蒼い碧なユニコーン

ミュージシャン、ヴァレンシア(VALENSIA)のことを綴る、蒼碧(Aomidori)のブログです。

The Mercurian Mystery March

2006年03月19日 | 星・宇宙


「The Mercurian Mystery March I 」です。
宇宙に関連した言葉は以下のフレーズに含まれています。

「In the beginning, a sun and two moons in the sky
Mercurian orbit swinging, the polar lights on the equator sing 」

「We threw rocks at the moons in the sky 」

「The Mercurian Mystery .. 」

これは Valensia が Robby Valentine と組んだユニット “ V ” の
1stアルバム 『 V 』 に収録されている曲です。歌詞カードには Valensia/Valentine とクレジットされていますが、実際の作詞・作曲は Valensia です。元々自身の2ndアルバムに入れるつもりだったのですが、プロデューサーから「待った」が掛かって諦めた曲なのでした。 それは何故かというと…

クイーン に詳しい人なら聴けばすぐに分かるでしょうが、彼らの名曲「The March Of The Black Queen 」 に似ているんです。…って、タイトルからして既にその影響は明らかでしょう。( 実際にはクイーン以外からの影響も色々あるんですけど。)
しかし単なる亜流、とスルーしてしまうにはあまりにもったいない名曲です。"Black Queen"の事は少し忘れて、じっくり聴いてみて下さい。僅か3分に凝縮された壮大な叙事詩。素晴らしいメロディとハーモニー。ギター・ソロもドラマチックで、胸が熱くなります。

そして…
先ほどタイトルについて触れましたが、前述したように、大抵の人はこれは 「Freddie Mercury(=クイーンのヴォーカリスト)」 と 「The March of the Black Queen」 からの"頂きモノ"だと思うでしょうね。 曲調からいって確かにそれはあるでしょう。でも実はもう一つ意味がある、と私には思えるのです。
「The Mercurian Mystery March 」 とは、「水星人の不思議な行進」…でも良いけれど(笑)、本当は 「水星の不可解な運行」 の事ではないかと思うんです。 Mercurian orbit swinging.. とあるように。

19世紀、太陽系の惑星の軌道はニュートン力学によってほぼ計算されていました。しかし一番内側を回る水星の軌道だけが、計算外の不可思議な揺れを含んでいたのです。その原因の解明に学者達は長い間頭を悩ませていましたが、20世紀に入り漸くそれを解決したのは、かのアインシュタインでした。彼の一般相対性理論は、重力によって時空が曲がる事を示します。その考えに則って計算した水星軌道は、見事に観測値と一致したのです。これは一般相対性理論が世に認められる為の最初の重要な成果でもありました。

Einstein」という曲を作ったほどですから、Valensia はアインシュタインに興味を持っているんじゃないでしょうか。だからこの曲もきっと水星軌道の話がベースにあるのでは、と思ったわけです。

Nuclear breeze という言葉も出てくるように、詞は核の脅威を歌っています。核兵器もまた相対性理論の産物… それで 水星のマーチ と掛けたのではないかと。 そして曲の方は (フレディ・)マーキュリーのマーチ と掛けた、と考えると…
深い。そして凄すぎです。「単なる亜流、とスルーしてしまうにはあまりにもったいない名曲」と言った意味、分かって貰えましたよね? (仮に Valensia がこの事を知らずに作ったのだとしたら…それはそれで凄い…というかちょっとコワイくらいかも。)

更に…
「我々は歴史を繰り返してしまうけれど、(水星のように)少しずつ軌道をずらす事は出来るかも 」って意味も含まれてる?と思ったり…。 そこまで考えるのはちょっと穿ち過ぎかもしれませんけどね。

We're reviving the history
The Mercurian Mystery ..

Valensia が歌う "The Mercurian Mystery.."の部分がとても好きです。


YouTube - The Mercurian Mystery March I 




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6 コメント

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初コメントっす。 (ばるば)
2006-03-27 17:38:23
蒼碧さん



こんにちわ。いつも楽しくブログを拝見させてもらっています。



初めて書き込みします。よろしくです。



Vの「マーキュリアン・ミステリー・マーチ」、僕も初めて聴いた時は死ぬほど興奮しました。その後も何十回も聴きこんだほどです。これまで、数多くのクイーン・フォロワー・ソングを耳にしてきましたが、この曲を超える曲には未だ出会っていません。



それほど、この曲のクイーンであって、クイーンではない、僕の追い求める楽曲センスが詰まっています。



で、その歌詞内容ですが、これまた僕の勉強している仏教とリンクします。ヴァレンシアは歌詞の中で「ホイールが作られたのは初めてではない」と言って、人間以前の知性の存在を信じているようですが、仏陀もまた、「自分はココで初めて悟りを開いたのではなく、遠い過去世において(別の惑星??)すでに悟りを開いていたんだ」といっています。アインシュタインも死ぬ前は仏教を勉強していたとか。



今回の、蒼碧さんの素敵な文章を読んで、ふとそんな事を思ってしまいました。



ではまた。。。
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どうもです! (蒼碧)
2006-03-29 02:46:58
ばるばさん、初コメントありがとうございます!

反響を頂くと、と~っても嬉しいですね。励みにもなります。(^^)



おー、そうですか。この曲、聴き込んでらっしゃったんですね。



ヴァレンシアは、宇宙人やアトランティスや輪廻転生、そういうミステリアスなものにはとても興味を持っているようです。そういえば昔、インタビューで「ミュージシャンにならなかったら何をしていた?」という問いに、「チベットの僧侶。」と答えていましたっけ。(笑)



仏教というのはとても包容力のある宗教ですよね。

カール・セーガンもダライ・ラマ14世との対談で、科学と矛盾しないその教えの在り方に、いたく感銘を受けていました。アインシュタインも同じように感じたのかもしれませんね。



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インドネシア (ばるば)
2006-03-30 02:22:14
蒼碧さん



現在の科学で証明されているすべての事が、数千年前の仏教ですでに明らかにされているんです。まだ科学が追いついていない未知なる部分が多く含まれていて、本当に学ぶたびに面白くなってきます。是非、ヴァレンシアと仏教の話がしたい!!(笑)そういった、東洋思想はやはり、彼の中にインドネシアの血が入っているからでしょうね。早く新たなる彼の歌を聴きたいですね。
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Unknown (蒼碧)
2006-03-31 12:28:58
ばるばさん



カール・セーガンが感銘を受けたのは、

「釈尊は弟子たちに、自ら良く考えて教えの中味を吟味し、その後ではじめて教えを信奉するように説いている。チベット仏教では、釈尊のこうした戒めを肝に銘じ、盲信や実践至上主義を排し、明快な論理による志向を重視している。」(ダライ・ラマ法王日本事務所HPより)

という部分にです。「まさに科学の手法と同じだ。」と。



言葉足らずで失礼しました。

ばるばさんの思ったのと違っていたらごめんなさい。



インドネシアの血がヴァレンシアの思考に何らかの影響を与えているってことは確かにあるでしょうね。
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カールセーガン (ばるば)
2006-04-01 15:08:13
蒼碧さん



カールセーガンは有名なSF作家のようですね。ジョディフォスター主演の『コンタクト』が大好きでよく見ました。



仏教がその他多くの宗教と決定的に違うのが、神のような絶対神がいないんです。「仏」も比喩的に表されただけであって、仏陀はそんなものを認めてないんです。



自分が仏であり、他人も仏と考えるので、絶対争いもおきないですし。



すべて、人間の持つ精神状態を分析した凄い学問ですね。だからはっきり言って宗教じゃないんです。



そこにカールセーガンは惹かれたんじゃないでしょうか?
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COSMOS (蒼碧)
2006-04-02 03:58:18


ばるばさん、カール・セーガン博士の本職は宇宙科学者なんですよ。1980年に「コスモス」という科学番組を制作&自らが案内役として出演し、世界的に有名になりました。

http://www.planetary.or.jp/about5_5.html を御参照下さい。)

確かに優れたSF作家でもありましたね。

貴重な、“表現力に長けた科学者”だったんです。



「コンタクト」は私も大好きな映画です。あれを見ると、西欧では科学の歴史は宗教との闘いだった(いや、過去形ではないらしい?)ということがよくわかりますね。だからこそ博士は、ばるばさんも仰るように、仏教の論理的な柔軟さに感動したんだろうと思います。





そう、私も仏教って宗教ではなく“哲学”だと思っています。

(だから形式的には全くの不信心者です。笑)

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