レガスピ移住計画・渡世編

移住を夢見たオヤジが愛国語ります。

皇太子殿下 タイ国、カンボジア国及びラオス国ご訪問に際してのご感想(全文)

2012-06-23 11:12:54 | Weblog
http://www.yomiuri.co.jp/feature/impr/20120622-OYT8T01039.htm

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<宮内記者会質問>
問1

 ご訪問される3カ国は、いずれも我が国と縁が深く、昨年の東日本大震災で大きな支援を受けたことは記憶に新しいところです。一方、タイでは昨年、ご視察日程にも含まれているチャオプラヤ川が氾濫したため甚大な被害をこうむり、我が国にも大きな影響を与えました。また、タイの王室は日本の皇室とも関わりが深く、殿下もプミポン国王と2回にわたってお会いされています。ご訪問では、タイのアユタヤ王宮遺跡やカンボジアのアンコールワット、ラオスのシエントーン寺院のご視察など各国の歴史にも触れられます。3カ国の印象や訪問にあたっての抱負をお聞かせください。

ご回答

 この度、メコン河流域のタイ、カンボジア、ラオス3か国を公式訪問できることを大変うれしく思っています。御招待いただいた3か国政府にそれぞれ心からお礼を申し上げます。

 学生時代の昭和55年に初めてタイ国を旅行して以来、この地域には親しみを感じてきました。特にタイについては、昭和39年以来、幾度か訪問されている天皇皇后両陛下から折に触れてお話を伺い、また、両陛下のお招きで東宮御所を訪ねられたタイ王室の方々とお会いする機会などを通して、両国の関係がいかに歴史のある深いものであるかを学んできました。今回の私の訪問を契機に、我が国とこの地域との絆(きずな)が一層深まることを期待しております。

 また、タイの国王陛下には、御入院中でいらっしゃるにもかかわらず、王妃陛下と御一緒にお会いする機会をお与えいただき、大変有り難く思っております。あわせて、この機会にタイ王室の皆様とも旧交を温めることができれば幸いです。

 昭和55年のタイ国訪問では、故石井米雄京都大学名誉教授に同行していただき、バンコクを始め、スコータイ、アユタヤといったタイ王朝の歴史の舞台を巡りながら、タイの歴史、文化を学ぶことができ、とてもよい経験になりました。スコータイ郊外で、日本でも江戸時代の茶人に珍重された宋胡録焼(すんころくやき)の窯址を見て、日本とタイとの交流の歴史に思いをはせたことも懐かしく思い出されます。

 タイは日本とのつながりが取り分け強く、日本とゆかりのある現地の方々や在留邦人の方々も、特に多いと承知しております。今回の訪問中に、こうした二国間の交流に尽力された方々や、特に東日本大震災に際し支援やお見舞いを頂いた方々と直接お話しし、感謝の気持ちを述べたいと考えています。

 カンボジア、ラオスについては、いずれも初めての訪問となります。カンボジアは、シハモニ国王陛下やフン・セン首相に訪日の際にお目にかかり、我が国との長きにわたるつながりや、長い内戦を経た、和平、復興への道のりにつきお話を伺う機会を得たことを思い出します。今回の滞在中、カンボジアにおけるPKO活動中に殉職された方と国連ボランティアとして選挙支援に従事し殉職された方の慰霊碑に供花し、我が国国民がカンボジア和平のプロセスに果たしてきた歩みに思いを致したいと思います。また、この機会にアンコールワット遺跡を訪問し、カンボジアの誇る世界遺産の修復、保存に尽力してこられた日本の研究者のお話を伺うことにも大変関心を持っております。この他、アンコール王朝は、大きな貯水池を築き、周辺の田畑に水を行き渡らせるべく様々な工夫を凝らしたと聞いています。人と水との結び付きの歴史に関心のある者として、今回実地に見聞できればと思っています。

 ラオスについては、今回お会いするチュンマリー国家主席、トンシン首相には、訪日の際にお目にかかる機会がございました。ラオスは、我が国が青年海外協力隊を最初に派遣した国と聞いており、今回の日程の中でも、日本とラオスの協力の懸け橋となって活動する若い方々にお会いすることや、日本の支援で建設された武道センターで、日本人の指導の下、武道を学ぶラオス人の方々と触れ合う機会が予定されていることは楽しみです。また、世界遺産であるルアンパバーンは大変すばらしい古都であるとのことであり、歴史を感じながらじっくりと視察できればと思います。

 次に、今回の3か国に共通して私が思っていることを3点ほど挙げてみます。

 第1に、それぞれの国の「歴史」、それぞれの国と我が国との交流の歴史につき、今回の訪問を通じて思いをはせたいと考えています。アユタヤの日本人町に象徴されるように、この地域は、それぞれ長きにわたる日本との交流の歴史があり、またそれぞれの国が独自の文化を発展させてきています。

 日本との関係を語るに当たって、タイ、カンボジアについてはそれぞれの王室との関係も重要な要素の一つであると考えております。今回の3か国訪問に当たり私として精一杯務めを果たすことで、こうした長い国と国との友好関係の増進に少しでもお役に立てればと思いますし、私自身、この地域の発展や日本との絆(きずな)を学ぶ良い契機になればと楽しみにしております。

 第2に、この地域の「水」をめぐる問題について、考察を深めたいと思っております。3年前のベトナム訪問の際、メコン河がこの地域をつないできた役割につきいろいろと学ぶことができました。今回訪問する3か国もそれぞれメコン河流域の国として、いわば河と共存して発展してきた国々であり、ラオスにおいては、メコン河を下りつつ、この河の果たしてきた役割、ひいては今回訪問する3か国を始めとしたメコン地域全体のつながりについて理解を深めたいと思います。

 水と災害という観点では、昨年秋に起こったタイの水害について、今年3月にマルセイユで行われた第6回世界水フォーラムの際に準備しましたビデオメッセージにおいても言及いたしました。多大な損害をもたらした水害から立ち直りつつある現在、タイ政府始め関係者から、改めて当時の様子や、その後の対策などについてもお話を伺い、世界の水災害の8割を占めるアジア地域におけるこの問題への対応の仕方などにつき考えてみたいと思います。

 第3は「人」との交流です。今回、それぞれの国で交流の最前線に立たれている方々とできる限り多くお話しし、一人一人の方が国と国との関係強化に果たしてきた役割に敬意を表するとともに、その労苦をねぎらいたいと思います。また、3か国の若い世代にとって、今回の私の訪問が日本についての関心を深める良いきっかけとなってくれればうれしく思います。

問2

 3カ国の政府からのご招待は、皇太子さまと皇太子妃雅子さまのお二人でしたが、今回は、雅子さまのご同行は見送られました。雅子さまのご病状を巡っては、4月6日に東宮大夫が記者会見で「疲れがたまり、体調が崩れやすくなっている。私的な活動から徐々に活動の範囲を広げていただきたい」という医師団の見解を発表しました。雅子さまは5月29日には、皇太子さまとご一緒に国連大学をご訪問され、国連世界食糧計画のカズン事務局長の講演を他の参加者とともに聴かれました。また今月11日にはベルギーのフィリップ皇太子同妃両殿下との午餐にも臨席されました。今回は、皇太子さまお一人での3カ国ご訪問となりますが、雅子さまのご様子と合わせて現在のご心境をお聞かせください。

ご回答

 御質問にありましたとおり、雅子は、体調に波はありますが、様々に工夫をしながら徐々に活動の範囲を広げてきております。これからも焦ることなく、体調を整えながら、可能な範囲で少しずつ活動の幅を広げていってほしいと思っております。皆様におかれましては引き続き温かく見守っていただければと思います。

 今回の3か国訪問については、移動距離、訪問期間、訪問中の諸行事などを総合的に勘案し、お医者様とも相談した結果、私一人で訪問することとなりました。今回、各国政府から御招待を頂いたことを雅子も大変有り難く思っており、お伺いできないことを、私はもとより、雅子も残念に思っております。

<在日外国報道協会質問>
問3

 タイ国や英国の王室は国内で大きな地位と役割をしめておりますが、両王室をごらんになって何か見習う点がございますか。たとえば、タイでは男性王位に決まっておりますが、英国では女王が存在しています。日本で女性天皇を認めることで現代社会をより反映することができるとお考えですか。

ご回答

 今回訪問いたしますタイ王室と我が国の皇室とは長きにわたる交流の歴史があり、両陛下も、最近では、平成18年に国王陛下御即位60周年記念式典御臨席のため御訪問になっておられるなど、何度か同国を御訪問になっておられます。また、英国についても、先月女王陛下の御即位60周年午餐会に御招待を受け、女王陛下を始めとする英国王室との絆(きずな)を深められました。今回の私のタイ訪問の際、国王王妃両陛下を始め王室の方々におもてなしいただくことを大変感謝しており、今回の訪問を機にタイ王室との関係が更に深まることとなれば幸いです。

 私は、以前から、それぞれの王室の方々がそれぞれの国の置かれている状況の中で活動されているとお話ししてきました。お尋ねの趣旨は各国の制度に関わる事柄ですので、私の立場から何か申し上げることは控えたいと思います。

(2012年6月22日 読売新聞)

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皇太子様のご出発は25日。

一臣民として、タイ、カンボジア、ラオス各国のご繁栄と、日本との永久の友好をお祈り致します。

I pray for Thailand, Cambodia, prosperity of Laos and the everlasting friendship with Japan.