愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

下限に合わせるかどうか

2017年09月21日 | 運営
今週から秋学期の授業が始まりました。もちろんゼミもです。さっそくゼミの時間中,議論になったのが,10月半ばに開催される予定のビジカン(学内研究発表会)中間発表会についてです。第1段階でテーマを提出し,つぎに発表用データを提出,そして中間発表会でのプレゼンという手順で進みます。テーマ提出は今月末です。これでエントリーということになります。

うちのゼミ生曰く,「ビジカンの実行委員会や,エントリー予定の他ゼミの学生の発言を聞いていると,できない学生に合わせて運営しようとしていると感じます。やる気や能力のあまりない学生たちをコントロールするために,細かなルールを設けることになりそうです。その一方で,実際の発表や質疑応答は低い学生のレベルに合わせて,短く簡素になる気がします。このままじゃ多分,活発な議論もなく,淡々と,5分にも満たない,簡単な何を言っているのよく分からない発表をいくつもいくつもぼんやり聞くだけになりそうです」。

実行委員会でどのような議論をされているか分からないし,実際にどのような展開になるのか現時点では不明です。うちのゼミ生は,学内発表会の緊張感のなさを感じ取ったために,懸念を表明しているのでしょう。ちなみに,そのゼミ生は,名古屋マーケティングインカレや論文コンテスト等学外の行事を経験してきたので,そう思うそうです。

なかなか難しい問題です。できる限り多くの学生に参加してもらい,学部をあげての大きな発表会にしようと企図すると,意欲・学力の低い学生を参加者として取り込むことになります。そういう学生にも一通り行事にコミットメントさせようとすると,意欲・学力の下限に合わせた運営になりがちです。しかし,それが良い教育的配慮かというと何ともいえません。結局ゼミ生の言うように,やる気のない学生をぼんやり過ごさせる一方で,意欲・学力の高い学生をあきれさせて終わことになるかもしれません。

意欲・能力の高い学生が競い合い,それによって低い学生を刺激して慌てさせ,学部全体で,学生の勉学モチベーションを引き上げることを狙ってビジカンは始まりました。学生が学問に正面から向き合うことが変なことではない雰囲気を作るきっかけにするということです。現状では,学問に正面から向き合う学生はうちの学部内ではイレギュラーな存在扱いです。

そのためには,まずは,意欲・能力の高い学生が良い発表をし,それが学生や教員に正当に評価される場を愚直に作りあげることが重要です。また,学生が相互に良い発表を評価するための評価眼を養成することも大事です。昨年度の本大会では,学生たちが選んだ優秀賞は,自分たちが理解できる,見た目が面白いものばかりになり,論理性,調査の徹底,独創性は見過ごされてしまいました。結局,意欲・能力の高い学生をしらけさせてしまいました。

過去2回(2年間)はうまくいきませんでした。卒業生がいうように「グダグダ」に終わりました。今回うまくできるでしょうか? 中間発表会を学生による発表内容の改善機会の場とするとともに,運営の改善機会の場とする気概を,実行委員会,参加学生,教員それぞれが持つ必要があります。また,改善を模索する際に,学内の行事であってもどこかに外部の目を入れる工夫も必要かもしれません。




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