杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?

2017年08月18日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)

2017年8月18日公開 90分

とある海辺の町の夏休み。中学生たちは花火大会を前に「花火は横から見たら丸いのか?平たいのか?」という話題で盛り上がっていた。そんな中、クラスのアイドル的存在のなずなが、母親の再婚のため転校することになった。なずなに思いを寄せる典道は、転校をしたくないなずなから「かけおち」に誘われ、時間が巻き戻る不思議な体験をする。声の出演は、なずな役を広瀬すず、典道役を本作が声優初挑戦となる菅田将暉、典道の恋敵となる祐介役を宮野真守がそれぞれ務める。


岩井俊二監督のテレビドラマをアニメでリメイクした作品です。去年公開の「君の名は。」を一年遅れでやっと先日観た勢いで、巷で期待度高いこれを今度は真っ先に観ようと出かけました。でも内容的に共感は無理かな~と予感したのでポイント使用で(個人的には正解だったな)上映も日に7回と他の作品に比べても興行的期待値も高いようで、観客も10代の子たちが殆どでしたが、前作ほどのロングランはどうかな?

実写版をまず観たことがないので比較はできないですが、設定を小学生から中学生に変えているとはいえ、妙に幼く、また変に色っぽい主人公たちと同世代ならきっと瑞々しい共感を得られるのかもですが、そこを遠く隔たっている身には・・・正直つらい

なずなの母親は恋多き女性という設定で、駆け落ちして生まれたのがなずなでこの時が二度目の結婚。しかし父親がいなくなって一年も経たないうちに再婚するらしい。当然この時期の少女には母親の生き方も選択も許せないんだろうと推測できます。

なずなと典道は少なからず想い合っているのだけれど、素直にそれを伝えられずにいましたが、転校という一大事を前になずなは行動を起こすのね。海で拾った不思議なガラス玉?が二人の距離をどんどん近づけていきます。とるべき道を都度選択しながら繰り返していく時間の中で、典道は自分の想いを再確認していきます。

この年頃は女の子の方が考え方も行動もずっと大人びているものですが、なずなも例外ではなく現実では無理とわかっていても典道と過ごす「駆け落ち」の時間を精一杯楽しもうとします。なずなを演じるすずちゃんが歌う「瑠璃色の地球」もしっとりしていて良かったなぁ

灯台から見る打ち上げ花火は平たかったり、丸かったり、不思議な形だったり・・・これが現実ではない典道が望む世界=夢を象徴する形です。まさにファンタジーの世界感でした。


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