青空エクスプ レス

日本ではオンリーワンの手書き地域雑誌『あおぞら』の編集発行人を経て、室戸市の政治を監視する改革派議員三期目。絵馬修復師。

地方議員は野党的立場でいないと不正を生む

2017-06-30 | 政治家のあり方
 最初に議会情報のお知らせです。

 本日30日は室戸市議会6月定例会の閉会日で、午前10時に開会です。

 委員長報告、討論と続き、最後に議案裁決が行われ、閉会します。


 さて、今日の記事ですが、昨日に続いて「議員は野党的立場でいてこそ、健全だ」というお話です。また長い記事になりますが、関心がおありの方々は私についてきてください。

 かつて「改革派知事」として有名になった知事は何人かいた。

 橋本大二郎高知県知事が高知県で行った政策の多くは、公正な政治組織に改革する上において非常に効果的だったので、支持していました。それら「改革派知事」の中でも地方政治に関する評論で学ばせてもらったのが、元鳥取県知事の片山善博氏と、元宮城県知事の浅野史郎氏のお二人。著書やテレビ・新聞の記事等々から多くの知識を習得させてもらったので、今でも注目しているし、尊敬している。

 議員になっても政治の何たるかを教えてくれる人などこんな田舎町にいるわけがないから、議員に初当選する前からですが、書物やこういう先人の発言から政治を学んでいる。 

 以前、テレビの昼の番組で東京都議会と小池知事との話題で出演したコメンテーターが意見を交わしていた時、出演者の一人、浅野史郎氏がこう語っていた。

 「語っていた」と言うよりも、「テレビを見ている人と出演者に教えていた」と言った方が正しいが、東京都議会の議員の立場についてこう教えていました。

 「国会議員と違い、地方の政治は執行機関と議事機関で政治を行う形の二元代表制だから、議会の議員は全員が野党的立場でいなければならない」。

 このことは昨日の記事だけでなく、これまで何度も訴えてきたことですが、敢えて浅野氏の発言を引用したのは、読者の皆さんは私が言うことよりもかつて知事をしておられた浅野氏の発言なら説得力もあり、「あー、地方議会ってそうなんだ」と聞いてくれそうだから。(笑)

 地方議会の議員でこのことを知らない議員もおられると思いますので、ぜひとも浅野史郎氏のこの一言から、学んでいただきたい。

 室戸市議会には議案のすべてに無批判(何も批判しないこと)、無条件で賛成している議員がたくさんいると書いてきたが、そういう行為が正に浅野氏が指摘している「いつも野党的立場にいることが地方議員の基本的ルール」を無視していることになる。

 もっとわかりやすいように噛んで含めるように解説しましょう。

 浅野氏が言われる「野党的立場」とは、首長(市長、区長、町長、村長のこと)に寄り添わず、自治体(市役所、区役所、町役場、村役場のこと)の首長が議会に提案し(出し)てきた議案に対して、議員(市議会議員、区議会議員、町議会議員、村議会議員のこと)はその議案が「違法ではないか」、「不正ではないか」、「不公平ではないか」、「不適正ではないか」、「雇用主の住民に何の効果も生まない公共事業ではないか」、「道徳的に見て疑わしいのではないか」などを厳格に、そして公正にチェックをして、厳しい判断を下す、そういう立場のことを「野党的立場」という。

 だから、違法な議案、不正な議案、不公平な議案、不適正な議案、住民に被害を及ぼす大型公共事業案に何の問題意識も持たずに賛成するのは、「与党的立場」ということになります。

 地方議員はこのように「野党的立場」にいなければならないのだが、全国の地方議会の議員がいつも正しく「野党的立場」で自治体の執行部側と対峙しているか、です。

 全国には1742議会あり、そこに所属している議員は30490人(2015年12月末現在)ですが、どのくらいの議員が地方議員の職責である「野党的立場」に努めているのか。私は市長に寄り添い、市長を庇う議員が議会の定数の三分の二以上いることを考えると、全国の地方議員30490人の三分の二の2万人は首長に寄り添い、無批判、無条件(いや、裏の条件があるかもしれないが)で賛成要員に為り下がり、全国の1742自治体を動かしていることになる。

 そうやって日本全国の都道府県や市区町村が動いてきたことを考えると、なんと恐ろしいことか。

 国の法律や自治体の条例に違反した事業が平気で議会を通過して、可決。そして事業化されてきた。いわく「不正」だ。

 一部の企業や団体には手厚い支援や補助金が投資され、他の企業や団体には浅く薄くの支援だけ。いわく「不公平」だ。

 特定の建設業者が利益をむさぼる無駄な公共事業を次々と計画する首長と、それを支援する議員。いわく住民が被害を受け続ける「不適正な狎れ合いの政治」だ。


 地方議員の“バイブル”『議員必携』の「議員の心構え―執行機関と一歩離れ、二歩離れるな」にはこう記している。

 <大統領制の組織原理が、議会と執行機関が権限を明確に分かち合って総合にけん制し合う「対立の原理」を基本とする以上、議員は、常に執行機関とは一歩離れていなければならない。(※つまり、「岡目八目」で政治を見よということだ)

 それが離れずに密着するのなら、議会・執行機関の二元的な仕組みは無用であり、有害である。

 執行機関を公正に眺め、厳正に批判し、行財政執行上の重要事項について適正で公平妥当な結論を見出してこれを決定するのが議事機関、地方議会である。
(※つまり、地方議会の議員は「野党的立場」でいなさいと教えている)

 執行機関に近づきすぎて一つになってしまっては、批判も監視も適正な政策判断もできないのは当然で、議会の存在理由はなくなってしまう。(※今の室戸市議会の状態がまさにこれ)

 また、逆に、議員が執行機関より離れすぎてもその役割が果たされない。市区町村行政は、議会と執行機関の両者の協同で進められるのであって、議決は、執行のための手続きや過程である。離れすぎては、適切な行政執行の正しい検証はできないし、又、非難や批評はできても、議会の使命である正しい批判と監視はできない。>

 もう一冊、紹介したい。かつて埼玉県の志木市長をされていた穂坂邦夫氏の著作『自治体再生への挑戦』から。

 <国政と異なり地方自治体は二元代表制を取っている。首長に「予算編成権を含む執行権」を与え、議会には最高の権限である「議決権」を与えている。

 (中略)国政における議院内閣制は、選出された議員のうち多数を占める者が内閣である行政府を組織しますので、行政府とは一体が原則です。地方自治体の首長と議員は別々の選挙で選出され、どちらも民意を代表しているところから、国政とは異なる政治システムとなっています。ですから、議院内閣制のように与党と野党の関係は想定していないのが我が国の二元性で、首長との関係で、「野党だ」「与党だ」と議員の立場を決定し、固定した立場を獲ることは現行制度の趣旨を逸脱しているといってもよいだろう。

 首長選でそれぞれの議員は首長の味方をしたり、敵になったりして戦うこともあるが、その立場と住民に選出された議員の立場は区別することが、二元制における立法の精神にかなうことになるだろう。

 (中略)地方自治体の議員が国政における野党に所属しているからといって、地方の議会でも「すべて反対」と言うのでは地方議員の責務を果たしているとは思いませんし、住民の支持を伸ばすことは困難です。逆に、なんでも賛成という議員も二元代表制の法制度からは住民に対する責任を果たしているとは言えません。分権の実現をとってみても「住民自治」を推進する立場にある地方議員は、国政の与党にいるからと言って現状を全て「是認」することは分権を放棄することにつながります。地方議会は政治的なイデオロギーを離れ、「住民自治」を基本理念として議会活動をすることが求められている。>


 穂坂氏の著書のこの部分は“国政の与党は地方議会でも与党”を前提に記事が書かれていて、すべての地方議会に当てはめることはできないから、その点を読み誤らないでいただきたい。

 室戸市などでは、市民には自民党支持者が多いが、田舎ということもあって市議選の時には民進党や公明党、共産党を支持している候補にも何のこだわりも持たずに投票しています。又、国政選挙では民進党など野党を支持している市議が室戸市議会では「与党的立場」に多くいて、自民党を支持する友人議員3氏と私が「野党的立場」でしかない。

 だから、上の穂坂氏の記事(自民党を支持する議員が地方議会でも「与党的立場」)はそのまま室戸市議会に当てはまりませんが、氏が指摘する次の点は正しい。

 <なんでも賛成という議員も二元代表制の法制度からは住民に対する責任を果たしているとは言えない。>

 <分権の実現をとってみても「住民自治」を推進する立場にある地方議員は、現状を全て「是認」することは分権を放棄することにつながる。>

 <地方議会は政治的なイデオロギーを離れ、「住民自治」を基本理念として議会活動をすることが求められている。>



 以上が今日の記事の結論です。

 室戸市議会の議員諸氏だけでなく、全国1742議会の議員それぞれも、私が強く求めている「不正や不公平や不適正な議案に賛成するな」の指摘にむやみに反発せず、素直な気持ちで以上の“先人の教え”から学び、これまでの悪しき行いは改め、この教えを活かし、以後の議員活動にお励みいただきたい。

 それが、あなたのまちのためであり、あなたの議員活動のためでもある。

 とにもかくにも、議員は素直になること。

 素直になって、書物や人から学び、それを活かすことです。「人」とは、先人であったり、テレビで話す浅野史郎氏や片山善博氏などかつて正しい政治を行っておられた方々の一言から学んだり、そしてあなたが所属している議会にいる公正で生真面目な考え方を持った議員に教えを乞うことです。

 そして、謙虚になること。

 それほどの知識も経験も実績も無いのにむやみに偉ぶることをやめ、誠実な姿勢で以って、教えを乞うこと。地方議員が住民に信頼されるには、そうするしか他に方法はない。

 そこが境目。これができなければ、議員職を退くまで住民から後ろ指を指され続けることになる。

 結論は、会津藩の藩校「日新館」の教え、【什の掟】。
 「ならぬことはならぬものです」。


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