★サヨウナラ!今日のボク★

シネマ&エッセイ。テーマは『人間♪』喜怒哀楽ありき。でもそれはもう今日の出来事、思ったこと。サヨウナラ!今日のボク★

『そら’シネマ 66 』(TAKESHIS')

2005年11月19日 00時30分37秒 |  『 シネマ 』
こんばんは☆今日も一日が終わろうとしています(^^/


です。



『Sekino☆そら’シネマ【A~Z】』に、「TAKESHIS'(2005/107min/ドラマ)」を追加しました。 


以下、ネタばれ注意報です。


●なんだか恒例のようになりますが、最初に申し上げておく事は、ボクはビートたけし&北野武さんが好きだということ★どこが好きか?それはシャイで恥かしがり屋なところ。またそんなデリケートな自分を敢えて隅に追いやるようにしたお笑いと暴れっぷり。そんな時代から、「その男凶暴につき」で描いたような自身に脈々と流れているようなブルーな世界を持っているから

最近はもう世界の”KITANO”だから、より一層照れくささに磨き?がかかっているようでさらにその反動(ギャップ)に魅せられます。ボクはやっぱりあのバイク事故(本人もそういっていますが)から一気に変わった、いや、もともとあったブルーな世界がついに幕を開けたんじゃないかって思いました


●この間みたインタビューで「生」と「死」を振り子に例えて、「死」っていうのは「生」と対極にあるから、暴力っていう「死」に直結するような手法は、「生」の裏返し、みたいなことを仰っていた。それは「死」っていうものを本人が痛切に感じた経験から、「生」っていうものが同じくらいに強いものと感じたからでしょうか。本作もでもやたら銃を乱射します

「生」と「死」っていう振り子が左右にびゅんびゅん振れていく度に、「TAKESHI’S」はよりビートたけしと北野武という人物像に肉迫していきます。自己破壊的、ニヒリズム的な要素が強く描き出されることで、ボクは次第に引き込まれていきました


●各シーンは、自身が夢の中で起こった現象をパズルのようにはめ込んでいきます。ひとつひとつの場面は心理学でいったら、きっとこれはこんな心理的状況だからこういう適切な言葉がありますってフロイト様が解答してくれそうなくらい

いつも邪魔する女は理性を象徴していたり、自宅前で毎日待っている女は安息・安定を意味していたり、海辺で佇むシーンは自由・解放を意味していたり。でもそんな言葉を貰ったところで本人は納得しない。「落ち着かない、しつこい、うっとうしい、まとわりつく」常にそんな感覚が感じられました。

特に、銀行強盗をしてタクシーで逃げようとしたら女が札束よこせってせがむから、くれてやったら、わけのわからない計算をさせられて、「お金なんていらないんだよ、もうどうでもいいやい!!」ってその場で現金を投げ捨てちゃう所なんかは、誰にでもある投げやりな態度に見えてつい引き込まれます。そして、たまに落ち着けって自身をなだめすかしても、「ほら、綺麗なものにはやっぱり棘がある」ってまた例の毛虫が這って出てくる

暗闇の野原での銃撃戦なんかは、最後にはみんな星になって夜空に輝く星座になったりする。「いったい何なんだよ!!」って全てが絵空事のように思えて、ふと気づいたら落ち着き払って俯瞰で観てしまっている自分がいたり


●研ぎ澄まされたように内観しつくされた素材が幾つも飛び出てくることに正直驚いてしまうのですが、これだけ自我の追求を試みたにも関わらず、なぜか不快な気分を与えないのは、まさに笑いの効用(ビートたけし)があることで解消させられるのでしょうか。虚像(イメージ)に騙されていることがこんなにも救われるとは思いませんでした

かつて、世界の巨匠たちもそうであったように、「TAKESHIS'」もまた自伝的な作品としてひとつの領域を魅せてくれたような気がしました。現在、メディア等々で語るものを拝見すると、どうも本音と建前が交錯しているように思えてなりません。敢えて下司の勘ぐりをしてみますと、本人は、おそらく相当恥ずかしい(自分の内面世界だから)と思いながらも、それ以上の絶対的な自信を持っているように感じました

それは先に言った「より一層照れくささに磨きがかかった。」というところの、つまり達観した自身を認めるほどの受け皿がまだ日本映画にはないんじゃないかって。映画は所詮娯楽で文化的な価値までまだ至らない。興行的にムリだって言い張るのは正装した自分で、拳銃をぶっ放している自分はあくまで「なんでこれがコケちゃうのよ!」ってどっかで嘆いているのかもしれません



う~ん、ここまで言っちゃうと、たけし軍団には入った方が早いんじゃないのって聞こえてきそうなので、失礼いたします。。













それでは、













★サヨウナラ!今日のボク★












Sekino☆そら                 


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3 コメント

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ちょっとしたお知らせです★ (はいからズ)
2005-11-20 18:09:17
Sekino☆そらさんへ

こんばんは。

『TAKESHI'S』友達も何人か観にいったようで「この映画は感性で見た方がいいぜぇ」とか言われました・・(^^○)頭のいいたけし-ギャグ言っているたけし、ケガのせいかもしれないけれど案外真面目な顔でボケていたり。。どれが本当のたけしなのかなぁなんて私が勝手に思う時もあるのですが!『TKESHI'S』ちょっと気になっています!!!



short-girlsに新作映像(『99』)のせました!是非遊びにきてください!!アドバイス等下さいよろしくお願いしまぁす(^^)
はいからズさんへ (Sekino☆そら)
2005-11-22 22:53:59
こんばんは★新作完成おめでとうございます。近いうちにそちらのサイトにコメントさせてください。



「TAKESHI'S」は、カッコイイ言い方をすれば感性で見るものかもしれません。でも、「どれが本当のたけしなのかわからない」っていう見方は、結講当たっているような気もします。



他人が思う自分、気づかされる自分、そして自分が思っている自分がいるように。

「TAKESHI'S」はとても勉強になるシネマでしたよ。
お久しぶりです。 (髭ダルマLOVE)
2007-05-28 02:48:14
そらさんのたけし好きがびしばし伝わってくる記事でした。この作品って色々な捉え方があると思うんです。だから、自分とは全く異なる感じ方をされていると、とても興味深いです。

TBさせていただきますね!
それではっ。

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