杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

湯を沸かすほどの熱い愛

2017年05月12日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2016年10月29日公開 125分

持ち前の明るさと強さで娘を育てている双葉(宮沢りえ)が、突然の余命宣告を受けてしまう。双葉は残酷な現実を受け入れ、1年前に突然家出した夫(オダギリジョー)を連れ帰り休業中の銭湯を再開させることや、気が優しすぎる娘の安澄(杉咲花)を独り立ちさせることなど、「絶対にやっておくべきこと」を決めて実行していく。

 

体調不良で受診した病院で末期癌で余命数か月の宣告を受けた双葉、休業している銭湯の浴槽にしゃがみこんでいる姿が痛々しいのですが、この後の彼女の奮闘が凄い!演じているりえちゃんがあの細い体で熱演しているのですが、彼女あってこそ成立する物語だと思いました。

まず双葉が実行したのは、蒸発した夫・一浩を連れ戻すこと。探偵(駿河太郎)に頼んだらあっさり居場所が判明。昔浮気した女性のところに転がり込んでいたダメ亭主ですが、女性は彼の子供だという鮎子(伊藤蒼)を置いて消えてます。

二人を連れ帰った双葉に唖然とする安澄は学校で苛めを受けていました。絵具を塗られたり、制服を隠されたり、けっこう過激なことをされていて、ついには学校を休みたいと言う安澄に、双葉は「今逃げたらこの先も行けなくなる。自分の力で立ち向かいなさい」と迫ります。娘を信じているからこその強い態度なのです。双葉が贈った下着をつけて登校した安澄は思い切った行動に出て苛めを跳ね返すのですが、あ・・ありえね~~

鮎子が誕生日までには迎えに来るという母の言葉に縋って消えた時も、双葉は鮎子の居場所を推測して連れ帰ります。実は双葉自身、幼い時に母親に捨てられた過去を持っていたのです。後に病が重くなった時、探偵が双葉の母親の居場所を突き止めるのですが、会いたいと願う双葉を「そんな娘はいない」と拒絶されてしまうというエピソードは、安易なハッピー展開じゃないのが現実味を持って迫って来て胸に突き刺さりました。 

安澄と鮎子を連れて旅行に出かけた双葉。かなり病も進行していて運転できるんかい?という疑問はひとまず置いといて 途中でヒッチハイクの青年・拓海(松坂桃李)を拾うのですが、目的もなく旅している彼を双葉は非難せず、ただ目的を与えるのです。宿で吐血する双葉。この頃にはどんどん痩せて体調も明らかに悪そうに見えます。

立ち寄った食堂でタカアシガニを食べたあと、店員の聾唖の女性・君江(篠原ゆき子)の頬を打つ双葉。???と思っていたら、彼女は夫の前妻で、安澄を置いて逃げた女性だと判明 実の娘を見てわからなかった彼女に思わず手が出たのね。事実を安澄に告げ、実母と向き合うよう迫る双葉。心の準備というものもあるだろうにと思ってしまうけれど、双葉にはもう時間がない!!この旅は安澄と君江を引き合わせるためのものだったのね

気力を使い果たして倒れた双葉に子供たちも彼女の病状を知ることになります。「目的」を遂げて報告にきた拓海も銭湯を手伝う中、安澄や鮎子は衰弱していく双葉の前では涙は見せまいと明るく振る舞います。一浩が双葉の苦しむ様を直視できずに見舞いを避けながらも、彼女のことを気にするのとは対照的です。娘たちは血が繋がらないけれど、双葉の生き様の強さを引き継いでいるのだと思わせてくれる描写です。

双葉の葬式は銭湯で行われ、何故か探偵が霊柩車を運転しています。土手での意味ありげな家族の会話。そして焚きたての湯船に浸かる面々。え・・??それってもしや! フィクションならではのラストってことかしら

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