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横濱つんてんらいら

2016-11-20 | つれづれ日記

本格的に雪が降る前の贈り物のように

晴れた日が続きます

 

「横濱つんてんらいら」(橘沙羅)を読む

 

時は明治15年の横濱

海産物問屋「浦島屋」の娘すずは

祖母のきんとともに家のことに忙しい毎日だ

海産物問屋なのに

主の治兵衛の人柄のためか店先は気軽にお茶を飲みに来た人たちで賑わっている

・・・・

 

とにかく登場人物が多い

早くに母を亡くしたすずの家族は祖母と父と妹の吉乃

後半は大恋愛で嫁に行った末に出戻ってきた姉の小夜が加わる

すずの見守り役を任じている車引の才蔵と写真館の息子モーリス

すずの友達の喜代

すずが憧れる貿易商「海和堂」の劉鴻志

劉の祖父の妾の緑綺

喜代が憧れるカーティス商会の番頭の渥美

浦島屋の番頭や丁稚たち

店にたむろする人々

・・・・・

 

すずは喜代に頼まれた文を

渥美に届ける途中でひったくられてしまう

というところから物語は始まる

劉の助けを借りて文を探すうちに

すずは知らないうちに事件の尾を踏んでいる

根岸に打ち上げられた若い女の子変死体の事件

出処の知れない阿片の密売事件

・・・

才蔵の

「すずには致命的な欠点がある

すずのような人なつこさを毛嫌いしたり、妬んだり、利用しようとする人間が

この世には大勢いるのだとは微塵も考えないことだ

分け隔てのないすずの好意は

いつか取り返しのない事態を招くかもしれない」

という危惧は当たり

すずは事件に巻き込まれていく

 

父親の死の原因となった異国人たちを毛嫌いする才蔵

自分の出生が母の死につながったことを負う文学少女の吉乃

父も母も亡くして、たった一人の肉親の祖父に認められないことに悩む劉

日本に馴染めない母の不調を何とかしようとしているモーリス

人物の背後の影が

きっちりと書き込まれて

作品に立体感をもたらしているように思えます

 

 

 

 

 

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