青空エクスプ レス

日本ではオンリーワンの手書き地域雑誌『あおぞら』の編集発行人を経て、室戸市の政治を監視する改革派議員三期目。絵馬修復師。

再度、「地方公務員法第32条の優先順位」について

2017-06-14 | 公務員のあり方
 最近、私が書く電子情報誌『青空エクスプレス』の「検索数」(過去に書いた記事のその日だけの閲覧合計数)とその日だけ読まれた「訪問者数」が増加傾向にあり、作者としてはうれしく思っています。

 その過去に書いた記事の中でも特に注目を集め毎日のトップテンに上がってくるのが、「地方議会における質疑と質問の違い」や、この「地方公務員法第32条の優先順位」などの記事のタイトルです。

 そこで今日は、八年前の、私がまだ市議会議員二期目だった2009年(平成21年)11月に書いたその「地方公務員法第32条の優先順位」の記事を再度掲載し、もう一度、全国の地方行政や地方議会の仕事に携わっておられる方々にこの点についてお考えいただこうと思います。

 事例はもちろん、室戸市が行ってきた不正や不適正な悪しき政治運営。我が町の恥を忍んで掲載する。

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  地方公務員法 第32条 (法令等及び上司の職務上の命令に従う義務)
「職員は、その職務を遂行するに当たって、法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない」


 先日に引き続き、地方公務員法の第32条についてもう少し書いてみたい。

  室戸市の例については書いた。今日は、この地方公務員法第32条に関して全国でも数多く発生しているだろうことを、一般論として問題提起してみたい。

 地方公務員の職務において、第32条の中に規定されている「法令の順守」と「上司の命令」のどちらを優先させればいいのかについて。

 上に示した地方公務員法(地公法)第32条前半部分の「法令の順守」を優先させれば、上司の命令が法令に違反している場合に上司の命令に背けば、同条後半部分の「上司の命令」に違反することになる。はてさて悩ましい。

 又、同条後半部分の「上司の命令」を優先させれば、上司の命令が法令に違反している場合に法令を無視し法令に背けば、同条前半部分の「法令の順守」に違反することになる。さあ、困った。

 では、どちらを優先すべきなのか。

 解かりやすい例として、やはり室戸市がかつて犯した例を引こう。ちょっと回りくどい話になるかもしれませんが、周辺状況が解らないとこの条例についても解らないと思いますので、どうか最後までついてきてください。(笑)

 平成17年6月に室戸市は指定管理者制度における市施設の指定管理者の公募を行った。その公募を前にして同年5月11日と12日にその本命と目されている東京の企業に市長と市職員2名、そして室戸市に出向して来ている県職員1名の計4名が出向き、事前交渉に行った。

 言わずもがなのことだが、「公募」とは、何団体かが競合する中で1団体が競争を勝ち抜くものであって、行政側がある特定の企業と裏で手を握るような行為をしてその権利を勝ち与えるものではない。裏で手を握る行為は明らかに『官製談合』であると言える。

 室戸市が行なったこの事前交渉は、誰が考えても公募要綱の中の「審査の公平性に影響を与える行為があった場合は失格とする」の規程に反した行為であることから、失格とすべきだった。しかし残念ながら、結果的には、議会18名の内、議長を除いた17名の内の15名が「いいじゃないか」と賛成し違法を許したため、この企業・ミクプランニングが指定管理者になってしまった。

 ではなぜこの不正行為が解ったかですが、当時、私はこの指定管理者に関する調査活動に懸命になっていて、平成17年5月11日も朝9時ごろにその公募を担当する企画財政課に行った。課長がいないので職員に「課長は?」と聞くと、職員は「出張です」という。私が「ミクプランニングか?」と問うと、職員は「はい」とのこと。私「これは公募前に一公募参加企業との事前交渉だな」とピンときた。すぐに総務課に回り、市長の出張記録を出すように要請した。

 数日たったある日、私は証拠集めの調査をし乍ら、室戸に指定管理者の取材に来られた時に資料を提供するなど協力したことから親しくなった東京の新聞社二社(日本経済新聞・東京新聞)の敏腕記者に電話を掛け、「私からミク社に電話をすると白状しないでしょうから、あなたの方からちょっと聞いていただけませんか」と協力を仰いだ。すると、記者の電話取材に出たミク社社員は「はい、市長と職員の皆さんはその日当社においでになって、公募について協議しました」と答え、不正な事前交渉が行われた証言を得ることに成功した。

 こうして、室戸市が指定管理者公募の半月前に公募参加者と事前協議を行った事実を掴み、違法行為を働いたことは100%ゆるぎないものとなりました。

 競争社会にあって、こんな卑怯な、そして卑劣な行為を行なった企業と行政関係者を私は許せず、議会において最後まで追及し、21年6月議会では私一人が止めた財政支援を行った末、事業当初に市と裏で繋がるという不正を行ったミクプランニング社(運営は子会社の「バーデハウス室戸」)は22年6月にようやく撤退した。

 公募前のこの事前交渉を更に例えて見ましょうか。

 大学の入学試験を前にして、学長と教授がある特定の受験生を秘密の場所に呼んで入学試験の問題用紙を渡し内容を説明した。その結果、その受験生は大学の入試試験に合格した。この行為、学長と教授の行為は勿論のこと、内緒で自分だけ入学試験用紙を見た受験生も含めて、三人とも法律に違反していることは誰が考えても解かるだろう。

その不正な行為である試験内容を教えた時、裏で受験生の親がお金を渡しているのが通例である。不正行為には不正なお金が付きものである。

 こんなこと、してはいけないのは小学生でもわかる。室戸市が行なった違法行為も、大学入試に絡んで行なった違法行為も、「それは、こすこいわ!」とか「ずるい!」と子供にだって言われる行為である。それを大の大人が平気でやるんです、公務員は!

 ついでに言えば、大学の学長や教授も公立なら公務員ですし、市長も住民に選挙で選ばれた人だといっても、正式な肩書きは「常勤特別職公務員」であり、れっきとした公務員。「地方公務員」ではないが、市区町村の公務員と同じ「公務員」であるという点では同じ立場である。


 さて、こういうことで、かつて室戸市長と職員4名が行なったこの「公募前の事前交渉」という行為は指定管理者条例違反であることは確定しています。例え、こうして市議会で私に追及され、答弁がしどろもどろになりながらも「不正ではない」と言い切り、市長与党の議員ばっかりで議案が可決してしまえば、“何が正しくて何が悪事か”など地方議会で厳格に処断できるわけはなく、悪事であっても素通りしてしまう。これが地方議会の実態といってよい。

 この高知県の室戸市議会がその典型的な例だ。

 「法令の順守」と「上司の命令」に関していうと、この室戸市長と職員4名が行った行為は、市長が行おうとしていることが不正行為であると分かっておりながらついて行き交渉の場に臨み事務処理を行ったことから、地公法第32条の前半部分に規定されている「法令順守」よりも後半部分の「上司の命令」を優先させたことが事実であると、これでお解かりだと思います。

 では、この時の市職員の判断は正しかったかを地方公務員法を紐解きながら、一つ一つ考えてみたい。長くなるが、お付き合い願います。

 ●地方公務員法 第1条(この法律の目的)・「この法律は、地方公共団体の(略)地方公務員の(略)服務、(略)に関する根本基準を確立することにより、地方公共団体の行政の民主的且つ能率的な運営を保障し、もって地方自治の本旨の実現に資することを目的とする」

 ●同法 第29条(懲戒)三号・「全体の奉仕者たるにふさわしくない非行があった場合(は懲戒処分として戒告、減給、停職又は免職の処分をすることができる)」

 そして第1条に関連して、
 ●同法 第30条(服務の根本基準)・「すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行にあたっては、全力を挙げてこれを専念しなければならない」

 そして表題である条例、
 ●同法 第32条(法令及び上司の職務上の命令に従う義務)・「職員は、その職務を遂行するに当たって、法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関に定める規程に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない」

 ●同法 第33条(信用失墜行為の禁止)・「職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない」

 ●同法 第35条(職務に専念する義務)・「職員は、法律又は条例に特別の定めがある場合を除くほか、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職務遂行のために用い、当該地方公共団体が為すべき責を有する職務にのみ従事しなければならない」


 地方公務員が行なう職務において優先すべきは「法律順守」か、それとも「上司の命令」かに関する地方公務員法上では以上の六つの条項だと理解した。そこで、次はこの六つの条項を一つ一つ、「法令順守」と「上司の命令」に関連付けてみる。

 ◎第1条の意味は、「この法律は、地方公務員の服務に関する基本を確立することによって、民主的且つ能率的に行政運営ができ、それが地方自治の実現に役立つことを目的とする」→→→【法令順守】を優先する

 ◎第29条の三号の意味は、「地方公務員が住民全体の奉仕者に相応しくない不正な行為を行なった場合は、懲戒処分をすることができる」→→→【法令順守】を優先させる

 ◎第30条の意味は、「地方公務員は、住民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務し、且つ、その職務遂行に際しては全力を挙げてこれに専念すべき」→→→【法令順守】を優先させる

 ◎第32条の意味は、「地方公務員は、その職務を遂行するに際しては、法令や条例、規則、規程に従い、その上で、上司の職務命令に忠実に従わなくてはならない」→→→【上司の命令】よりも【法令順守】を優先させる

 ◎第33条の意味は、「職員は、(不正な行為を行なって)その職務の信用や職員全体の不名誉となるような行為をしてはならない」→→→【法令順守】を優先させる

 ◎第35条の意味は、「職務中、職員は、勤務時間と職務に対する集中力をその職務遂行のために用い、かつ、その自治体組織が行わなくてはならない責任がある職務にだけ従事すること」→「勤務時間中は、集中して職務を遂行し、かつ、責任を負った職務にだけ従事すること」(「責任を負った職務にのみ従事する」とは、「地方公務員として法令を順守しながら責任ある態度で職務を遂行すること」)→→→【法令順守】を優先させる


 以上の六条から、地方公務員法第32条は、「上司の命令」よりも「法令の順守」を優先させ、「法に叶った上司の命令」と「法令の順守」を基本として職務を遂行せよと求め、規程していると結論付ける。勿論、不正を実行した市長と市職員については、議会も私による指摘に追従して問題だとして動き、処分すべきだったのです。

 だから、室戸市が17年5月に東京のミク社において行なったこの事件は、当時の武井市長から条例と公募要綱に違反する東京出張の命令を受けた時、市の企画振興課職員はこの市長命令を拒否し「法令の順守」を優先させるべきであったと言える。その「上司の命令」に背く行為は決して地方公務員法に違反する行為ではなく、それによって左遷された時は市長を告訴すればよいだけのことだ。それだけこの地方公務員法第32条の「法令の順守」には力があると考えている。

 又、現小松市長による市政においても、徳島バスが指定管理者になる高速バスターミナル建設事業に関して、市職員は「法令の順守」よりも「上司(市長)の命令」を優先させて公共性と公益性を持たない施設を建設したが、同施設は地方自治法第244条に違反していることから公の施設とは言えず、よって、小松現市長はこの建設工事費等1444万円を市に返還すべきです。

 この件について、2009年(平成21年)9月議会開会日の数日前のこと。こんな出来事もありました。

 議会事務局に質問原稿を届出て、その質問内容についてある課長に説明している時、違法を追求するその内容を聞いていて彼は突然、左横に座る私に対して、「企業誘致だから(民間企業である徳島バスの宿泊棟を建設しても)えいやないか。そこまでいうかえ!」と私を叱責したのです。

 これは明らかに、地方公務員法第32条の優先順位をはき違え「法令順守」よりも「上司の命令」を優先させた、法令を自分に都合のいいように誤って解釈した典型的な事例。

 私も意外に思い驚いたが、その「違法でもえいやないか」という考え方にカチンときて、すぐさま反対に彼を厳しく叱責した。
 
 「なら、企業誘致だからいいじゃないか、地域振興に寄与するからいいじゃないか、観光振興に繋がるからいいじゃないか、健康福祉に寄与するからいいじゃないかといって、行政において法律に違反していてもえいというのか!」、「それと同じことをあんたは議会で答弁できるのか!」と厳しい言葉を浴びせてやった。

 それで職員も自分の言ったことの悪さに気付いたらしくいっぺんに黙ってしまったが、ふざけてはいかん。いくら自分が担当する事業でわが身を守るためとは言え、そんな理不尽な言い分がこの世の中で通るわけがない。

 なら、「違法な公費支出をしてもいいのか」、「企業誘致なら違法でもいいといって、室戸市に立地している小谷穀粉さんや赤穂化成さんの社員宿舎を公費で建設してもいいのか」ということになる。ふざけたことを言ってはいけない。

 小松市長は市民の大事なお金(公費)を、なぜ一特定企業に与えなくてはならないのか。それも、県外企業にだ。ふざけちゃいかん。

 それが許されるのなら、室戸市の経営悪化で困っている鉄工所や製材所、建設会社、スーパー、衣料店、喫茶店、パン屋、鮮魚店、精肉店、乾物屋・・・などの小さな商店や企業にも公費を出して支援してやればいいじゃないか。

 その方が、まだ理屈が立つ。

 この室戸市の高速バスターミナル建設事件については、議会において市長に対して指摘し改善を求めてもどうしても謝罪も改善も行わなかったし、住民監査請求を市監査委員会に提出したが、監査委員2名は「違法ではない」と違法業務を行った市長をかばった。

 又、この違法を県市町村振興課などは認識しながら県からの補助金と貸付金を支出していることから私は県職員を批判し改善を求めたが、「違法ではないと認識する」などと子供だましのような回答書を私によこして責任逃れをした。

 私に言わせると、どいつもこいつもだ。長年、不正に慣れ親しんで生きてきた人間なんてものは、この程度のもんです。

 よって、この事件は室戸市と高知県の公務員が行った違法事件としていまだに解決していないということになる。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 以上が、今から八年前の2009年に書いた記事です。

 相変わらず手厳しいですねえ。(笑)なんせ、不正を行っておきながらしゃーしゃーとしている人間が大嫌いなもので。特に、違法や不正や不適正な行政運営を行っておりながら白を切る政治関係者と議会関係者は嫌いですねえ。何よりも反省しないから。こういう人間がたくさんいるから、住民に悪く言われてしまうんですよね。

 「あいつら議員は何にも仕事をしてないじゃないか」とか「裏で業者とつながいるじゃないか」とか、「不正なことや無駄な事業ばかりやっている市長ではダメだ」とか、「職員は真面に仕事をしてないから役に立たない」とか。だから、こんなことを言われないようにすればいいのに、「どうせ市民にはわかりゃしないんだ」とばかりに議会に違法や不正な議案が出てくる。

 これらすべてが、自分たちを雇ってくれた市民をナメているから。一例は、室戸市民がそばで見てないと思っているから、市長と職員が東京の企業に行って不正な事前交渉をする。一例は、不正な建物建設を議員が改めさせようとすると、担当課長は「企業誘致やきん、違法でもえいやないか」と逆切れする。議員は議員で、議会に不正な議案が出てきても無駄な公共事業案が出てきても無批判で賛成して通してしまう。

 これはほんの一例ですが、市長も市職員も議員も市民を舐めているからこそ、こういうことが平然と言えるし出来るのです。

 私は議員職を務め何度も何度も不正を目にしていると、自分の力では止めきれないためそのたびにガッカリし、情けなくなります。「なぜ、みんなふつうのことをふつうに出来ないんだろうか」と。

 もちろん、物事を真面目に考え対処している議員は数名いますし、真面目な職員もたくさんいます。要は、市役所という組織を考えると、上に立つ人の資質が一番重要です。市長の素行が悪いと、その部下も地方公務員法第32条に違反してでも悪いことに手を貸すようになってしまう。いや、“宮仕え”だから、いやでも手を貸さざるを得なくなる。だから、素行の良い、公正・公平・適性な行政運営ができる“ふつうの人物”が市長になれば、悪事を排した“ふつうの政治”ができるんじゃないか。

 そう考えています。

 結論を言えば、行政職員が地方公務員法第32条で悩まないようにするためにも、首長選では絶対に不正などを行わない人物を首長に選ぶこと。これに尽きる。選挙での「公正・公平な政治を行います」という公約と演説に騙されてはなりません。人物そのものと接して、自分がその候補をよく吟味することが必要です。それと、自分の政治に対する思いを持たずに首長選に出てくる無能な候補もいますので、自分の思いを率直に語れる人を選ぶことです。欲だけは人一倍あるが無口な根暗の人など、決して選んではいけません。

 「地方公務員法第32条は、首長次第で守れたり守れなくなったりする」ともいえる。

 室戸市職員に告ぐ。室戸市長の不正や不適正な行政運営に一切、手を貸すな! 

 それで例え左遷されたとしても、死ぬ時に「あー、おれはずっと真面目に生きてきた」と言って死ねるだけ、不正なことをして地獄に落ちていく市長よりもましではないか。


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