青空の Café time

Summer love is Passionate

夜とピアノとあなたと(散文詩的掌編)

2017年07月18日 11時34分18秒 | 詩 noir



いつの間にか降り始めた雨

車の中はワイパーの音とオーディオから流れるピアノだけ

黙ってステアリングを握るあなた

助手席で夜の雨を見つめるわたし

時折ウィンドウを強く叩く雨が静けさを破る



"ピアノの調べは雨に似ているわ"

「そうだね。ショパンに雨だれという曲がある」

"そう、プレリュード。雨の映画は何が好き?"

「フランス映画かな。題名は忘れたけど、雨の中を車を飛ばして女に会いに行くシーンがある」

"なぜ飛ばすの?"

「愛する女に早く会いたいから」



わたしはあなたの横顔を見つめる

あなたは前を向いたまま微笑んでいる

流れていた曲が変わった



"ねえ どこへ向かっているの"

「雨の街かな」

"雨の街にはどうやって行くのかしら"

「雨の中を通って」

"でも、雨が上がったみたいよ"

「そうだね。もう雨の街にはたどり着けない」

"今度はどこへ向かうの"

「君の行きたいところヘ」

私は彼に微笑んでウィンドウから夜を見つめる


"あなたと一緒ならどこへでも"


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