新興国は市場主導の為替を認める必要、人民元上昇を注視=米大統領

2010-11-13 08:27:22 | 日記
 [ソウル 12日 ロイター] オバマ米大統領は20カ国・地域(G20)首脳会議後、為替相場は経済実態を反映させる必要があると述べた。

 大統領は「新興国は市場主導の為替を容認する必要がある。中国の胡錦濤国家主席にもこの問題を提起した。中国人民元の上昇を注視していく」と述べた。

 G20については「ここでの作業は劇的なものとはならず、すぐに世界を変えるようなものではないだろう。ただ、われわれは一歩ずつではあるがより強力な国際的メカニズムや機関を構築している。これが経済の安定化に寄与して経済成長を確かなものとし、一部の緊張を軽減するだろう」と述べた。

 中国については「人民元は過小評価されており、中国はその状態を維持するために巨額の資金を用いて市場に介入している。われわれは中国に、市場原理に基づいた為替システムへ徐々に移行することが重要と指摘した」と述べた。

 さらに「市場原理に基づいた為替システムは、一部の人だけでなく誰もが取引によって利益を享受することができる最善の方法だ。中国がこの問題で前進することを期待している。われわれは、これが一夜で解決する問題ではないことを理解しているが、取り組むべき問題であり、実現可能だと確信している」と述べた。

 国内税制については「共和・民主両党の幹部と来週後半に会い、今後について協議する予定だ。わたしの最優先課題は中間層向け減税措置を恒久化することだ。わたしは中間層の所得税の上昇を望まない。これは、彼らが厳しいリセッション(景気後退)を経験した後で救済を必要としているためだけでなく、経済にとって悪いことにもなるからだ」と語った。

 また、富裕層向け減税の維持は「間違いとなり、その余裕はわれわれにない」との考えを変えていない、と述べた。

 輸出については「どの国も、繁栄への道が対米輸出だけで敷き詰められていると考えるべきではない」と語った。

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