あんぺんの間

日常の隙間、ちょっとしたことを書いていく日記です。

観劇覚え書き:ミュージカル「モーツァルト!」

2005年12月05日 02時48分17秒 | 観劇覚書
ミュージカル「モーツァルト!」主演:中川晃教バージョンを見た。結果。三時間中二時間半、号泣。

話の内容は、親子の父離れ・子離れが中心なのかなと思った。自分の才能と自由だった子供時代の栄光に振り回されるモーツァルトと。子を愛しすぎて、モーツァルトに対して素直になれない父と。権力で才能を支配しようとするコロレド大司教からも父からも自由に、誰にも頼らず一人で生きていこう、生きていけるという息子。でも結局モーツァルトは最後まで誰かに頼らずにはいられなかった。才能を発揮して、皇帝からも認められて、成功を収めるわけだけれども。人としては結果的に切り捨てた家族と向き合うことも、他人の人生を背負い責任をとることからも目を背ける、ような。父レオポルトの言うとおり未熟なまま。父親に反発する気持ちと同時に、父が誇りに思ってくれるような人間になりたいといつも思っている。父を越えたいのに、もう守ってもらえないことに不安を覚えたりする。

甘えまいとする自分と、甘えを許している自分とがいるんだけど、どっちかの面は見ないように見ないようにしているよなぁと。自分自身たいへん身にしみて覚えのあることなものだから、涙が出てくるのは分かるの、だ、が。

それにしたって泣きすぎだ!中川さんが山口祐一郎が一路真輝が市村さんが歌いだすたびに「ぶわっ」と溢れ出すというのはちょっと。でも出演者にしろオケにしろ音楽にしろ・・本物をみたなぁと思う。オーラをばしばし感じた。中川さんも若者っぽく仕上がってて、この物語に合ってた。また音楽が良くて忘れられない。
カーテンコール終わっても拍手が止まなくて、どうするのかと思っていたら、オケが何曲か演奏してくれて。舞台上の役者とも、オーケストラとも、歌・音楽を介して想いをやりとりした感があった。
チケット代は無駄じゃぁありませんでしたな・・・
(11月6日夜 博多座公演)


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