カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

第二十二夜・梅伐らぬ馬鹿

2017-07-04 20:01:09 | 百人一首と色名で百物語
たかあきで『ふけにける』と『紅梅色』を使って創作してください。

 梅林の持ち主である偏屈で口の悪い老婆は昔から梅干しを漬けるのが上手く、自慢の梅干しは遠方に住む娘夫婦に送るだけでなく頼まれれば近所の人間にも分けてやっていた。やがて老婆が最後まで受け継ぐ者のいない梅林を気に掛けながら亡くなった後、梅林は公園となって整備されて市民の憩いの場となり、今では有志が漬けた老婆直伝の梅干しが名物土産となっている。
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