青色日誌

還暦を超え、子育てもひと段落。さて!

友達

2012年11月26日 | 本番記録
私は考え方が間違っていた。


今回のレアサウンズオータムコンサート、
世界のトップトランペットプレーヤーの
感動的な再会と共演は私にそんな教訓を与えた。



それは何か。



このブログでも時々書いてきた事だが、
年齢を重ね、何時までも高い音など
出るものではないと思うので
アドリブを練習して老後に備えよう等という
実にいい加減で弱虫な考え方の払拭だ。

聴きに来られた方は充分私の言いたいことが
お分かり頂けることと思うが、
ボビー・シューから発せられた
ダブルハイCを超えるハイトーンは、
とても71歳の人が出しているとは思えぬ!

いや、そもそも年齢で物事を括ること自体
完全に間違っているのだとは思うが、
下らない私の考え方は、ともすると
音楽だけに限らない弱気な自分に気が付く
そんなきっかけだったのかも知れない。

仕事でもスポーツでもそうだが、
実力者のそれは説得力が有りすぎる。

アドリブも勿論もっと勉強するけれど、
リードラッパとしてもやはりもっとしっかり
確実に吹けるようにならなくてはと強く思ったのだ。



そんなボビーシューさんと再会をして、
今回真っ先に伝えたかったことがあった。

それは、もう早い物で4年も前、
レアサウンズ創設者西川氏が亡くなった際
頂いた彼からの弔意へのお礼。

彼はそれをしっかり受け止めて下さり、
そしてこの事が今回の共演全てを包み込んだ。
後に記するがラスト前のバラードを
彼と、彼のご家族に捧げてくれた
その暖かな彼の気持ちに心が熱くなった。





前置きをここまでしたくなるほどの共演。
今回は知立文化会館パティオ池鯉鮒で開催。
朝9時に集合をしてそれぞれの仕事に取りかかる。

実になれている!



楽屋に書かれた名前。
今回の、この会場にした理由は
大きくはバリアフリーの必要があったから。

夏のビーハッピージャズフェスで
使い慣れているこの会場は
その辺りの問題は全くないことは確認済み。



楽屋の入り口にある大きなホワイトボードに
しほ嬢、歓迎のメッセージを書き込む。
こんな事も暖かく反応下さるボビーの話は後に。



あえて今回の失敗を記載するならば集客。
レア史上最低の入りであったと言って過言でない。
いろいろ言い訳を並べても見たい気がするが、
これほどのビッグプレーヤーをお招きするも、
お世辞にも多いとは言い難い入りであった。

この規模の会場でやるのには、
やはりまだまだ我々の実力不足は否めない。
大がかりな舞台装置に絶えずその心配がつきまとった。



そもそも席数3階席含めて1000席。
思えば10年ほど前に名古屋市にある
勤労会館大ホールでやったのが
その規模での最後のことだったか。



3階席からの眺めは、この通り。
これを満席にするほどの「バンド力」が必要。
そう言うことも今回の教訓でもあった。

とはいえいつものコンサートより多くの
方々に来場いただけたのは事実。
ご来場者の方には心より感謝しています!



さて、ボビーシュー氏、
足が少々不自由でいらっしゃる。
当然立って演奏することは不可能で、
プロモーター氏からのリクエストが椅子。

みんなで座ってみながら、これでどう?



とても広い会場だけあってロビーも広々。
こちらの準備もいつも通りに進んでいきます。



さて役割のうち、比較的地味でありながら
絶対必要で重要なのが会計。

このメモはご本人ではないと絶対に分からぬ
ある種暗号のような金額の羅列。
暗号のようは良いのだけれど、
これでは本人も分からなくなってしまうのでは??



そして、販売活動の成果を精算。
ノルマ達成者で更に販売活動のために
チケットを持ち出した者のみ返券を許可。

しかし、折れ曲がったりなんかしたら
当日券で売れないのでお買い上げ!
・・・と言いたいところでしたが・・・。

ちなみに財布から出てきたこの折れ曲がった券、
デビルさんが持ち出したものでありました。

そんなつまらない笑い話をしながら、
本当に設営が慣れてきた我々は時間が余る。



さて手前味噌ながら細やかな準備の象徴はこれ。
エビカニ抜きのお弁当表示。

実はメンバーの一人エビカニの類が食べれず、
毎回お弁当調達係り君が気を利かせ
一部別のメニューで届けてくれている。
時にそれは他のメンバーより豪華になり、
食い物の争いとは恐いもので後々まで尾を引く。

で、今回もエビカニ抜き弁当。
こんな細やかな準備するのは
結構我がバンドだけ何では無かろうか・・・。

ちなみにエビカニ抜きとは言いつつ、
全員カニなど豪華な物は抜きでしたけどね!



さて、サウンドチェックからリハへと進みます。
どうですこのロケーション。
緊張が高まるってものでしょう!



私の愛用するヤマハボビーシューモデル。
生みの親の登場を待つばかりであります!



さてボビーシューさん到着!!

やはり、何とも言えぬ緊張が走ります。
これだけの方を招くことが出来るのは、
やはり光栄以外の何物でもないこと。
恐らく私の笑顔はどこか引きつっていたのかも。。

そして冒頭に書いたとおり、
プロモーター氏に通訳を頂き、
故レアサウンズ創設者への弔意を頂いた事に感謝。
この話でどことなく緊張が解けた私。
きっと故人がリラックスさせてくれたのかも。



先ずは机上での打合せです。
リハーサルで極力吹かなくても良いようにするため
この施策をとるようになったのがそもそもの経緯。

いちいちステージ上でやるのよりは便利ですが、
今回は☆▼△■◎★○◆∞♯§£℃⇔βζ▼。
いろいろありました!


以前もボビーとのリハーサルは
ラッパ吹きに対して極めて優しい進行。
今回これも後に記載しますが
メンバー諸君に我が儘を聞いていただき
リードを一部放棄してアドリブを吹いた。

その時のしほ嬢が撮ってくれたリハのシーンこれ。



この直後、私の肩を優しく叩いて
「そんなに吹かなくても良いよ」と。
誰もメンバー止めてくれなかったのを察して
ボビーが止めてくださったのは嬉しかった!

そしてその後のリハーサルはいつにもなく
☆◎◆∞±∀Θξλ△▼☆々で進む。

決して文字化けではありませんのであしからず。
いろいろいろいろありました!!



リハが何とか無事に終了し、
楽屋へ戻ってみるとこれ!

「ME TOO!!」の文字。
勿論ボビーさんによる物であります。
なんかこういう事ひとつひとつが嬉しいのです。


さて開場。



入りが今一つと記載いたしましたが、
やはり入口は随分の列が出来ました。
本当に有難い限りであります。

入りが今一つなんて罰当たりな表現ですね。
出来る限りお一人お一人にご挨拶。
来ていただけるお客様のお陰で成り立つのは
商売のそれと全く同じですから、
お客様の有りがたみも同じですよね。




そして開演



後の挨拶で話しをさせて頂いたとおり、
新しく下ろしたユニフォームの色と
顔色が区別できないほどに緊張の様相。

ただ、一発目、この夏から私の一押しで
慣れぬラテンに取り組んだその曲は結果として
お陰様でアンケートでは良い曲の上位獲得。
いくぞ!と言った気持が伝わりましたかね?



さてこれらの写真本番中は息子による物。
親ばかながらかなりの枚数を撮ってくれ
結構良い物が沢山あったので今回は
ブログにも沢山の画像を載せます。

以前は子供の姿を撮っていた私だけれども、
いつの間いやら逆転しているのが滑稽。

曲順を書いたメンバー配布用のシートに
全体写真が撮れるタイミングを示し
全員で構えている間は連写せよとの指示通り、
結構良い写真が沢山あったのは収穫。
しっかり記録として残る物が出来ましたよ。
早速FBのカバー写真を変更いたしました。

さてボビーシューさん登場



色々な方とのお話や知人のブログにも有りましたが、
お年を召され、巨体で表れたその姿に、
果たしてどんな音が発せられるのかという興味は
確実に期待を裏切らなかった第一声の
フリューゲルの音色に集約されていましたね。

曲の前半フリューゲル、後半トランペットという
このボビーシューさんのアルバムタイトル曲は、
何度も申し上げて恐縮ですが、
とても71歳とは思えぬ演奏。
フリューゲルの渋さとラッパの華やかさが
同時に味わえるこの一曲目で
確実にお客様の心をつかんだ感じでありました。



この事を決断したのは2週間前の練習だったであろうか
ゲストプレーヤーとの恐れおおくもバトル!

大学時代からリードラッパの魅力にとりつかれ、
いつの頃からかアドリブはリードには不要!
と勝手に位置づけをしていた私。

それでも冒頭に書いたような勝手な解釈で、
高い音が出なくなるといけないからと
アドリブをかじり始めた私にとって、
ボビーシューさんというとてつもない方と
バトルが出来たらどんなに幸せなんだろう、
ずっと思い続けていて決断したこの曲でのアドリブ。

緊張と嬉しさとが交錯するこの光景も
当然息子に8バース4バースまで教え込み、
最後の8で連写せよと頼んだ甲斐あってのショット



音が聞こえないのは写真の特権とばかり、
これはもう私の宝物以外の何物でもありません。



どんなバトルだったのか、
どんな音が出ていたのかさっぱり記憶が無く、
一応何度もイメージしていた展開は
ド素人の私にはそれは本番では通用せず、
なんとか終わったというのが正直なところ。

でもこんな機会を許してくれたメンバーに
心から感謝しているのであります!



実は事前にプロモーターさんからの依頼で、
ハイトーン奏者としてではなく
ジャズプレーヤーとしてのボビーの譜面を
用意して欲しいとの依頼がありました。

勝手にメンバーが描いていたのは
やはりそれなりの衰えなのだろうか、と言う事

しかしフタを明けてみてびっくりのプレー。
話が前後するがリハーサル、最後に軽々吹いた
ダブルハイCに全員が全身しびれたのは
今回の驚きトップの出来事であったのだ!



二部開演。

一部がやや長引いた分休憩を短縮。
こうなってくると5分程度長く休憩しても
バテが戻るわけでもないのでゴー。
比較的短い休憩時間でありました。



今年のテーマは「負けない」で進めました。
何もテーマなんか作らなくとも・・とお思いでしょうが、
これはどちらかというと自分に言い聞かせるため。
その最たる曲が二部の一曲目。
何とか1年使い切りましたので、
この曲はしばらく封印をさせていただきます。



余談ながら全体を撮ってね、と頼んでも、
やはり多くなるのが私の姿。
それは確かに嬉しい事である。

次にラッパ隊が多いのも特徴。その一枚。
あ、別にサックスがないとか言う訳では
有りませんのでお気を悪くされないように・・。


二部は3曲目からボビーに入って頂く。

相変わらず優しい音色と若々しい音色と、
シーンで音色が変わるそれはすごい!
又、軽やかに吹くアドリブもあれば、
しっかり吹き込むアドリブもある。

同じフレーズでも全く違ったように
聞こえるのであろうその音の繋がりは、
今から録画されたそれを見るのが楽しみなのである。


そして迎えたラスト前ナンバー。
プロモーター氏からボビーツアーの事を紹介頂いた後、
そのままプロモーター氏がこの曲を紹介頂いたのだが、
心に響く素晴らしいバラードをボビーはなんと
レアサウンズ創設者、故西川政夫氏と、
そのご家族に捧げるとされたのです。



我々も実はこのプロモーターさんの紹介で知った事。
こんな計らいをしてくださる世界的プレーヤーは
我々の事を友達だからなのだと教えてくれた。

多くの方々にこの曲はしびれたと言って頂いたが、
吹いていて何処か涙ぐむ気持になった一曲。
今度何処かで自分で吹いてみたい!
・・・でも無理だろうな。。



最後の曲前でご挨拶をさせていただきました。
MC君がいつも準備万端で臨んでくれるので、
話のネタだけはしっかり整え臨みました。

一部最後にあれほど緊張するバトルをした後なので、
ここでの緊張は殆ど無いに等しかったですが
心を込めてお礼申し上げたつもりであります。



この映像はアンコールラストのシーン。
ここまで来たときいつも感謝の気持ちになります。
こういう活動が出来ることの感謝、
職場や家族の皆さんの理解への感謝、
そして何より来場頂いたお客様への感謝。

そしてラストの音は、確実にヒットした
私のハイGの遙か上を突っ切るハイトーンで終演。
メンバー各位、お疲れ様でした!





さてサインは終演後に頂くことが好きな私。
なぜなら一緒にプレイした後の方が、
良いも悪いも私という人間を知って頂けているから。
なので今回も終演後にメインケースにサイン頂きに



この方のサイン、実に丁寧!!!
ものすごく綺麗な英語を書かれます。

楽器のケースだと特にそうなんです。
きっと大切な物だからという
相手を思いやる気持があるんでしょうね。



で、いただいたのがこれ。
ちなみにもう一方はチャックフィンドレー氏。
こんな偉大なお二方のサインが頂けるなんて
二度とケースを変えることが出来なくなりました!




そして終演後の撤収もチームワーク。
おじさんバンドになって、やや辛い作業ですが、
辛い作業もみんなでやればそれも楽しい。
全員でしっかり手分けして撤収できました。


なんとここで、ブログ1記事の字数制限!

本番記録を何度も書いてきたけれども、
ここまで長くなったのは初めてですが、
宴会の部以降は次のページにて。


感想などコメントは、
是非次のページで頂けると幸いです!
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