青空エクスプ レス

日本ではオンリーワンの手書き地域雑誌『あおぞら』の編集発行人を経て、室戸市の政治を監視する改革派議員三期目。絵馬修復師。

地方議会における「質疑」と「質問」の違い

2013-10-31 | 議会改革
 長く議員をやっていると質疑と質問との違いをよく勘違いして覚えている議員がいます。

 室戸市議会においても、それが常態化し、議長をしている議員でも初当選して以来、まったく議員の職務に関して勉強をしてこなかったことから、議会がそれでいつも混乱していた。議長の不勉強によって、本当に毎議会混乱していたと言ってもよい。


 曰く、地方議員は大綱質疑における「質疑」と一般質問の「質問」との違いが全く解っていない。

 因って、今日はこの「質疑」と「一般質問」の違いをここで短く示しておきたい。議員は勉強しない人が多いが、ネットを検索して勉強を深めている議員のあなたは真面目な議員であることは間違いありません。「勉強をしなくても毎月、通帳に報酬は振り込まれてくる」と言って開き直る木偶の坊議員は放っておいて、今日は是非このことについて学び、議員活動が実のあるものとなるよう、祈っています。


 市議会議長になった議員誰もがこの違いにルーズで、それなのに自分の誤ったその知識と判断を議員に押し付けることが続いたので私は、議員になって6年目の2009年に「一般質問」と「質疑」について、全国市議会議長会や全国町村議会議長会が編纂し発行している書籍(『地方議会議員ハンドブック』、『議員必携』)、また『市民派議員になるための本』で確認した。

 それらを総合して私がまとめたのが次の、2010年にこの一般質問と議案質疑について書いた記事。参考にして頂きたい。


●一般質問と質疑の違い

 (1)一般質問…一般質問は大半の議会が「事前通告義務」を規定し、申し合わせにより、「発言回数の制限」や「時間制限」を行っています。室戸市議会の発言回数は2回で、質問時間は執行部の答弁時間を除き50分と決められています。

 勿論、事前通告制。まず、質問原稿は事前に、執行部側に「こんな質問をします」と届けます。これも議員の専門書などでは「出来レースみたいなものだ」の批判もありますが、質問原稿の中身をすべて出すことはないが、質問の骨子・要点を事前に執行部に明らかにいないまま、議場で議員が突然にその場で思いついた質問を次々と行えば議場は大混乱し、議事は小休に入りストップしてしまいます。だから、一日につき議員4名ぐらいの質問を予定していても、一番目のその議員で議場が混乱すればその日の議事は終わってしまう事態も想定されます。

 それに、時間が押せば、焦った執行部は議員が望む答弁はおろか、5分、10分のやっつけ仕事で書いた答弁書で答弁を終わらせることもありえることから、結局は事前通告制にしておかなくては議員の側が損だということになる。よって、少なくても質問の問いの要点だけは執行部に提出が義務付けられています。

 又、この一般質問についてよく聞くのは、「原稿なしでやるのが議員だ」的な話。地方議会を見聞して書いた本にはこんな批判があった。

 ≪議会の質問や質疑、討論は事前に原稿を準備し、棒読みをしていることが多い。ほとんどの議員が原稿の棒読みである。それも立て板に水のごとくに読めば聞きやすいが、そうでないときは、「もっとうまく読め」と思う。本人は話し言葉で書いたつもりでも、その中にはどうしても文章体が入ってしまうので、聞いていて変だ。

 議会は言論の府。本議会での発言は議員や執行部や傍聴人に対して聞かせる内容でなければならない。棒読みには親しみがない。言論の府と強調するなら、議員は下手であっても自らの言葉で述べる必要がある。

 本会議での質問を演説と勘違いしているので、原稿を棒読みするのであろう。ある地方議会で原稿を用意せずメモだけで、とうとうと質問した議員がいた。本会議での審議を形式化させないために議員全員がこのような生きた発言をしてほしいものだ。≫


 上の三つの文のうち、前の二つはそうだと思いましたが、最後の一節には誤りがあると思いました。

 それは、原稿も持たずに質問をすればかっこいいでしょう。ですが、その“生きた発言”をした議員が何分の質問を行ったかは書いてないのでわかりません。5分ぐらいなら別ですが、そのように原稿なしで取りとめもなく私と同じように50分間、質問を行ったとすれば議会が混乱するだけだ。それよりも、質問した議員も議席に戻った後、自分が執行部に何を質問したのかを皆目、覚えていないのは間違いなかろう。そんなやりっぱなしで、自分が何を発言したかも覚えていないような質問なら、やってのことはない。

 かつての私を例にとると、一回目の質問で行う問いは、少なくて30問ぐらい、議会によれば多い時で約50問ぐらいにはなる。質問するその50問を全て理論構成した上で、質問の骨子を忘れることなく、50問を問いかけ、その問いのすべてを覚えている人物はいない。聖徳太子でも無理。それを試みた議員もいたが、聞いていて議員が何を問いたいのか、何を伝えたいのか皆目分からず、執行部も議員も困り果てたことがある。多分、自分が問うた話の内容は覚えていない。

 だから、数分で終わる質疑もそうだが、特に一般質問は必ず原稿を事前に準備し、棒読みにならないように出来るだけ話し言葉で行うこと。それが一番適切と言えます。カッコをつけて原稿なしでやるべきものではない。

 その方が執行部も議員も困りません。反省すべきは、私も制限時間いっぱいに原稿を作っているため、時に急いで棒読みになることで、この点はいつも「話し言葉で」と心している。

 それと、一般質問とは、「所信を問い質(ただ)す」ことにより、執行部の政治姿勢を明らかにし、その政治責任を明確にさせ、結果として現行の政策を変更・是正させ、新規政策を採用(事業化)させる目的と効果がある。

 この、「政治姿勢を明らか」にし「政治責任を明確」にさせることが、「現行政策を変更・是正」させ、「新規政策を採用」させるためのものが一般質問だと、よく認識しておかなくてはなりません。又、ここまで突き詰めて質問戦を戦わなければ、いったい何のために質問しているのかわからないともいえる。

 質問に立ち、10分ぐらい質問して議席に戻り、「あー、言うだけのことは言った」と質問に立った議員全員が喜んでいては、いつまでたっても行政組織は改革・改善されない。

 議員は市長と執行部に対し「物申す」ために市民に選ばれ、議場に来ている。その「物申す」姿勢や精神がなくて行政側に寄り添い離れずに密着するのなら、議事機関と執行機関の二元的な仕組みは無用であり、有害としか言えない。

 その程度の人間ばかりが集まった組織なら、議会はいらないし、議員もいらない。

 役立たずの議会を無くせば、例えば室戸市が一年間に使っている議会費の1億円は県市民税削減に使うことができ、その方が市民生活も少しは好転する。


 議会は市長等執行機関を公正に眺め、厳正に批判し、行財政上の重要なことについて適正で公平・公正な結論を見出して、これを決定するのが議会、議事機関。市長等執行機関側が違法や不公正や不公平、不適正な事業・業務運営を改めなければ、改めるまで徹底追及するのが議会議員というものだ。

 それが、地方議員に課せられた使命であることを各議員は自覚していなければならない。

 因みに私は、自慢ではないが市長や課長に嫌われようとも市民から負託を受けた立場として職責を果たすべく行政組織に対峙し、言うべきことを言い、為すべきことを為し、議員職にあった8年間ずっとそう努めてきた。


 (2)議案質疑・・・「質疑」とは、議会の議案審議の中で発言するもので、「疑義を質す」もの。つまり、疑問に思ったことを問うこと。但し、これは原則として「自己の意見を入れない」とされている。

 ただ、これはベテラン議員がよく間違うことだが、「私ならこうする」とか、「これはこうしてはどうか」などと事業などを“動かそう(変更させよう)”という意思を以って発言してはいけないということです。この「自分の意見」とは討論の段階で述べるような賛成、反対の意見をいい、自己の見解を述べないと質疑の意味を成さないもの、根拠や過去の事業経過・データを基に執行部を追及することまで禁止しているものではない。この点はよく知っておかなくてはなりません。

●一般質問と質疑で一番大事なこと

 議会が開かれて、一般質問が行われ、議案を審議する大綱質疑では質疑を行います。次に書くことは、私が議員になる半年前に買ってきた議員の教本を見て知り、「へー、そういうことか」と驚いたことです。他の議員諸氏には教えたくないが、毎日検索して当電子情報誌をみていただいている議員の方々には特別にお教えします。

 実は、「質問」と「質疑」は「知らないことを聞いてはいけない」のが基本です。これは、「議会が開会し、発言で登壇する前日までに自分が問いかける案件について調べ、大まかな状況がわかった上で聞くこと」という意味です。 だから、「全く何も知らないまま聞くと、失笑を買う事になる」との教え(議員の参考書の)と覚えておいてください。

 議会においての質問・質疑は、一般社会の会議、例えば商工団体の会議での質問・質疑や、いろんな団体、例えば農協や漁協、観光協会の会員が集まっての会議で行う質問・質疑とは全く異なります。議会の質問や質疑は、議員がわからないことを尋ねる場ではないということです。

 ではどうしたらよいのか。

 それは、質問・質疑のどちらも、あらかじめ知らないことや理解できない案件(事業・業務・問題)を担当課に聞きに行ったり、そこでデータを収集したり、先進自治体が同じ事業や問題点についてどのように対処・対応しているのかをインターネットで調べ、十分に調査しておき、それらを基に理論構成をし、それに自分の主張・意見を加え、執行部を問い質し、追及し、議論する。それが議会における質問であり、質疑である。

 それと、これは知る人ぞ知るだが、議会の中の調査活動に熱心な議員なら、ある事業においては執行部より豊富なデータや手法を持っているともいえます。その時、執行部の答弁よりも議員の質問の方が密な内容になっていて、市長や課長の調査不足と能力不足がその時にあからさまになってしまう、そんな場合もある。

 この「知っていることを聞く」の基本についても知らない地方議員が多いようです。本会議で登壇し、執行部に予算額などの数字を聞き、答弁を受けると納得している喜んでいる姿を見るとそれがわかる。そんなことから、執行部にも他の議員にもその議員の日頃の不勉強がわかってしまうし、自分の値打ちを自分で落としているともいえよう。(自分ではそれに気付いていないが)

 だから、質問原稿を作るのは議会と議会の間の2カ月あるからだれもができることですし、質疑は告示日(議会開会の一週間前)に渡された議案書や資料を基に質疑原稿を作ろうと思えば、大綱質疑の日まで13日と限られているので少し急がなくてはならないが、議長を除く全員が質疑原稿を事前に作っておく時間はたくさんある。あとは、議員各自がやろうとする意欲があるかないかだけだ。「忙しかった」は、毎月報酬をもらっている議員として、理由にならない。

●「要望」は、議会外で担当課に書面で提出するもの

 それと一般質問において、そのまち全体を展望しての提案は別ですが、中には一般質問の場で要望をしておいて、「答弁は要りませんので、よろしくお願いします」と降壇している人がいる。だが、これは見ていてみっともないからおやめなさい。

 議会の一般質問で要望するのは余程のことがないとしてはいけない。しては恥ずかしいものです。だが、そんな議員は、議員になった時から誰もそのことを教えてあげないし教えを乞おうともしないから、何期になっても議場で要望を繰り返している。

 「要望」とは、議会外で担当課に要望書としてまとめた上で、担当課長に提出するもの。その要望書には、住民からの要請が当然あっての要望だろうから、その住民の名を連名で書くか常会からの要請なら常会長名を書き、賛同議員として自分の名を書き添え、要請文をまとめた上で提出するのが正式の「要望」です。

 それと、なぜ口頭の要望ではいけないのかですが、それは担当課長が要望を受けたことを忘れてしまうから。だから、要望は書面で提出する必要があるし、そうした方が要望を行った側のためにもなる。

 
 最後に、議員のバイブルともいえる本、『議員必携』に、政治家の要素としてこんな文が書いてあるのを紹介して今日は終わりとしたい。

 ≪政治家に強く要求されるのが、「勇気」と「奮起」である。

 かつて、ある有名な外交官がアメリカの故ケネディ大統領に、直接会って、「政治家として一番大事なことは何か」と質問したところ、即座に「それは勇気である」と答えたという。勇気なくしては、思い切って発言し、行政や住民に訴えて説得し指導することができないというのである。

 又、その外交官がイギリスの故チャーチル首相に同じ質問をしたところ、、「それは奮起である」と答えたという議員自らが奮起して発言し、行政当局と住民に訴えてこれを奮起させてこそ、行政の進展も地域の振興発展も実現し、真の指導性の発揮ができるというものである。≫


 私も議員になった時からそう思い、勇気を以って、積極的に毎議会一般質問に登壇し、毎議会質疑原稿を構えておいて議案審議にも登壇し、懸命に議員活動をしてきた。その他にも、『青空新聞』を毎年3回か4回発行し、又、日々の議会の動きや個人的な議員活動については、このブログの記事で二日に一回はお知らせやご報告をさせていただいた。とにかく、議員の職にある間は自分の出来る限りの力を出して市民の皆さんのために働きたいと思って働いた。

 長くなりましたが、以上です。参考になりましたでしょうか。

 大事なことは、政治とは、室戸市長や市議会議員のように「市民には解らないだろう」と思って策を巡らし、ルールを無視してなし崩しに行うものではないということです。

 何事も、法律や規則や公正で道徳心に基づいて物事を行うべきもの。

 ひと言で言うと、「してはダメなことはしては駄目」。

 このことをよく勉強した上で理解し守っていれば、大半のことは健全に行われる。

 さすれば、「質疑」と「質問」の違いも自ずから理解できるのではないでしょうか。

 しかし、これほど議会のあるべき姿、地方議員のあるべき姿を認識し、職務内容を熟知し、それに従って忠実に実行していたこの私を室戸市の有権者たちは「市長の不正を追及するからあいつを落とせ」と落選運動を市内全域に広め、悪意と無関心を以って落としました。

 北川村のある議員は選挙後、いみじくも私にこう言いました。

 「議会で一番仕事をしてきたおまんを落とすとは、室戸の人もほんまに変わっちょうな」。

 私は「うん、私もそう思う。市政の不正を監視して取り締まる議員がいなければ議会の損失になることも知らずに。これからは小松市長も議会対策が楽になることは間違いないわ。議案に地方自治法違反や条例違反があってもそれも解らず議員は賛成して通してしまうんやきんの」。

 そうと答えたものです。 


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