
今日はポストプロダクションのもう一つの醍醐味であるサウンドミックスについて、お話しします。
映画=映像と思われがちですが、ごぞんじ映画において「音」の果たす役割は予想以上のパワーがあります。
感情移入のための音作りは、音楽に限りません。物音、せせらぎ、鳥の声、映像に見えない分、音は観客の感情に無意識に流れ込みます。
もちろん美しい映像やドラマ、役者さんの素晴しい演技も映画の魅力ですが、劇場に足を踏み入れたとたん、日々の現実を忘れてしまうほどに意識を包み込む「音」は、それこそ劇場で映画を観る醍醐味だと思うのです。
カナダでは、撮影時に撮られた音を参考に、撮影時に録音された音の何十倍もの種類の音を録り直します。私もチーフ助監として参加した映画『KAMATAKI-窯焚-』でも、現場で撮られた音を参考にし、ほとんどの環境音、動作音を録り直しました。例えば山で水を汲むシーン。水の音一つでも、川底を流れる水の音、表面を流れる水、岩肌を流れる水の音、遠くで聞こえる瀧の音、などが用意され、まるで本当に山の真ん中にいる様な臨場感あふれるサウンドに生まれ変わりました。
『アンを探して』でも、サウンドコンセプターのルイさん(Louis Dupire)に未完成版DVDをみてもらい、それを参考にフォーリーのAlexis Farandアレクシさんさんが様々な環境音、動作音を集めてくれました。(ちなみにフォーリーを担当したアレクシスさんは、ルイさんの親戚で、お嫁さんが日本人だとか!嬉しそうに話してくれました。)

その後、集めた音材料のもと、音で映画に生命を吹きこむ、サウンドミックスの始まりです。写真は、夜中迄、私と二人、一週間スタジオにこもりきりだったミックス担当のDaniel A. Vermette(ダニエルさん)の背中。手前にあるのは私のダメだしノート(苦笑。深夜に及ぶ作業の連続のせいか、疲れた〜が口癖なダニエルさんだったけど(苦笑、それもそのはず、映画は5.1ドルビーサラウンドですから、場面によって音の聞こえる方向なども違ってきます。集めた音も膨大ですが、それらの音の聞こえる方向、広がりを一つ一つ設定していく作業は、かなりの集中力が必要。ちなみにセリフ、音、音楽を含めた全体のトラック数は125トラック。そんなハードな作業の中、ダニエルさん、ルイさんには、厳しいスケジュールと信じられないぐらいの低予算で、すばらしい仕事をこなして頂きました。また、今回ダイアログの調整も含め、全部一人で行なったダニエルさん。現場のサウンドマンの音撮りが良かったから助かった!と話してました。
写真では音が表現出来ないのは残念。

ハードな日程をこなしてくれたダニエルさん(左)と、サウンドコンセプトを指揮したルイさん(右)。
ゆりPサムP、バイジャさん、クロードEPに観てもらう日。
創り上げた音に満足してもらえるか?ドキドキの瞬間...。
そうそう、ルイさんもダニエルさんも、長編映画のサウンドの(現場も含めて)キャリアをスタートさせたのは、クロード監督の映画だったそう。

全リールをチェックした後、皆で記念撮影。この笑顔が皆の満足度を語っています。
後は音と映像が一緒になったプリントを待つだけです。
そう、私の「映画監督」として指揮するお仕事はこの日で、おわり。
長い様で、短かった2年間。なんだかまだ、信じられない気分です。
これからはまた公開までのハードなお仕事が待ってますが、今、10年前にゆりさんの頭の中で閃いたアイデア『アンを探して』が、監督の私を始め、長い年月と沢山の人の力とともに、大事に守られ、育てられ生まれようとしています。
もちろん、私達のようなインディペンデント系の映画にとって、公開までの道のりはさらに長く、険しいものとなるでしょう。でも、一人でも多くの人が感動し優しい気持ちで劇場を後にする日々を夢見て、広報活動も、頑張りま〜す。
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映画=映像と思われがちですが、ごぞんじ映画において「音」の果たす役割は予想以上のパワーがあります。
感情移入のための音作りは、音楽に限りません。物音、せせらぎ、鳥の声、映像に見えない分、音は観客の感情に無意識に流れ込みます。
もちろん美しい映像やドラマ、役者さんの素晴しい演技も映画の魅力ですが、劇場に足を踏み入れたとたん、日々の現実を忘れてしまうほどに意識を包み込む「音」は、それこそ劇場で映画を観る醍醐味だと思うのです。
カナダでは、撮影時に撮られた音を参考に、撮影時に録音された音の何十倍もの種類の音を録り直します。私もチーフ助監として参加した映画『KAMATAKI-窯焚-』でも、現場で撮られた音を参考にし、ほとんどの環境音、動作音を録り直しました。例えば山で水を汲むシーン。水の音一つでも、川底を流れる水の音、表面を流れる水、岩肌を流れる水の音、遠くで聞こえる瀧の音、などが用意され、まるで本当に山の真ん中にいる様な臨場感あふれるサウンドに生まれ変わりました。
『アンを探して』でも、サウンドコンセプターのルイさん(Louis Dupire)に未完成版DVDをみてもらい、それを参考にフォーリーのAlexis Farandアレクシさんさんが様々な環境音、動作音を集めてくれました。(ちなみにフォーリーを担当したアレクシスさんは、ルイさんの親戚で、お嫁さんが日本人だとか!嬉しそうに話してくれました。)

その後、集めた音材料のもと、音で映画に生命を吹きこむ、サウンドミックスの始まりです。写真は、夜中迄、私と二人、一週間スタジオにこもりきりだったミックス担当のDaniel A. Vermette(ダニエルさん)の背中。手前にあるのは私のダメだしノート(苦笑。深夜に及ぶ作業の連続のせいか、疲れた〜が口癖なダニエルさんだったけど(苦笑、それもそのはず、映画は5.1ドルビーサラウンドですから、場面によって音の聞こえる方向なども違ってきます。集めた音も膨大ですが、それらの音の聞こえる方向、広がりを一つ一つ設定していく作業は、かなりの集中力が必要。ちなみにセリフ、音、音楽を含めた全体のトラック数は125トラック。そんなハードな作業の中、ダニエルさん、ルイさんには、厳しいスケジュールと信じられないぐらいの低予算で、すばらしい仕事をこなして頂きました。また、今回ダイアログの調整も含め、全部一人で行なったダニエルさん。現場のサウンドマンの音撮りが良かったから助かった!と話してました。
写真では音が表現出来ないのは残念。

ハードな日程をこなしてくれたダニエルさん(左)と、サウンドコンセプトを指揮したルイさん(右)。
ゆりPサムP、バイジャさん、クロードEPに観てもらう日。
創り上げた音に満足してもらえるか?ドキドキの瞬間...。
そうそう、ルイさんもダニエルさんも、長編映画のサウンドの(現場も含めて)キャリアをスタートさせたのは、クロード監督の映画だったそう。

全リールをチェックした後、皆で記念撮影。この笑顔が皆の満足度を語っています。
後は音と映像が一緒になったプリントを待つだけです。
そう、私の「映画監督」として指揮するお仕事はこの日で、おわり。
長い様で、短かった2年間。なんだかまだ、信じられない気分です。
これからはまた公開までのハードなお仕事が待ってますが、今、10年前にゆりさんの頭の中で閃いたアイデア『アンを探して』が、監督の私を始め、長い年月と沢山の人の力とともに、大事に守られ、育てられ生まれようとしています。
もちろん、私達のようなインディペンデント系の映画にとって、公開までの道のりはさらに長く、険しいものとなるでしょう。でも、一人でも多くの人が感動し優しい気持ちで劇場を後にする日々を夢見て、広報活動も、頑張りま〜す。
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