詩のブログ

読んで下さった奇特な方ありがとうございます

減衰

2017年10月08日 | 佳作
昼間の喧噪に

取り残されて

独り

目を閉じれば

街の灯りが

私を包む


過去の哀しみに向き合えば

変わらない矮小な私が

静かに脇道を歩んでいる


この今にたゆたって

人々の気配を感じ取り

私は行く先を推し量る


そこに誰がいるのか

そっと想像しながら
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昨日までの雨

2017年10月08日 | SELECT
雨の優しさが

視界を包み

樹々がそっと

答えを置いていく


拾い集めた

小さな日々が

弱々しく

訴えかけ


雲の隙間に滲む希望が

足下の水たまりにも

微かに映り込んでいる


僕の疲れは

心なしか流れ落ち


雨上がりの朝

まるでこれまで忘れていたみたいに

僕はこれから先のことを

想い描いている
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トレース

2016年12月11日 | 佳作
すれ違う者全てに

私は掴みかかり

必死にそこから抜け出そうと

あがく


差し伸べられた糸に

気付かぬまま

その糸をたどって

私は戻ってきた


幾度か平穏が繰り返され

その合間の虚勢にも

色合いは薄れ


拳を振り上げた相手は

いつしか恩人となった


だから私は立ち返る


あの憎しみに

あの哀しみに


あの寂しさに
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機微

2016年12月11日 | 佳作
小春日和の光が

ひとしきり皆を幸せにしたあと

ひそやかに

私にも 幸せをくれた


微かな風が

私の気持ちを引き締める


いつもそこにある

その場所で

私はまた やり直す

誰にも 見つからないように
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2016年09月21日 | 佳作

青い空に

一点の曇りも無い

希望が

複雑に絡み合い

手を差し伸べている


大地に這いつくばって

絶望から目を逸らし

他の誰かを恐れ


一つ一つの光に

求めた以上にすがって


僕は待った


僕が僕の内側から離れ

隔てるもの無く

空を見上げられるようになる

その時まで
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霞み

2016年09月10日 | 佳作

正しさを探ろうと

手を伸ばしたら


青く透き通る

ワタムシが舞い降りた


小さく空間を切り裂いた

その実像から

あたりにたくさんの機微が満ち


美しさが

世界の裏張りを染める
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希望

2016年07月23日 | 佳作

晴れ渡った雪原に

一輪の意思


僕は僕の中心に向かって

一心に掻き進む


暗がりに目を凝らすたび

眩しさから一つ

目を逸らしてきた


大地の澱みの無さに

怯え


それでも僕は

まだ聞こえない産声に

じっと

耳を澄ます
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記憶

2016年06月12日 | 佳作

街灯からスクリーンへ

音楽が町に

感情を添えて

映し出す


そっと差し出される

優しさに

強がりも

焦燥も

溶け出して


目の前で見た笑顔より

いま一人思い出す笑顔が

心に染みる


喜びに照らされて

微かに軌跡を残しながら

哀しみが

後退していった
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決意

2016年06月12日 | 佳作

青空を開いたら

未来から 光が差し込んだ


大地に根差した

草花の香り


目に見えない暗がりを

横目で制し

僕は立ち上がる


雲を突き抜け

閉じかけた扉に

夢中で腕をねじ込んで


明日の 光の中へ
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アメリカン・コーヒー

2015年04月12日 | 佳作

ピンと張った

時計見をほぐす


音楽が

滑らかに僕に注ぐ


新しい朝

僕は僕を再構築する


窓から差し込む

確かな可能性に


静かに

夢を映す
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透明な夜

2014年12月28日 | 佳作
凡庸に揺られ

夜を彷徨って


街灯の眩しさに

目覚めを妨げられた



何とか見上げた

星空の

見知った星座に

駆け込んで


慌ただしく

僕は清算する



孤独が

優しさであるのなら


疲れきった心のざらつき

折り合いの遺失物


それらを夜闇に溶かし込む術を

僕は知っている
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世界

2013年12月07日 | SELECT
そびえ立つ青空

悠然と浮かぶ雲

青空を切り取るビルディング

視界の横隅に立つ街路樹

アスファルトを歩く僕


僕は生きている



人混みに呑まれ

都会をさまよって

心をすり減らし

笑い

励まし合う


いま僕は生きている



暗闇の中 街灯のすきまで

微かに揺れる木々

弱々しく美しい

星座のひとかけら


僕は生きている



手を伸ばし

世界と噛み合わせれば

僕のこの今が

明日の世界を作り出す

僕は逃げ出さない


僕は生きている
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夏のワンフレーム

2013年07月11日 | 佳作
太陽の光をちりばめて

キラキラ光る

カレット入りのアスファルト


他人事のような眩しさが

景色を包む


静かに過ぎ去るこの今が

音を無くし

いつの間にか溶け込んでいった
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その夜

2012年04月08日 | SELECT
街灯のちらつく

町の中

ぼくは一人ぼっちで

新しい命の後釜に

どっぶりと浸かって


何度も

何度も

むせび泣いた


誰に感謝していいかも

分からず

すれ違う誰かの形を

一人一人切り出して

あてずっぽうに

今に溺れ


やがて思い浮かぶ

近しい人間の

姿形

色付く表情

うっすらと輝く




もう一度倒れ込んで

嗚咽して

ふと顔を上げると

僕は夢を見る


街灯が

未来へ変わり

星空に

幸せが

瞬いている
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授受

2012年04月08日 | 佳作
生まれ落ちた

水色の雫


黄色い膨らみが

瞬く間に

僕たちを包む


次第に鮮明になる桃色の

力強い塊が

僕のこの腕に

顕れ


この命が

僕たちの頭上に

既に在るものとして

満ちる
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