約1500年前の北欧。敵国の双子の王に攻められ両親を殺された幼いジークフリート王子(ベンノ・フユルマン)は鍛冶職人のエイヴィン(マックス・フォン・シドー)に拾われ、自分の出生を知らぬままに成長する。
12年が経ち、逞しい青年となったジークフリートは、神々の導きによりアイスランドのブリュンヒルデ女王(クリスタナ・ローケン)と出会い、恋に落ちる。出自を知るためにグンター王(サミュエル・ウエスト)が治めるブルグント王国へ出向いた彼は、王国を困らせていた竜を退治し、ニーベルング族の宝の指輪を見つける。しかし、指輪の呪いと、指輪を狙う者の憎しみを買うことになる・・。
リヒャルト・ワーグナーの歌劇の下敷きになった北欧神話をベースにしたファンタジーアドベンチャードラマです。J・R・R・トールキンの「指輪物語」(映画LOTRの原作)でも有名。全世界の支配を可能とする魔法の指輪を手に入れた主人公ジークフリートの活躍と悲劇が描かれています。
前後編を一挙にまとめたDVDなので、3時間を越える長さがありますが、ファンタジー好きなら一気に観てしまう筈。
指輪の魔力というより、英雄であるジークフリートを取り巻く人間関係に焦点が当てられた人間劇が主かな。武勇に優れた絶世の美女であるブリュンヒルデ女王の清冽な愛も、恋の媚薬を使ってでもジークフリートの愛を得たかったグリームヒルト王女の一途な愛も、本質の具現化といえるでしょう。
北欧の「古い神々」とキリスト教(新興の神)とが混在する世界で、宗教観の違いは、間違いを犯したグリームヒルトがブリュンヒルデに告白し、赦しを請う場面に明確に現れています。葬送の船を見送るグリームヒルト(キリスト教)とジークフリートと共に果てる女王(殉死)という点でもその違いが見られるかな。
欲に負けて身を滅ぼしてしまうのはニーベルング族出身のハーゲン卿やグンター王に留まらず、ニーベルング族の忠告を無視したジークフリートも同様です。竜の血を浴びて不死身となった(竜との戦いもなかなかスリリング)ジークフリートが、唯一の弱点である背中を貫かれ死んだ後の、指輪を巡る醜い諍いは人間の欲を集約した姿のように感じました。
育ての親である鍛冶屋のエイヴィンの高潔な人柄、純粋なブルグント国の弟王子など、善人も登場しますし、彼らは幸福な死や未来を掴むのも示唆的です。
長い物語をなかなかコンパクトに集約して、映像的にも美しく壮大に描いているこのドラマは映画としても引けを取らない出来だと思います。
12年が経ち、逞しい青年となったジークフリートは、神々の導きによりアイスランドのブリュンヒルデ女王(クリスタナ・ローケン)と出会い、恋に落ちる。出自を知るためにグンター王(サミュエル・ウエスト)が治めるブルグント王国へ出向いた彼は、王国を困らせていた竜を退治し、ニーベルング族の宝の指輪を見つける。しかし、指輪の呪いと、指輪を狙う者の憎しみを買うことになる・・。
リヒャルト・ワーグナーの歌劇の下敷きになった北欧神話をベースにしたファンタジーアドベンチャードラマです。J・R・R・トールキンの「指輪物語」(映画LOTRの原作)でも有名。全世界の支配を可能とする魔法の指輪を手に入れた主人公ジークフリートの活躍と悲劇が描かれています。
前後編を一挙にまとめたDVDなので、3時間を越える長さがありますが、ファンタジー好きなら一気に観てしまう筈。
指輪の魔力というより、英雄であるジークフリートを取り巻く人間関係に焦点が当てられた人間劇が主かな。武勇に優れた絶世の美女であるブリュンヒルデ女王の清冽な愛も、恋の媚薬を使ってでもジークフリートの愛を得たかったグリームヒルト王女の一途な愛も、本質の具現化といえるでしょう。
北欧の「古い神々」とキリスト教(新興の神)とが混在する世界で、宗教観の違いは、間違いを犯したグリームヒルトがブリュンヒルデに告白し、赦しを請う場面に明確に現れています。葬送の船を見送るグリームヒルト(キリスト教)とジークフリートと共に果てる女王(殉死)という点でもその違いが見られるかな。
欲に負けて身を滅ぼしてしまうのはニーベルング族出身のハーゲン卿やグンター王に留まらず、ニーベルング族の忠告を無視したジークフリートも同様です。竜の血を浴びて不死身となった(竜との戦いもなかなかスリリング)ジークフリートが、唯一の弱点である背中を貫かれ死んだ後の、指輪を巡る醜い諍いは人間の欲を集約した姿のように感じました。
育ての親である鍛冶屋のエイヴィンの高潔な人柄、純粋なブルグント国の弟王子など、善人も登場しますし、彼らは幸福な死や未来を掴むのも示唆的です。
長い物語をなかなかコンパクトに集約して、映像的にも美しく壮大に描いているこのドラマは映画としても引けを取らない出来だと思います。