あの青い空のように

限りなく澄んだ青空は、憧れそのものです。

ドキュメント映画「 人生 フルーツ 」を見て

2017-08-09 14:55:01 | 日記
人生という果実を ゆっくり 時をかけて育て 実らせていく。
豊かに歳をとっていく生き方を 映像や言葉を通して実感できた映画でした。

主役は、建築家の津端修一さん(90歳)&英子さん(87歳)夫妻。
ご夫婦で紡いでこられた人生そのものが、美しく 美味で 愛しい フルーツそのものなのだと思いました。

愛知県春日井市にある高蔵寺ニュータウンの一画に、お二人が暮らす 雑木林に囲まれた平屋建ての家があります。
家は、建築家である修一さんの敬愛する師匠:アントニン・レーモンドさんの自邸に倣って建てたものです。
天井が高く、高窓を通して自由に自然の採光や空気を調整できる 心地よい居住空間が確保された家です。

修二さんは、日本住宅公団に勤め、阿佐ヶ谷住宅、多摩平団地、高蔵寺ニュータウン等の都市計画に携わってきました。
しかし、完成したニュータウンは、理想とは程遠い、経済性のみを追求した無機質な団地となってしまいました。
建築家としての良心が自分が計画した団地に住む決心を促したのでしょうか。
1975年に、自ら手がけたニュータウンに土地を買い、家を建て、雑木林となる木を植え、果実のなる木、野菜や草花を育て始めます。
それから50年、二人はコツコツ、ゆっくりと時を貯め、雑木林や野菜・果物や花を育ててきたのです。

家の周りの菜園には、四季折々の70種の野菜と50種の果実が育ち、英子さんの手で その食材が おいしい料理となって食卓を飾ります。

何がどこで育っているのか、修二さん手製の立て札が「春ですよ」といったメッセージと共に案内してくれます。
それはまた、修二さんの 英子さんに伝えたい 心に感じた自然の変化を 詩的に表現する言葉でもありました。

英子さんには つくる料理の向こうに 夫:修二さんの おいしいと言って食べてくれる笑顔が 見え、
修二さんには 育てる野菜や草花、果樹・雑木の向こうに 自然の恵みを心から喜んでくれる英子さんの笑顔が見えていたのでしょう。
時とともに お二人の間には 揺るぎない信頼と愛が 育まれてきたことを 強く感じました。

思わず笑ってしまったのは、修二さんの大好物がジャガイモで、英子さんが嫌いな物がジャガイモという点でした。
それでも英子さんは、修二さんの大好きなコロッケや肉ジャガをつくり続けてきたようです。
好き嫌いを超えたところで、英子さんは料理の腕を振るってこられたのでしょう。
共に笑顔を絶やさず 生き生きと 日々の暮らしを営んでいる姿は、
文字通り 二人で 時を楽しみながら 美しく日々の思い出を紡いでいるように感じました。

生きることは ゆっくりと 時をかけながら 自らの人生を さらに豊かなフルーツに実らせていくという日々の営みであること。
そう強く感じました。

映画では、修二さんの死も取り上げられています。
しかし、その姿は 生を全うしたからこそたどり着いた死であるのだ という印象がありました。
畑仕事を終え、昼寝をしている時に そのまま旅立たれたとのこと。
その穏やかな顔が、生から死への流れを自然にあるがまま受け入れているように感じました。
同時に、そこまで修二さんが 時をかけ 英子さんと力を合わせて 育ててきた 果実(フルーツ)の 豊かな実りを感じました。

老いることは 死へ向かって生きることではなく
これまで育んできた人生の果実を 豊かに実らせるために 時を貯め込む行為であるのかもしれません。

どんなフルーツを実らせることができるのか、修二さんの育て方を範としながら
一日一日、一年一年、時としっかり向き合いながら これからを 歩んでいきたいものです。

※追 伸
  前回のブログから 更新できずに 時が流れてしまいました。
  長期の音信不通をお詫びします。
  急がず ゆっくりとしたペースで 更新できたらと考えています。

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