父親譲りの捕り物の腕の冴えで「黒鷹」と呼ばれた花形同心だったが、ある事件がきっかけで現在の地味な仕事に配属されている。
不遇に処されているわけだが、ふてくされることもなく、まじめに仕事をこなしているいい奴で、適当に肩の力も抜けている雰囲気である。
剣術に長け、姿も悪くないとあってはできすぎだが、主人公だからいいだろう。
のんびりした上司、若く元気で少しお調子者の後輩。
不遇の原因となった元上役。(当然今はそれをきっかけに昇進している。)
ちょっと口うるさい父の後妻。幼馴染の読売屋の娘。
馴染みの小料理屋も数軒、とくれば、お約束の人物たちも揃って、収まりのいいことこの上ない。
そして、橋を渡る人々きっかけにした事件が起こるのである。
名もなき人々の小さな物語。
起こる物語の筋は取り立てて目新しいわけではないが、橋という道具立ての持っている、人と人との出会いや別れの記憶や予感が、物語の雰囲気をさりげなく後押しする。
とてもあっさりした印象なのだが、かえってそこがいいのかもしれない。
すでにシリーズ化されていて何冊が刊行済みのようだ。
自分で買った覚えがないから、たぶん母のものだろう。
池波正太郎、藤沢周平、平岩弓枝。
時代小説はいつも手の届くところにあった。
べらぼうに長い、徳川家康などもあったような気はするが、それよりも山手樹一郎のほうが楽しくて好きだった。
肩の凝らない読書がいいと言い切る彼女は、文字が並んでいさえすればいいともいう。
父の棚は以前の仕事の本と、読んだのか非常に怪しい日本近代文学の全集や国宝の図版集など。
日本の詩歌の全集もあったが、あれはどちらの趣味とも違うような気がするから、出版社にいた叔父さんからの贈り物だったのかもしれない。
もしかしたら、私のための…?
叔父さん、かたじけない、そして、申し訳ない。
…1ページも読まずに大きくなってしまいました。
著者:藤原 緋佐子
発行所:祥伝社











読んでみたくなりました
時代物は、やはりあまり重くない方が良いですね
それほど読んではいないジャンルなのですが、
ドラマにもなった宮部作品や、畠中作品が好きです
以前は幕末や三国志を題材とした本も読みましたが、
最近は軽めの作品の方が多いですねー
今度会える時、進呈いたしますね。中古ですけど
そういえば「君の名残を」は、いざわさん向きかも。
あ、でももう手元にないのでした。残念…。
きゃ〜
楽しみにしてます
昨日はブッ○オフにいろいろと持ち込んだのですが
売り上げはDVD1枚に消えてしまいました・・・
ブック○フに売りに行くのは、いつも悩むのです
絶対に何かしら買っちゃうから・・・
処分しに行く、というより交換しに行ってるようなものです
ちなみに、入手したのはナイト○イダーです
・・・古い海外ドラマを良く見てたので
懐かしくて買っちゃいました
近々、とはいつも思ってるんですよ〜、ほんとに。
>処分しに行く、というより交換しに行ってるようなものです
同じく…。そのDVD、私も観たいです。あるんですね、DVD。
さすがにBOXは買えないので
ブック○フにあったのは、ベストセレクションの1と2でした
入ってるお話を確認して、クライマックスっぽい2の方を
ただ残念ながら、吹き替えじゃなくて字幕なんですよねー
TV放映当時の吹き替えで見たかった・・・
また上映会やります?