
1961年の公開であるということだから、ちょうど半世紀が経ったことになるが、ブルーレイ・ディスクでの再生で、まるで新作のような気分で鑑賞した。実際、鮮明な画面、リアルな色彩は新鮮である。あのトルーマン・カポーティの原作である。村上春樹の翻訳になるものが3年ほど前に出版されているために、読みたいと思っていたところであるので楽しい時間を持つことができた。
まず、タイトルが洒落ている。「ティファニーで朝食を」ということになれば、世界的に有名な宝石店を借り切って朝食を食べたいということかと思われる方もあるだろうが、この映画をご覧になれば、オープニングでオードリー・ヘップバーンがとる行動から納得されるはずである。この行動から、この女性の生活まで見通せる気がする。そう、朝帰りしなきゃならない娼婦役なのである。
映画の情報誌などでは、ニューヨークで自由気ままに生きる謎めいた女性を主人公に描かれた作品であるとか記載されているが、自由気ままにはともかく謎めくという表現では、この映画のオードリーのキャラクターをいい得ていないのじゃないか。謎めくというと、いくぶん暗さが感じられると思うが、それがない。
あくまでファッショナブルである。というのは、暮らしぶりは当然であるし、大胆な衣裳のデザインの衣裳をさり気なく着こなし、ヘアーもメイクもオードリーでなければ似合いそうにない奇抜さであるが、妙にしっくりと彼女の個性を発揮する手助けをしている。後世まで残る作品であるポイントが、ここにもあるのじゃないか。
まあまあ、ニューヨークを舞台にしたラブ・ストーリーは数限りなくあるが、この作品こそ、そのトップにランクされてもいい作品じゃないだろうか。それに、オードリーの相手役は、ジョージ・ペパード。この映画の相手役には彼以外には考えられない配役であると思う。その彼も、肺ガンで亡くなり、そういえばオードリーも、もう亡き人というのは哀しい。無慈悲なる時の流れである。









