青空エクスプ レス

日本ではオンリーワンの手書き地域雑誌『あおぞら』の編集発行人を経て、室戸市の政治を監視する改革派議員三期目。絵馬修復師。

地方自治の本旨と現状(その2)

2015-03-31 | 政治家のあり方
 昨日、五年ほど前に高知新聞に掲載された前鳥取県知事の片山善博氏の記事を紹介したが、その続編です


 日本国憲法の第92条には、「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基づいて、法律でこれを定める」とある。

 片山氏はこの条文を基本にして記事を展開、こう指摘した。 

 ≪(憲法にある)「地方自治の本旨」とは、団体自治と住民自治の二つの要素が満たされること。団体自治とは、国から独立した団体(地方公共団体=自治体)が権限や財源を持ち、国の支配を受けることなく自主的に運営できること。住民自治とは、その団体の内部において主権者である住民の意思に基づいた意思決定がなされることをいう。≫

 ≪市民の皆さんは、知事や市町村長、地方議会の議員たちにずれや違和感を覚えることはないか。ムダな施設の建設、倒産寸前の金融機関への過剰なてこ入れ、需要が乏しい不採算の交通機関への多額の補助金の支援等々、今の自治体にそんな余裕などないはずだし、他にもっと優先度合いの高い施策は目白押しだろう。それをとがめるでもなく、出された議案は条件反射的に全て通してしまうパブロフの犬のような議員は多い≫
 

 片山氏が教授する論旨をひとことで言うと、こうなる。

 『地方議員は、主権者である住民によって選ばれたものとして、議会においてはその住民の意思に基づいた意思決定を為すべく行動しなくてはならない。自治体(室戸市長)が行う違法行為、無駄施設の建設、倒産寸前の指定管理者(ミクプランニング社)への過剰なてこ入れ、効果が乏しい事業や団体への多額の補助金の支援などには議会において明確に批判し、表決では毅然と反対の立場を表明しなくてはならない。

 しかし現状はどうか。住民は首長や議会議員の行動に違和感を持ったことはないか。市長が行うでたらめな事業運営や公費支出をとがめもしないし、議会に提出された議案には問題意識もなく全部賛成して通してしまう、そんな議会でいいのか。』



 こういうことをどこの議会もできないのか、こんな記事が片山氏の論説が掲載されてすぐ、高知新聞のコラム記事、「土佐あちこち」に載っていた。タイトルは「物申す」。

 記事は≪おかしいことには物申す。議員とは、そういう気概を持ち、重責を担った方々だと持っていたが、どうも違っていたようだ≫と始まる。記者の言う通りで、私はこれまでそう「おかしいことには物申す気概を持ち」活動してきたし、いつもそのように「重責を担っている」と認識している。しかし、香南市議会はそうではないと記事は指摘する。

 コラムのあらましはこうだ。

 香南市議会臨時議会に執行部から教育委員と監査委員の人事案件が提出され、採決では議場にいる21名の議員全員が賛成し、可決した。議会直前の全員協議会(議員総会)でも異論は無かったという。
 (※因みに、香南市議会が議会前の全員協議会という住民に公開しない秘密会議で行ったこのような議案の事前審議は違法であることを付け加えておきたい。このことがすでに議会が市長等執行機関の下部組織になっていることを物語る。室戸市議会と同じことをやっていることになるが、地方議会は全体協議会において首長側からの議案の事前審議になる質疑応答の協議を行ってはならないことをよく認識すべき)

 それがです。香南市議会では臨時議会後、議案に賛成した議員から「さまざまな批判が渦巻いていた」そうである。「腹が立つ」「許せん」と電話で言いあっていたという。記者が、それならなぜ議会で議案に対して批判できないのかと問うと、その理由を「ある議員は、孤立や議会内部の地位を失う怖さで、率直に疑問をぶつけられない」と答えたという、なんとも情けない声を紹介している。

 私も身近で見て知っているので、きっとその通りなんだろう。“地位を失う怖さ”とは、議会で「悪いことには悪いと主張」していたら住民に嫌われて次の選挙で落とされるという意味と、議会内でも他の議員に嫌われて委員長になれなくなるとか、副議長になれなくなるとか、議長になれなくなるという意味だろう。然もありなん。あまり議会で公正な発言を強く繰り返していると、かつての私のように不正を追及したがために議会内で浮き上がったり、市議選期間中に行われた「市長の不正を追及しているあいつを落とせ」という落選運動によって落とされることになる。

 閑話休題。「地方自治の本旨」とは団体自治と住民自治の二つの要素が満たされることであり、住民自治とは、その自治体内部において主権者である住民の意思に基づいた意思決定がなされることをいう。香南市議会だけでなく、室戸市議会も含め、地方議会の評決は憲法第92条に規定された「地方自治の本旨」の基になる住民自治は、「主権者である住民の意思に基づいた意思決定がなされること」。よって議会の評決は、間違いなく「住民の意思に基づいた意思決定がなされ」なくてはならないといえる。

 記者は最後にこう指摘する。

 ≪地縁血縁の結びつきが強い地域だ。だが、自身の意思を示さず物申さないのは、何百票も投じてくれた有権者たちがどう思うだろう。市民の未来のためにいい仕事はできないと思う≫

 議員の資質は、地縁血縁の結びつきが強い弱いとは関係ない。その証拠に、こんな室戸でも私のような議員がいた。初めて市議選に出馬した時は9万7千円で、19年4月の2回目の市議選出馬の時は4万5千円の選挙資金で当選させていただいている。23年4月の選挙では選挙事務職置くお茶菓子代として2750円使っただけだった。これは全国でもそれほどいないと思っているが、その3回とも運動員もスタッフも連れず妻と私の二人だけで選挙に挑み、毎日45か所で街頭演説を行って選挙戦を戦った。だから、地縁血縁の多さ少なさは選挙での当選や議員の資質とは関係ない。又、「自身の意思を示さず、物申さない」とは情けない話ですが、この実態は全国どこの地方議会でも同じようなものではないか。

 このコラム記事から再確認したのは、次のようなことでした。

 議員は全ての我欲を捨て、住民から「おれの替わりに頑張って市役所の仕事を監視してくれ。頼んだぞ」と負託を受けたことを片時も忘れず、行政組織の業務運営を入念に調査活動を行い、違法や不公正、不公正、不適正な点を発見したら議会等において厳しくそして的確に批判し、それらの情報は負託を受けた住民にすべて公開し、表決では地方自治の本旨である住民の意思に基づいて判断し賛否を決断することを求められている。要は、住民にすれば「議会で物申さずして、何が議会議員か」というお気持ちになるだろう。

 以上、地方議員はかくあるべきだと思っている。


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2 コメント

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市議選出馬で (仲村裕紀)
2017-08-15 08:06:05
11月12日公示の市議選に出馬を考えているものです。今年の1月からそして、8月現在、身内関係者に相談するも、①市内の学校を出ていない②お金がかかる等々で一致したように出馬を否定され続けました。精神的に参っています。お金はとことんかけず、できる範囲は一人でやればいいと思っているのは私だけのようです。できるなら家族の協力だけでいい、落ちるのは怖いが金も失うが、挑戦したい。アドバイスお願いします。
市議選出馬への回答です (あおぞら)
2017-08-16 04:24:50
仲村さん、

市議選出馬したいとのこと。その真剣さが伝わってきましたので、私なりにお教えしたいと思います。

ですが、このコメント欄では回答の文章を長く書けませんので、ブログ本欄に記事として書きますので、それをご覧ください。

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