青空エクスプ レス

日本ではオンリーワンの手書き地域雑誌『あおぞら』の編集発行人を経て、室戸市の政治を監視する改革派議員三期目。絵馬修復師。

何んでもかんでも若い芽を摘んではならない

2017-04-05 | 人間のあり方
 この3日のこと。3月は例年になく寒かったが、気候も少し春めいてきたことから、安芸市の園芸店「メリー・ガーデン」に花を見に行ってきた。

 最初はギボウシを買いたいと思って行ったんですが、それはまだシーズン前のようで一つも置いて無く、買ったのはマツバギク、キンレンカ、キク科のブルーアイ・ビューティ、キンギョソウなど。都合、20鉢ぐらいで3000円足らずでした。

 昼前に自宅に帰ったが、昼過ぎて仕事を終えて帰ってきたうちの奥さんは庭に置いてあるそのたくさんの花を見て、「また、花を買おてきちょう」と言って笑っていた。

 昼ご飯を食べた後、妻は一休みでテレビの前に座り、私は庭に出てあっちこっちに花を植え始めた。

 しばらくして妻はテラスのガラスを開けて、私にこう声をかけた。

 「おとうさん、そこの鉢に植えちょう花は毎年、ひとっつも花が咲かんに、もう捨てたら?」。

 もう何年も前から丸い鉢に植えた、蔓になって垂れ下がる花を指さして。その名前はちょっと忘れてしまったが。

 私は立ち上がり、こう教えてあげた。

 「あのね、この花も芽が出て、いつ咲こうかとしようかもしれなあね。それを、花が咲かんきんゆうて、簡単に引き抜いてポイっと捨てたらこの花がかわいそうやろ? 花は咲かんけんど、こうやって蔓も伸び、新芽も春になって伸びてきようことやきん、手入れをしながら花が出るのを気長く待つというのも庭づくりやしな」。

 妻「ほんま。ほんだら置いちょく?」。

 私は静かに言ってあげました。

 「花はオレに任せておいて、あんたはテレビを見よりなさいや」。

 妻はいらぬことを言ってしまったという顔をしながらガラスを閉め、居間のコタツに入り、またテレビを見始めた。

 その時、頭に浮かんだことが、今日の話です。

 「人を育てるのも、教え、諭し、学ばせして、育ってくるのを気長く待つことが大事だよな」。

 園芸店で木や花を買ってきて植えても、「育たないから」「花が咲かないから」とすぐに引き抜いて捨ててしまっては元も子もない。いくら100円、200円のものであっても芽が出てくるのを楽しみに育て、花が咲いてくるのを楽しみに手入れをするのが花づくりであり、花木の手入れ。

 これと同じように、人を育てるのも「教えてもなかなか育ってこないから」「実績を上げられないから」「技術がなかなかついてこないから」「実務能力がついてこないから」とすぐに配置転換したり悪くすればクビにしてしまうことは現実として、ある。しかし、その責任はその若い社員にあると断じていいものなのかと思う。

 もしかしたら、いや、若い人材の努力不足で“芽”が出てこない“花”が咲かないという面も多々あろうが、半分以上はその会社や役所の上司に人を育てるだけの才覚がない場合が多い。Aという部署で“芽が出てこない”“花が咲かない”場合でも、Bという部署に移動させればもしかしたら、その若者の適正にバッチリ合って“芽が出て”“花が咲く”かもしれない。

 だから、新しい人材に芽が出なかったり花が咲かなかったりした時、その人材に原因があるんじゃなく、その人材を育てる側に才覚がないからという場合は多いのではないかと私は思っている。

 庭づくりにあまり興味がない私の妻のように、です。


 もう一つ、プロ野球の例を挙げよう。

 開幕から先発メンバーに入れて育てるつもりだった(であろう)巨人の岡本選手。次代の巨人軍のホームランバッタであることは揺るがない。でも、昨シーズンは高橋監督が育てる気がないのか、ずっと彼は二軍暮らしだった。それが今年は先発メンバーに入れたから監督も育てる気になったのかなと思っていたら、中日戦の3試合と横浜戦の1試合で10打数1安打という成績に失望したようで、次の5日の試合には重信を出してしまったのには、がっかりした。

 巨人軍OBで評論家をしている高橋善正氏(高知県出身)は岡本選手のスタメン落ちについてこう指摘する。

 「3番の坂本、特に4番の阿部が元気な今こそ、育てるチャンスです。坂本が高卒2年目に定着した2008年は、3番・小笠原、4番・ラミレスがどっしり座っていたからこそ、8番の坂本が打率.257でも一年間使えた。坂本は遊撃の守備がまずまずだったというプラス材料はあったが、私は岡本を1カ月間は見るべきだと思っていた。そんなに待てないというなら、せめて対戦が一回りするまでは我慢して欲しかった。昨年12月の巨人のOB会総会で私は『1人でも2人でも次世代を担う若手を育てるべき』と発言しましたが、早いですね、見切るのが。これから出たり出なかったりになるなら残念ですね」。

 私も同感です。せめて一か月、25試合ぐらいは我慢して使わなくっちゃね。

 それに、昨年3割を打った村田を休ませているのは、岡本を育てるためもあったはず。それを、村田を休ませ岡本を休ませして重信を出すというのは、三塁がマギーということであっても、おかしな起用だ。

 若い人材の育成も、“芽”がでないから、“花”が咲かないからといっても、“芽”が出ようとした時に茎を切ってしまったり“花”を咲かそうとしているのに枝や茎を切ってしまっては、出るものも出られないし咲くこともできない。

 巨人軍も安倍や坂本がこれから10年、20年と今のようにホームランやヒットを打って活躍し続けてくれれば岡本なんかどうだっていいが、野球選手の命も35歳を超えたらいつ引退になるかもしれない。そのためにどの会社もどの球団も若い人材を育てている。

 高橋監督、このまま岡本を引っ込めたままにして重信を出し続け、やがて岡本はまた二軍行きで今シーズンも終わるのでしょうか。

 今が良ければ、明日や明後日、半年後、2年後、5年後のことはあまり心配しないタイプですか。

 私は地方政治にかかわっていて、いまよりも、5年後、10年後、20年後の室戸市が心配です。
 

※電子情報誌「青空エクスプレス」のアクセス数は、4月5日(水)付けGooブログランキング(2696413ブログ)中、2569位でした。
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