きいろをめでる

黄瀬、静雄、正臣の黄色い子達を愛でる同人二次創作短編小説中心。本館はAmebaです。

good night,my kid(臨正)

2011-07-28 23:04:40 | 小説―デュラララ
「ん…」

ふ、と目が醒める。
肌に当たる布の感覚は服ではなく、心地よい白い綿だった。ああ裸のままだっけ、とぼんやりとした頭で思い出してみる。
つ、と鼻をつく匂いが、昨晩の行為の激しさを物語っていた。

その精液の匂いに、頭にかかっていた霞を取り払われ、ふと手元を見てみると―――
「…え?」

艶のある漆黒の髪。
それは紛れもない人間の頭部であり、昨晩互いを求め合った臨也であった。

「……!!!!????」

胸に抱く形となってしまっている臨也の頭を、つい恥ずかしさからぞんざいに扱いそうになったが、離そうにも自分の片腕が臨也のための腕枕になってしまっており、どうにもできなかった。

(ぐっすり寝てる…)
正臣が少し動いても臨也は起きない。いつも以上に眠りが深いようだが、胸部に押し付けられた鼻から漏れる微かな寝息が、どうにもくすぐったかった。

「……臨也さん」
ぺち、と頬に触れる。
それでも起きない臨也に、添えた手の力を込めて、端正な顔を覗きこんだ。
外に出ないから肌は白くて綺麗だし、なかなか凝視はできない睫毛は無駄に長い。
…なんか、むかつく。
なんとなく頬をつまんでみた。歪みのない表情が、無理矢理崩された。
あぁ、なんか肌柔らかい。余計むかつく…

寝てるのをいいことにぐいぐいと好き勝手に弄っていると、
「…人の顔で何してるの、正臣くん…せっかく気持ちよく寝てたのに」
不機嫌そうな紅い瞳がこちらを射抜く。

「あっつまんない」
「つまんないってなんだつまんないって。ここで寝るの、落ち着くのに…」
そう言って、むぎゅ、と正臣を抱き寄せ、心音を聞く。

その様子を見て、くす、と笑う。
「臨也さんって…」
「なぁに」
「赤ちゃんみたい」
「…は?」

物凄い不服な表情を浮かべ、不機嫌な声を上げる。

「だって心音で落ち着いて寝ちゃうし、肌綺麗だしふにふにだし、甘えん坊だし」
「……じゃあ、正臣くんはお母さん?」
そう言って正臣の乳首に吸い付くと、意地悪げな笑みを浮かべる。
「…っあ」
「ミルクは下から出るけどね?」
「…変態」

もう腰動かねーっすよ、なんて言いながら頬をむにっと弄る。


「ん…もう少し寝ますか?」
「……そうだね、まだこーしてたい」
腰を引き寄せて、また胸に顔をうずめる。


おやすみなさい……




○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●


gdgdすみませんでした

まだまだ終わらない君への(臨正)

2011-06-16 19:44:11 | 小説―デュラララ
「あー暑いーなんか飲み物~」
部屋に入るなり、ゴソゴソと冷蔵庫を漁る正臣君。
いや、それ俺のレモンティー…

「あのさあ…人ん家来て第一声、それ?」
「あ、そこの袋、さっきお菓子とかアイスとかあるんで食べて下さい。さっき買ってきたんで。差し入れっす」
「あー、うん…」

今晩仕事のときに飲もうと思って取っておいたレモンティーが空になるのを横目に、話の袋を覗き込んだ。
そこで一つに目が留まる。

「何これ、懐かしい」
それをつまみ上げ、正臣君にも見せるようにした。
「それっすか?ああ、俺も懐かしいなーって思って。子供の頃CMとかたくさんやって有名だったし」
「学生のとき食べたなぁ」

それは所謂、掻き混ぜて練ってから食べる菓子。かつての小中学生には遠足等で必ずと言っていい位持ってきている奴がいるほどの人気だった。
柔らかい不思議な感覚を、他の菓子には感じ得なかったのだろう。

レモンティーに未練を持ちつつ(食べ物の恨みは何とかと言うけど、流石自分も人間だ)、袋を破いて中身を取出し、ぐりぐりと練っていく。

出来上がったそれを口に含むと、何とも言えぬ懐かしさ。
あぁそうこんな感じだ、と少しずつへずっていると、正臣君がアイスを冷凍庫に入れ始めた。
一体型のものなので、冷凍庫は冷蔵庫の下にある。
しゃがんで下を向いている正臣君を見遣って---ふと。

「正臣君、うなじ蚊に刺されてる」
「えっ、まじすか?」
「うん、薬塗ってあげようか」
「お願いします…」

近づいていくと、正臣君は自分で後ろの髪をわけた。現れる白いうなじが眩しい。


正臣君は下を向いていた。
だから、俺がちょっと笑ったことなんて、気付いてないんだろう。


俺は手に持った容器を静かに傾けた。

「…えっ?」

「ちょっと、動かないで」
「いやあの臨也さん?これ何すか…?」

正臣君が"患部"に手を伸ばそうとするから、その手を掴んで封じる。
そして、うなじに思いっ切り吸い付いた。

「ひ、あっ…!?」

予想だにしていなかった俺の行動に正臣君は思わず体をよじらせる。
お構い無しに、たっぷりの唾液で濡らしては吸い、そこを赤く染めた。

「ん、ぅ」

可愛い声で啼くんだから。
ついでに唇を移動させて首筋も啄み、四つの赤い花を散らした。

「ちょっと、なに、垂らしたんですかっ」
赤面しながらも、かつ涙目ながらも怪訝そうな顔でこちらを睨む。
「蚊なんて嘘、ですよね?」
「んー、正臣君可愛いのに俺の恨み買うから仕方ないね」
「は…?噛み合ってないっす」
「あぁ、垂らしたのこれこれ」
「なっ…」

持ち上げて見せたのはさっきのお菓子の容器。
ちょっと垂らしただけだから、まだ結構残っている。
「気に入った、でしょ?正臣君も」
「どこが…んなわけ」
「嘘はよくないなぁ」
「ッ!?」

後ろから覆い被さって正臣君のモノに手を伸ばす。
ふに、と柔らかく触れると存在を緩く主張し始めていた。

「ちょ、やめ…」
そんな生易しい抵抗なんて唇で事足りた。




「さて……次はどこに垂らそうか?」



(実はめちゃくちゃ楽しみにしてたんだよ、好きなメーカーの新発売レモンティー)










☆★☆★☆★☆★☆★☆★


ほんとやまなしおちなしいみなしェ…
お粗末様ですorz
ちさとちゃん、フリリクくれたのにgdgdでごめんね><

お菓子はねるね●ねるねです。
地味に食べ物…いや飲み物に執着してる臨也さんでした。

(…すみません実は氷月、ねるねるさん食べたことないですボソッ)

sleeping baby Ⅰ(ジュダアリ)

2011-05-30 19:30:16 | others
夕刻を過ぎ、幾許か暗くなった街。
その街沿いの一軒に、暗い中でもきらきらと僅かな光を跳ね返す蜂蜜色が揺れた。

「疲れた……」

アリババは部屋に入るなりそう呟き、寝支度もせずにパタリ、とベッドに倒れ込んだ。
もそ、と体勢を変えて掛け布団の下に潜り込む。

今日はいろんなことがありすぎて疲れた。なんだかんだで運動もすれば頭も使ったし、気も遣った。

こんな日はさっさと寝て疲れをとり、明日に備えるのが一番だと、きちんと布団の中央で体を伸ばして寝ようとした。


つもりだった。

「…ん?あれ?」

ベッドの中央に行きたいのに、何故か進めない。
何かが、ある。

「……何?」
さすがに眠気が引き、布団の上から恐る恐る触ってみた。しかし何かはわからない。

(鍵はかけたはず。誰も入れないのに、なんで)
緊張でバクバクと心臓が高鳴る。

不安は募っていくばかり。

(でもこれを解明しないことには、俺は安心して眠れない!)

意を決して、布団をめくった。


バサッ


「……は?」


そこには、胎児のように丸まって眠る―――ジュダルが、いた。





続きます。

sweet*black(帝正)

2011-04-23 21:47:50 | 小説―デュラララ
※ちょっとだけえろ注意





1日のすべての授業が終わり、そのまま放課となった来良学園の一室。
窓の外から部活動の喧騒が聞こえるが、教室はいたって静かであった。
そこに在る一人の影-紀田正臣は、最終時限の終盤から今までずっと、眠りこけている。
彼はかなりの熟睡っぷりで、授業が終わってクラスメイトが帰路に部活にとざわめきだしても、なかなか起きない彼を面白がって、無防備な白い頬をつついても全く微動だにしなかった。


「正臣、もう帰っちゃったかな……」
委員会終わりの帝人はとぼとぼとホームルームのほうへ歩いていた。今日は杏里は休みで、1人でのクラス委員の仕事は予想以上に時間がかかってしまったために、正臣がもう帰宅してしまってもおかしくはなかった。

そこに、ホームルームの方向から、喋りながら歩いてくる2人組の女子生徒が現れた。
帝人にとってはなんでもなく、気にする対象ではなかったが--話の内容に、一瞬で神経が尖った。

「紀田ってチャラいけどさー、黙ってるとかわいいんだね」
「そーそー。寝顔とか初めて見たけど、顔の造形とか派だろか私よりキレーでさ、まじうらやましいんだけど」
「先生にも気付かれなかったからずっと寝てたよね、ある意味すげー度胸」
「私には無理だわー」


「……え?」



☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆



「ん……みか、ど………」
他に誰もいなくなった教室で、寝言が響く。

「どうしたの、正臣」
帝人と正臣以外には、誰もいなくなった教室に。

「ん……ん?」
返ってくるはずのない返事に、眠っていた正臣は目を覚ました。


「あれ、みかど……終わったのか?」
「うん……」
「あーっ、俺いつから寝てたんだっけ…ってかもうこんな時間かよ!?」
「…うん……」
「帝人?」

伸びをしながら寝ぼけた声を出していた正臣だが、帝人の怪訝そうな表情を見て、少し不安になる。

「どうしたんだよ」
「正臣……授業中からずっと寝てたんでしょ」
「……なんでそれを」
「クラスメイトの子が話してたよ……」

少しばかりの怒気のようなものを含んで会話する帝人に、正臣は僅かな不安を覚える。
「あの…さ、えっと……怒ってる?」
「……うん」
「そりゃお前にとっちゃ授業中寝るとかありえねえだろうけどさ……」
「……」

かなり不機嫌そうに黙る帝人に、正臣の不安はさらに大きくなる。
嫌われた、なんてことはないよな……

「いや、お前にとっちゃすげえ大問題かもしんねえけど、その…」
「違うよ正臣」

ぴしゃりと言い放たれ、正臣は困惑する。
「え……じゃあ」
「正臣はさ…自覚が足りないんだよ」
「は、何の」

ちょっとだけ間をおいて、帝人は静かに答える。


「正臣はかわいいんだよ」



「……は?」
「だから、正臣はかわいいんだよ…!それなのにさ、寝顔…をさ……僕以外の人に見せちゃうとか、何なの……」
「……ぷっ、あはは!なんだそんなことかよ!」
「ちょっ、笑わないでよ!僕には大事なことなんだよ!!」
「あーはいはい、あっはははは!」
「もう……!!」

ムッとした表情をした帝人は、ぐっと引き寄せて、笑う正臣にくちづけた。

「っん…」

突然のことに一瞬驚いたようだったが、すぐに目を閉じキスに応える。

溺れるように、お互いの唇を貪っていると、正臣の欲望は、弱い力を込めた指でズボンの上からなぞられた。
逃れようとしても、空いた帝人のもう片方の手に後頭部を抑えられ、否応無しに反応させられる。

「ちょっ…みか、あっ、やめ」
「黙って」

ストップをかけるも帝人の手と舌は止まらない。
むしろ激しくなる一方で、だんだん正臣には限界が近づいていた。
込められる力は強くなり、むしろ揉みしだかれるようになって、欲望は完全に反応しきってしまう。

「気持ちいい?正臣」
「あっ、んあ、みかど……も、おれ、でるっ」
「そう、なら」

涙目で懇願する正臣を見やって、帝人はふと手を止め、正臣から離れる。

「みかど…?」
「おしまい」
「えっ、ちょっ」

帝人が黒い笑顔を浮かべる。

「お仕置き」

にっこり、って音が聞こえたような気がした。

「生殺し、かよ……つか、寧ろツライんだけど……」
もう少しでイけたのに、と正臣は口を尖らせる。

「他のみんなに可愛い寝顔を簡単に見せちゃう正臣が悪いんだよ、分かってる?」
「はいはい」

それじゃ、と帝人は立ち上がる。
そして、ちゅ、ともう一度正臣に口付けた。

「帰ろっか」
「……おう」
「正臣は、僕にだけ可愛い顔見せてればいいんだからね?」
「………わーったって」
「本当?」
「おう」




「帰ったら、いっぱい可愛い顔見せてもらうからね?」
「……お前それどういう」
「それまで、ツライの我慢するのがお仕置きだから、頑張って歩いて」

「……期待していいのか?」
「ちょっと痛くしちゃうかも」





「…鬼畜」

そう呟いた正臣の口角は、

「正臣、にやけてる」

素直だった---





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うーちゃんへ!
gdgdでごめん…帝正とかまだ二回目だから許してね><
お粗末様でした。

April.1.2011(15禁/臨正/モブ正・強姦表現有)

2011-04-01 10:27:27 | 小説―デュラララ
15禁です。ぬるい性描写あるので注意
※モブ正・強姦表現有





「んっ…ふ、はぁ」
臨也に組み敷かれた状態で、正臣はただ喘いでいた。
自らの中には、臨也の欲望が埋まり、黒髪を揺らすその男は、正臣の体を揺すぶっていた。

「正臣くん……俺のこと、好き?」
唐突に聞いてきたこの男を、潤んだ瞳でキッと睨み付けてやる。
「きらい、です、よっ、ん」
「おや」

どうして、と最中に聞いてくるから、鬱陶しく感じながらも事実をきちんと告げてやった。
「朝か、ら、盛って、…はぁ、っいやがる人間のこと、無理やり抱くようなやつ、きらいで、す」
「そうかい」

はは、と笑って抽挿が激しくなり、伴ってぐちゅぐちゅと音が大きくなる。
嫌いと言っておきながら快感に身を委ね、この男を離せないでいる自分のことにもつくづく呆れ、多少の自己嫌悪も感じてしまっていた。
二つの嫌悪感に苛まれながら、その間に快感を拾い、正臣は達する寸前だった。

「だい、きらい、だ…!」
「そう、なら」


突然、臨也の動きが止まる。
イく寸前だった正臣は、固く瞑っていた目を開けた。


「出て行って」


恐ろしいくらい冷酷な声が聞こえた。

目線の先にあるのは―――冷たく鋭く光る、緋色の瞳だった。
負の感情のみをたたえた緋は、まるで宝石のようで、美しいとさえ思うほどだった。
しかし、そんな生易しいものでは、無い。

「ねえ、嫌いなんでしょ、俺のこと。さっさと出て行ってくれる?嫌い嫌い言ってるやつのことなんか、抱きたくも顔を合わせたくも無い」
「待って、臨也さ、え、そんな」
「本気でいってるんだ。さっさと、俺の前から消えて」


ドクン
冗談の沙汰ではないような表情。声。視線。
そのすべてが臨也の本当の怒りを表しているように見えた。


「ごめんなさ、いざ、やさ、ごめ」
「出てって」

言い終る前に遮られ、服を投げつけられた。一緒にしてあった携帯も飛んで額にぶつかり、ぽとりとベッドの横に落ちる。

携帯と額のぶつかる音にも見向きをしない。
何を言っても、臨也はもう応えなかった。仕方なしに、投げられた自分の服を着る。


着終えたところで、再び臨也に近づこうとしたが、それに気付いた臨也はすかさず正臣の体を拘束し、動けないようにしたのち、玄関の外へ放り出した。

「ッ痛……」
「もう、二度と戻ってこないで」


バタン、とドアが閉まり、続いて鍵の掛かる音がした。


本当に、追い出された。



**************************************



部屋を出る直前に見た時計は10時を過ぎていただろうか。
確実に通勤時間をはずした新宿の街には、人通りはさほどではなく、オフィスの中にすでに入っているようだ。

財布も、携帯も、何も無い。
あるのは身一つだけだが、その体も、池袋まで歩いて帰るようなコトができる状態ではなかった。

中途半端に弄られた体が、下腹部を中心に疼く。
吐き出されなかった熱はぐるりと体内を渦巻くように、足から、腰から、頭から、正臣のすべてから力をそぎ落としていった。

足が震えて立っているのがやっとで、だんだんそれもままならず、人通りの少ない道の建物と建物の間に体を滑り込ませ、へたり込んだ。


最初に組み敷かれる前に、後から効いてくるような媚薬でも飲まされたらしく、少し休めばどうにかなるだろうと思っていた体はどんどん重くなっていく。
それに比例するように、少しずつ、少しずつ、正臣の欲望は張り詰め限界を訴えていた。

(どうしよう、一回抜けば、多少は楽かな)

さすがにここで抜くのはまずい。あたりを見渡して公衆トイレの場所を思い出し、最短で行ける道を考え、刺激をできるだけ与えないよう歩き出した。
衣擦れでさえも、刺激になって、快感を拾う。
正直疲れるし歩きづらいしで、相当に辛かった。



少し進み、風景も変化を生んできたころ。最短ルートを行き、かなり人気のない通りを歩いていたときだった。
相変わらず気だるい体を引きずっていると、誰かに腕を引かれ、路地裏に連れ込まれた。

「わっ、ちょっ…誰だよ、あ、ああ、んああああああっ」

急な刺激に布地は正臣の欲望を掠め、あっさりと絶頂へ促した。
その衝撃でひざから力が抜け、そのまま何者かに引っ張られ、行き止まりの壁のある路地裏へと引き込まれた。
見上げて目に入ったのは―――下卑た笑いを浮かべる、知らない男たちだった


「おいおい、今イかなかったか?」
「そうだな…なんか盛られてんのか」
「俺たちがヤる前からかよ!!!そりゃ手間が省けるねぇ!」

ぶひゃひゃ、と笑う顔が汚らしい。
しかし正臣に、抵抗できるような力は残っていなかった。

「お前ら…誰だ……」
搾り出した声は掠れており、自分でも驚く。
ぼんやりとした頭だった。しかしそれでも自らの中で鳴り響く警鐘は止まず、ここから逃げることで脳が圧倒的に支配されていた。
しかし、足腰の立たない正臣にとってあったのは、逃げられない という残酷な現実のみ。


「随分綺麗な顔してんじゃないの…しかも超淫乱と見た。だって俺ら触る前からビンビンだぜ?歩いててイく、って何よ」
「こりゃ上玉だな」
「ヤっちまおうぜ」
「や、めろ!」
「無駄な抵抗ですー」

わずかな力を振り絞っても、強靭な男たちに退けられる。
服は、剥ぎ取られていった。


待ってくれ
怖い
俺に何をするつもりだ
怖い
助けてくれ
怖い
臨也さん
助けて
臨也さん助けて、臨也さん、臨也さん!


無意識に助けを求める、しかし声は上がらない。
無意識に助けを求める、その相手は、自分を追い出した人。
無意識に助けを求める、それは、叶わぬ願い。

自ら拒絶した人。
助けを求めたって、何も起こりはしない。
自分の本心であるあの人への愛をどんなに叫んだって、助けは来ない。
嫌いなんて嘘をついたことを懺悔したって、助けは来ない。


絶望のなかで、正臣は意識を手放していった。



**************************************



次に目を醒ましたときに目に入ったものは、さらさらと揺れる黒髪だった。
下半身の感覚が遠いが、肩を抱く温かなやわらかさを感じた。

「ん……」

目をしっかり開け、意識を覚醒させると、二つの異なった生臭い匂いが鼻についた。
ひとつは、もう固まりかけた精液の匂い。
もうひとつは―――尋常じゃない血の匂い。

その強烈な匂いに身を微かに捩ると、肩を抱く黒が動いた。

「…正臣君、気がついた?」
「……いざ、や、さん………」
「大丈夫、もう大丈夫だから」

そう言ってぎゅっと抱きしめると、正臣の唇に優しくキスを落とす。

「正臣君、無事で良かった…」
「あの、いざや、さん」
「俺は…俺は嘘を吐いたってのに、君がまさか本当に出てくなんて、やりすぎたかな、って…中途半端にだったし、薬も盛ってたから、動けないだろうから玄関前にいるだろうと思ってたのに、いないんだもん……」
「………」
「ごめん、本当にごめん。俺のせいで正臣君をこんな目に遭わせてしまって、本当にごめん」

さっきよりも抱く腕に力を入れ、本心からの謝罪をするという珍しい臨也の姿。
正臣は弱弱しく腕を持ち上げて、柔らかな黒髪に手を差し込んだ。

「いい、んですよ、もともとは、おれが、うそついたんだ、から」
「…そう?…嫌いじゃ、ない?俺のこと好き?」
「………はい…だから、また、ふたりで、すごしましょう」
「……うん」

お互いに微笑み合う。


「君を探して飛び出してきたらここにいるの見つけたんだ…気付いたときにはナイフ出して、こいつらを切りつけてた」
臨也がちらと視線を飛ばした先には、正臣を襲った男たちが血を流しぐったりしていた。
「……え」
「大丈夫、死んでないから。それに波江さんに連絡したから、後片付けのプロと、迎えの車がもう来るはずだ。今回のことは裏で手を回したから警察にはいってない」
若干犯罪交じりな内容のことを聞きながら、それでもすべてが済むこと、そして臨也とまた一緒にいられることに、正臣はひたすら安堵していた。



臨也がそっと、正臣を抱き上げる。
迎えが来たらしい。


「さ、帰ろうか。まずは、正臣君を綺麗にしてあげなくちゃ」
「はい……」

よし、と臨也が笑い、正臣もそれにつられてふと笑った。




「ねえ」
「はい?」
「エイプリルフールについた嘘は、現実では成就しない、って言い伝え知ってる?」
「いえ……それが、どうかしたんですか?」
「ん、俺たちだったらね、俺は二度と出て行けなんて君に言わないし、君は俺を嫌うことなんて未来永劫無い、ってこと」
「……もともと…」
「え?」

「もともと、俺が臨也さんを嫌うわけ、無いっすよ」










**************************************


なんかgdgdになったすみませ…!!
結局なにが書きたいかって主題はどうせ臨正バカップルってことなんです
ごめんなさいごめんなさい
文章構成力が…欲しいなぁ…!!!
3時間程度しかかけてないモンなんで勘弁してください。

四月馬鹿です、お粗末様でした。

嫉妬と嫉妬(静正)

2010-11-29 17:16:23 | 小説―デュラララ
「静雄さんて、今金髪の外国人で綺麗な女の人と仕事してるんすよね?」

横にくっついてテレビを見ていた正臣が、話し掛けた。

「ん?あぁ、あいつのことか・・・」
静雄には綺麗かどうかはわからなかったが、他の特徴から新しい仕事仲間--ヴァローナのことだと理解する。

「トムさんと3人でな。何考えてんだかわかんねぇけどよ」

軽い説明を添えると、正臣が呟いた。

「ふーん・・・・・・羨ましいなー・・・」

初めこそは気にもかけなかったが、後々考える。


・・・羨ましい?

その言葉にふと反応した。

散々「静雄さんだけです」とか言ってたが・・・所詮は女たらしの軟派少年という性質は直っていないのか。
女と仕事が羨ましいなんて。


「静雄さん?」

そこまで考えるとさすがにいらついてきて、正臣の横から立ち上がった。

「煙草買いに行ってくる」

幾分冷えた声で、言い放った。






午前2時。

さすがに正臣も帰るか寝るかしたろうと思い、自宅の扉に向かった。
思えば、かれこれ7時間程夜の街をさまよい、殴り、殴り、蹴り殴り。

「あー・・・いってぇ・・・・・・」

集中していなかったというのと、不意打ちを喰らったことで、普段よりも痛手を負ってしまった。
そういや、今日は弾も飛んでたような・・・


がちゃり。

「静雄さん・・・!!」
ドアを開けた途端、目の前で小さな黄色が揺れた。

「き、紀田・・・・・・!?」
呆然と立ち尽くす静雄のもとに、正臣が駆け寄る。

「どこほっつき歩いてたんすか!もうオレ心配で心配で・・・静雄さん、怒ってたから、どっかに行っちゃう、んじゃない、か、と思っ・・・」
話しているうちに嗚咽が混じり、最終的に泣き出してしまった。

「・・・そりゃ手前が、羨ましいとか言うから・・・・・・」
恋人が、他の奴に対して好意を持って、その人物と一緒に仕事しているのが羨ましいなんて言われたら、大抵の人間はキレるだろう。

そう思っていた。

思っていたのだが。


「なんでですか!静雄さんと仕事ができるの羨ましいって思っただけなんですよ!?やきもちやいちゃ駄目ですか!!??」

ぎゃあぎゃあ叫び倒す正臣の言葉に唖然とした。


は・・・?
どういうことだ、これは---


「え、・・・え?そっち?」
「そっち、ってまさか静雄さん・・・逆だと思ったんですか?綺麗なお姉さんと仕事できるの羨ましいって言ってると思ったんですか・・・?」

「・・・・・・」

無言で気まずそうに頷くと、泣くのを止めた正臣が、一瞬ぽかんとした表情になってから、少し笑って話しだした。

「え・・・つまりは、静雄さんも、妬いてくれた、ってことですか・・・?」

それを聞いて静雄の顔が赤くなる。

「ばっ・・・んなんじゃねぇよ!」
「えーだって顔赤いですよ?妬いてたんでしょ?」
「うっせぇ」
「いたっ」
照れ隠し、いや仕返しといわんばかりに額を小突かれた。

正臣にいつもの笑顔が戻る。



玄関からリビングのソファへ移動してから、正臣が救急箱を持って来ながら言った。


「ま、静雄さんのかわいい一面?も見れたわけだし、お互い嫉妬してただけってわかったし」
「俺のは違うだろ・・・」
「嫉妬っすよぉ。・・・とりあえず、」

照れて、顔の半分を片手で覆った静雄の、シャツに触れる。

「ちゃっちゃと傷手当てして、寝ちゃいましょう」
「お、おぉ」
「・・・一緒に」
「・・・・・・マセガキ」
「褒め言葉です」




棘を融かすようなキスが、正臣に落ちた。

言い訳ですよ

2010-11-06 13:37:26 | 日記
1ヶ月も放置してすみませ・・・!!
テスト前→テスト→テスト返し→絶望
という負の連鎖に陥りました。

数学の先生に心配されちゃったYO・・・!!
数Aなんて50点下がりましたからね。どんだけ確率苦手なんだ
でも今やってるとこはわかる・・・!!数Ⅱだけど・・・!!
ほんと何故もう数学Ⅱだし。

てなわけで、わたし次回のテスト死ぬ気でやんないと進級が・・・(笑)
ああんもう頑張るよ!
だからまた更新停滞するかもです。テスト12月頭なんです

ごめんなさい・・・といってもここの更新を待ってる人なんてそんないないわよ
ちーん(´・ω・`)


まあ端的に言えば
来る学校間違えたかな。笑っ

放っとかないでってば(臨正)

2010-11-04 19:41:21 | 小説―デュラララ
カタカタカタ。
正臣と臨也のいる部屋には、臨也がキーボードを叩く音だけが響いていた。


正臣はというと、集中している臨也が一言も発さないので、暇を持て余して、雑誌を読んだり携帯を弄ったりしていた。

しかしかれこれ3時間近く。
さすがに飽きる。
なんなら正臣は自宅に帰ればよいのだが、久々の対面だったため、そうしてしまうのもなんだか憚られた。


なので、読み飽きた雑誌を眺めるフリをし、真剣な表情の臨也を盗み見ていた。

今日は珍しく眼鏡をかけている。
部屋に入ったとき老眼鏡ですかとふざけて聞いたが、俺まだ20代だし、と返されてしまった。


(つまんねぇの)

久しぶりに会って触れてなかったというのに。
見慣れない眼鏡姿に、こちらはかなり心が躍っているというのに。
正臣のつまらなさは募る。

(そりゃ仕事は大事だけどさー・・・)


そこでなんとなく、邪魔したくなる。
不満と、好奇心。






「あっコラ」

足音をさせず近づいて、臨也から眼鏡を奪い取った。
そして自分でかけてみる。
視界がちょっとだけ、歪んだ。

作戦成功、臨也さんは仕事中断。

やられたという顔を見て、正臣は満足げに頷く。

「返しなさい」
「嫌ですよーっ」

臨也は目の前の相手の反応に可愛らしさを覚えて思わず破顔したが、仕事への支障を感じ、すぐに態度を切り替えた。

「返してってば」
「それが人に物を頼む態度ですか?」
・・・・・・不条理だ。
「・・・それがないと仕事が進まないので、返してください」
「うーん、そうですねぇ、じゃあ・・・・・・」

そこで正臣が一旦言葉を切る。

「手を使わないで取り返せたら、いいですよ」
「・・・・・・えぇー」
臨也は心底解らなさそうに疑問の声をあげた。

「わからないですか?」
「わかんないよ、ヒントは?」
「仕方ないなぁ、じゃああげます」


そう言うと、正臣は臨也の正面に回り---

ちゅう。

唇に柔らかい物を感じて、臨也は目を見開いた。
至近距離に、目を閉じた正臣。

深い口づけのあと、音をたて糸をひき二つの唇が離れた。


「わかりましたよね、臨也さん。唇と舌、上手く使ってくださいね」





その後、正臣の濡れた扇状的な唇は塞がれ、臨也の仕事はかなりの時間中断されることになった。

馬鹿しました

2010-10-08 16:52:09 | 日記
どうも氷月です。

潜っててすみませんでした。
ただ今月いっぱいは亀更新かなぁ…中間テストとか爆発すればいいのに。



さて昨日の金木犀のお話。

gdgdだわオチないわでもう氷月なんなの・・・死ぬの的なクオリティですね。
あんなに纏まらないとは。


で実は本題はここから。

あの話ね・・・2日にうpしたつもりだったの。
それが草稿になってて公開されてなくて(笑)

なんか来訪者数全然行かないな、とうとう見捨てられたかしら^q^とか思ってたら、
うわあああああああああ(゜Д゜;;;三3
公開してねええええええええm9m9m9m9m9m9
みたいなね。

やっちまったよ。
おかげでちょっとの間ドキドキしちったやないの。
まぁ、自分が悪いんですけどww


うん・・・うpしても誰得でもなかったけど。


一応生きてはいるので、具体的な生存状況やら生態が見たい方は、本館ブログとかついったーとか見ていただけたらと思います★

あ、ついったーIDは@anime0amethystです。
まだ初めたてですが、ガンガン絡んでいただけると嬉しいですヾ(*・ω・*)ノシ



ではでは全然面白いこと書いてないですが、この辺で。


皆様よい週末を(*∩ω∩)

はこんで、はこんで(静正)

2010-10-07 18:00:57 | 小説―デュラララ
ふわり。
何か甘い香りが、正臣の鼻をくすぐる。

(・・・あれ・・・・・・?)

窓は開けていないから、室内からの香りなのだが、これは。

(金木犀・・・なんで、この近くには植わってないのに)

甘い香りは金木犀のそれで、自分と静雄しかいない室内に優しく広がっていた。


(どこだろう)
(どこだろう)

(あ、)

(みつけた)


「静雄さん」
「ん?」

声をかけてから、前からぎゅっと抱き着く。
突然のことに、静雄は狼狽していたようだったが、どちらかというと照れが大きかったようだ。

「おい、紀田?」
「静雄さん、今日もどこかで喧嘩してきたんですか?」

抱き着いたまま、正臣が静かに問い掛ける。

「ん?・・・まぁ、今日はノミ蟲を殴りにいったくらいだけど」
「そのとき、どっか木の間とか通りました?」
「あー、どうだったかな、多分追い掛けてるときとかに」
「そうですか」
「・・・どうしたんだよ?」
「いい匂いしますねー・・・」


問い返しても、答えずに静雄の胸にうずめている正臣の顔を、手で上を向かせ口づけた。

「・・・静雄さん?」
「・・・・・・俺は浮気とか、してねぇぞ」
「・・・は?」

突然の発言に、ついキョトンとしてしまう。
しかしその考えに至った理由がわかって、笑いを堪えられなくなる。

「あはっ、あははははっ!!静雄さん、ちが、違いますよぉ」
「・・・何なんだよ、香水なんかつけてきてねぇぞ」

少しムッとした静雄に、まぁまぁと笑いながら言う。

「香水の匂いで女の子との浮気を判別すると思ったんですよね、静雄さん」

無言でこくりと頷く静雄。

「違うんですよ、オレが言ってたのは、」


そう言って、静雄のワイシャツの襟や胸ポケットに手を伸ばす。

摘みあげたのは小さな橙。
白い掌で、やわらかく燃えるような。



「金木犀付けて、帰ってきちゃったんですね」
「・・・あ、」




(だから、いい匂いするんですね)
(ああ)
(もっとぎゅってしてていいですか?)
(っ・・・・・・・・・・・いいよ)