青空エクスプ レス

元地域情報誌の編集長で、前室戸市議の谷口總一郎が、地方自治・地方議会はいかにあるべきかを世に問う、こだわりの電子情報誌。

地方公務員法第32条の優先順位

2009-11-09 | 組織のあり方
地方公務員法 第32条 (法令等及び上司の職務上の命令に従う義務)
「職員は、その職務を遂行するに当たって、法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない」


 先日に引き続き、地方公務員法の第32条についてもう少し書いてみたい。

 室戸市の例については書いた。今日は、この条項に関して全国でも数多く発生しているだろうことを一般論として問題提起してみたい。

 地方公務員の職務において、第32条の中に規定されている「法令の順守」と「上司の命令」のどちらを優先させればいいのか。

 地方公務員法(地公法)第32条前半部分の「法令の順守」を優先させれば、上司の命令が法令に違反している場合に上司の命令に背けば、同条後半部分の「上司の命令」に違反することになる。はてさて悩ましい。

 又、同条後半部分の「上司の命令」を優先させれば、上司の命令が法令に違反している場合に法令を無視し法令に背けば、同条前半部分の「法令の順守」に違反することになる。さあ、困った。

 では、どちらを優先すべきなのか。

 解かりやすい例として、やはり室戸市がかつて犯した例を引こう。17年6月に室戸市は指定管理者制度における市施設の指定管理者の公募を行った。その公募を前にして同年5月11日と12日にその本命と目されている東京の企業に市長と市職員2名、そして室戸市に出向して来ている県職員1名の、計4名が事前交渉に行った。

 言わずもがなのことだが、「公募」とは、何団体かが競合する中で1団体が競争を勝ち抜くものであって、行政側がある特定の企業と裏で手を握るような行為をしてその権利を勝ち与えるものではない。裏で手を握る行為は明らかに『官製談合』であると言える。

 室戸市が行なったこの事前交渉は、誰が考えても公募要綱の中の「審査の公平性に影響を与える行為があった場合は失格とする」の規程に反した行為であることから、失格とすべきだった。しかし残念ながら、結果的には、議会18名の内、議長を除いた17名の内の15名が「いいじゃないか」と違法を許したためにこの企業・ミクプランニングが指定管理者になってしまったが、私の調査による証拠集めと知人である東京の新聞社二社の敏腕記者の協力によってミク社社員の「当社においでになって、公募について協議しました」の証言まで得ており、違法であることは100%ゆるぎないものである。

 競争社会にあって、こんな卑怯な、そして卑劣な行為を行なった企業と行政関係者を私は許せず、議会において最後まで追及し、その私の議員活動の成果として不正を行ったミクプランニング社は今年6月に撤退し、市長も任期を最後に去っている。

 公募前のこの事前交渉を更に例えると、大学の入学試験を前にして、学長と教授がある特定の受験生を秘密の場所に呼んで入学試験の問題用紙を渡し内容を説明した。その結果、その受験生は大学の入試試験に合格した。この行為、学長と教授の行為は勿論のこと、内緒で自分だけ入学試験用紙を見た受験生も含めて、三人とも法律に違反していることは誰が考えても解かるだろう。

その不正な行為である試験内容を教えた時、裏で受験生の親がお金を渡しているのが通例である。不正行為には不正なお金が付きものである。

 こんなこと、してはいけないのは小学生でもわかる。室戸市が行なった違法行為も、大学入試に絡んで行なった違法行為も、「それは、こすこいわ!」とか「ずるい!」と子供にだって言われる行為である。それを大の大人が平気でやるんです、公務員は!

 ついでに言えば、大学の学長や教授も公立なら公務員ですし、市長も住民に選挙で選ばれた人だといっても、正式な肩書きは「常勤特別職公務員」であり、れっきとした公務員。「地方公務員」ではないが、市区町村の公務員と同じ「公務員」であるという点では同じ立場である。

 さて、こういうことで、室戸市がかつて行なった行為は「法令の順守」と「上司の命令」に関していうと、地公法第32条の前半部分「法令順守」よりも後半部分の「上司の命令」を優先させたことが、これでお解かりだと思います。

 では、この時の市職員の判断は正しかったかを地方公務員法を紐解きながら、一つ一つ考えてみたい。長くなるが、お付き合い願います。

 ●地方公務員法 第1条(この法律の目的)・「この法律は、地方公共団体の(略)地方公務員の(略)服務、(略)に関する根本基準を確立することにより、地方公共団体の行政の民主的且つ能率的な運営を保障し、もって地方自治の本旨の実現に資することを目的とする」

 ●同法 第29条(懲戒)三号・「全体の奉仕者たるにふさわしくない非行があった場合(は懲戒処分として戒告、減給、停職又は免職の処分をすることができる)」

 そして第1条に関連して、
 ●同法 第30条(服務の根本基準)・「すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行にあたっては、全力を挙げてこれを専念しなければならない」

 そして表題である条例、
 ●同法 第32条(法令及び上司の職務上の命令に従う義務)・「職員は、その職務を遂行するに当たって、法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関に定める規程に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない」

 ●同法 第33条(信用失墜行為の禁止)・「職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない」

 ●同法 第35条(職務に専念する義務)・「職員は、法律又は条例に特別の定めがある場合を除くほか、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職務遂行のために用い、当該地方公共団体が為すべき責を有する職務にのみ従事しなければならない」


 地方公務員が行なう職務において優先すべきは「法律順守」か、それとも「上司の命令」かに関する地方公務員法上では以上の六つの条項だと理解した。そこで、次はこの六つの条項を一つ一つ、「法令順守」と「上司の命令」に関連付けてみる。

 ◎第1条の意味は、「この法律は、地方公務員の服務に関する基本を確立することによって、民主的且つ能率的に行政運営ができ、それが地方自治の実現に役立つことを目的とする」→→→【法令順守】を優先する

 ◎第29条の三号の意味は、「地方公務員が住民全体の奉仕者に相応しくない不正な行為を行なった場合は、懲戒処分をすることができる」→→→【法令順守】を優先させる

 ◎第30条の意味は、「地方公務員は、住民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務し、且つ、その職務遂行に際しては全力を挙げてこれに専念すべき」→→→【法令順守】を優先させる

 ◎第32条の意味は、「地方公務員は、その職務を遂行するに際しては、法令や条例、規則、規程に従い、その上で、上司の職務命令に忠実に従わなくてはならない」→→→【上司の命令】よりも【法令順守】を優先させる

 ◎第33条の意味は、「職員は、(不正な行為を行なって)その職務の信用や職員全体の不名誉となるような行為をしてはならない」→→→【法令順守】を優先させる

 ◎第35条の意味は、「職務中、職員は、勤務時間と職務に対する集中力をその職務遂行のために用い、かつ、その自治体組織が行わなくてはならない責任がある職務にだけ従事すること」→「勤務時間中は、集中して職務を遂行し、かつ、責任を負った職務にだけ従事すること」(「責任を負った職務にのみ従事する」とは、「地方公務員として法令を順守しながら責任ある態度で職務を遂行すること」)→→→【法令順守】を優先させる


 以上の六条から、地方公務員法第32条は、「上司の命令」よりも「法令の順守」を優先させ、「法に叶った上司の命令」と「法令の順守」を基本として職務を遂行せよと求め、規程していると結論付ける。勿論、不正を実行した市長と市職員については、議会も私による指摘に追従して問題だとして動き、処分すべきだったのです。

 だから、室戸市が17年5月に東京のミク社において行なった事件については、市長から条例と公募要綱に違反する東京出張の命令を受けた時、市職員はこの市長命令を拒否し「法令の順守」を優先させるべきであったと言える。その「上司の命令」に背く行為は決して地方公務員法に違反する行為ではなく、それによって左遷された時は市長を告訴すればよいだけのことだ。それだけこの地方公務員法第32条の「法令の順守」には力があると考えている。

 又、現市政においても、徳島バスが指定管理者になる高速バスターミナル建設事業に関して、市職員は「法令の順守」よりも「上司(市長)の命令」を優先させて公共性と公益性を持たない施設を建設したが、同施設は地方自治法第244条に違反していることから公の施設とは言えず、よって、市長はこの建設工事費等約1500万円を市に返還すべきと考えている。

 この件について、2009年9月議会開会日の数日前のことです。

 議会事務局に質問原稿を届出て、その質問内容について在る市職員に説明している時、違法を追求するその内容を聞いていて彼は突然、左横に座る私に対して、「企業誘致だから(民間企業である徳島バスの宿泊棟を建設しても)えいやないか。そこまでいうかえ!」と私を叱責したのです。

 私も意外に思い驚いたが、その「違法でもえいやないか」という考え方にカチンときて、すぐさま反対に彼を厳しく叱責した。
 
 「なら、企業誘致だからいいじゃないか、地域振興に寄与するからいいじゃないか、観光振興に繋がるからいいじゃないか、健康福祉に寄与するからいいじゃないかといって、行政において法律に違反していてもえいというのか!」、「それと同じことをあんたは議会で答弁できるのか!」と厳しい言葉を浴びせてやった。

 それで職員も自分の言ったことの悪さに気付いたらしくいっぺんに黙ってしまったが、ふざけてはいかん。

 なら、「違法な公費支出をしてもいいのか」、「企業誘致なら違法でもいいといって、室戸市に立地している小谷穀粉さんや赤穂化成さんの社員宿舎を公費で建設してもいいのか」ということになる。ふざけたことを言ってはいけない。

 小松市長は市民の大事なお金(公費)を、なぜ一特定企業に与えなくてはならないのか。それも、県外企業にだ。ふざけちゃいかん。

 それが許されるのなら、室戸市の経営悪化で困っている鉄工所や製材所、建設会社、スーパー、衣料店、喫茶店、パン屋、鮮魚店、精肉店、乾物屋・・・などの小さな商店や企業にも公費を出して支援してやればいいじゃないか。

 その方が、まだ理屈が立つ。

 この室戸市の高速バスターミナル建設事件については、議会において市長に対して指摘し改善を求めてもどうしても謝罪も改善も行わなかったし、この違法を県市町村振興課などは認識しながら県からの補助金と貸付金を支出していることから私は県職員を批判し改善を求めたが、「違法ではないと認識する」などと子供だましのような回答書を私によこして責任逃れをした。

 よって、この事件は室戸市と高知県の公務員が行った違法事件としていまだに解決していないということになる。

 なお、この事件について反論がある方は高知県知事でも県職員でも県議会議員でも、室戸市長でも室戸市職員でも室戸市議会議員でも、いつでもお受けしますので、当家においでになって、実名と年齢、職業等を明かした上で反論をぶつけていただきたい。

 住所は室戸市室戸岬町、名前は谷口總一郎と申します。室戸市民に聞けば「あー、あの室戸市の議会で一番仕事をしていた、一番公正な改革派議員だった人だね」とどなたでも私のことを知っていますので、お尋ねください。

 現在、悪しき室戸市の政治関係者らの手によって無職となってしまい、ヒマを持て余していますので、闘う気持ちは十分ありますので、おいでなさい。お待ちしています。
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地方公務員法 地方公務員 地方公共団体 指定管理者 高速バスターミナル 県議会議員 おいでなさい 政治関係者 高知県知事 地方自治の本旨
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