愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

卒業にあたって

2017年03月15日 | 運営
「下足番を命じられたら,日本一の下足番になってみろ。そうしたら,誰も君を下足番にしておかぬ。」

「成功の道は信用を得ることである。どんなに才能や手腕があっても,平凡なことを忠実に実行できないような若者は将来の見込みはない。」

以上は阪急グループの創業者小林一三の名言です。この言葉を本日卒業したゼミ生に贈ります。

小林さんは,阪急電鉄を核に,宅地開発,百貨店,ホテル,プロ野球,歌劇など,大衆向けビジネスをいくつも創業しました。鉄道会社の成長戦略パターンを確立した人でもあります。

その小林さんが残した名言は凡事徹底を説いています。つまらないと思われる雑用をきちんとやり通すということです。業務というものは,華やかに見える部分はわずかで,ほとんどが外からは見えない地味で決まりきった作業で構成されています。その作業は一見変わることなく,繰り返されます。誰しも,注目を集めない,繰り返しの地味な作業を担当したくはありません。しかし,それを誰かが行わなければ,業務は進行しません。組織人に求められることは,組織業務の全体像を見極め,そのなかで自分の役割を確実に果たして,組織に貢献することです。つまらなそうな作業であっても,業務の一部になっているのならば,それを確実に担当する必要があるのです。

小林さんの言葉にある下足番というのは,店舗や旅館でクツなどの履物を預かる役のことです。昔は,たいていの店舗は土足禁止で,顧客が店内に入るときには,履物を脱がなくてはなりませんでした。その履物を預かり整理するのが下足番です。来る日も来る日も,汚れた履物を扱うのはつまらない雑用のように思えます。しかし,この下足番が,顧客のファーストコンタクト,店舗で最初に接する店員だと考えるとどうでしょう。しかも,店舖を出るときに顧客が最後に接するのも下足番です。その店員の働きぶりで,顧客の店舗に対する印象は決定的に左右されるといえます。そう考えると,つまらぬ役ではなく,組織にとって重大な貢献をする役であることが分かります。

小林さんは,大衆の心理と行動を知るために,駅の改札やレストランの入口に立ち,顧客を観察し続けたといいます。小林さんに範を求め,小売業界でトップに立った中内功さん(ダイエー創業者)は小林さんのことをつぎのように評しています。「徹頭徹尾,大衆の動向を把握し,そこからマーケティングを進めた商人中の商人。」

『逸翁自叙伝』(講談社学術文庫) など小林さんの著作はいくつか出版されています。また小林さんの評伝は,小島直記『鬼才縦横上下』(日経ビジネス人文庫)など多数発表されています。マーケティングを学んだ皆さんには是非薦めます。きっと,今後の仕事に役立つアイディアが得られるでしょう。

追伸
今年度の卒業生で思い出すのは,名城公園キャンパス一期生ということです。彼らの受験時,新キャンパスが人気を呼び,入試倍率は例年よりも高く,入試は難化しました。したがって,近年最も学力水準の高い学生たちでした。いつもは不人気のうちのゼミは,この学年では志望者が多く出て,定員を充足しました。ゼミ生は男女半々で,仲の良さと緊張感のある人間関係が結べたと思います。ゼミらしい雰囲気が醸し出された2年半だったでしょう。卒業後,時間が空いた時には,気軽にキャンパスを訪ねて欲しいと思います。


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