ゆっくりと世界が沈む水辺で

きしの字間漫遊記。読んでも、読んでも、まだ読みたい。

恒川光太郎【南の子供が夜いくところ】

2012-05-13 | 角川書店
 
小学校の図書館で見つけて、なんだろう、怖いのかなと、ちょっとドキドキしながら手にしたい感じのタイトルと表紙の雰囲気。
妄想を呼ぶ作品です。

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 南の子供が夜いくところ

 著者:恒川光太郎
 発行:角川書店
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『南の子供が夜いくところ』、『紫焔樹の島』、『十字路のピンクの廟』、『雲の眠る海』。
『蛸漁師』、『まどろみのティユルさん』、『夜の果樹園』。
7編が集められた連作短編集。
昔は今でもあって、今は未来でもあるという時間、ここはここであってどこかでもある場所という、不思議な出来事が描かれていきます。
たとえば、少年が120歳も生きているらしいおねえさんと出会うとか、土に埋もれた彫刻のような人とお話しするとか。
初出でみると、表題作が最初で「サントリークォータリー」、その後は「野生時代」ですから、一般向けに違いないのですけれども、作品にはどこか昔話のようなスケールの大きさがありました。

その昔話は、ずっとたどると、「世界の始まり」の不思議なエピソードを持つ神話に行き着いて、その神話を生んだ世界には「紫焔樹」の起源があって、その世界とところどころねじれてつながる時間や他のどこかでは不思議なことが起きていて、ほんの少しずつつながっていく物語、出来事のつながり先には、<穏>も<美奥>も、きっとあるだろうし、「世界の始まり」を持つ神話になら「世界の終わり」もきっとあるはずで、それはもう始まっているかもしれなくて、終わりを迎えた世界はどんなふうだろう…と、妄想が妄想を呼んでいきます。

これまでも、常ならぬ世界を描いてきた著者の作品ではありますけれども、前作までとは少しばかり毛色が違うようです。
今までなら、アッという間に閉ざされていた異界への入口が開いたまま…というような印象。
だから、書いてある以外のことまで気になってしまうのかも。
単純に、登場人物の名前がカタカナ、日本じゃないのねー、なんてこともありますけれど。
いずれにせよ、まだ読む作品があるので、先が楽しみです。
次はこれでしょうか。

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 竜が最後に帰る場所

 著者:恒川光太郎
 発行:講談社
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タイトルの雰囲気が似ていますが、内容はどうなのでしょうね。
ああ、版元が違うなぁ…。


[読了:2012-02]





参加しています。地味に…。
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