睡眠中に、突然足がつれ、痛みで目覚めるという訴えは、よく耳にする。最も多い部は腓腹筋であり、通称こむら返りともよばれる。医学的名称は、有痛性発作性筋痙攣である。
医学書には、急に筋肉を収縮させた時(水泳、運動、急に動いた時など)に生ずる筋ツレについて記述はあっても、夜間安静時に突発的に生ずる足ツレについては記載がない。要するによくわかっていないのである。
先日、針灸学校講師会の席上、非常勤講師の辻村信浩先生に、この質問をぶつけてみたところ、一つの回答が得られたので紹介する。
辻村先生の教員養成時代の同級生の卒論に、書かれた内容だという。安静時の腓腹筋痙攣の原因は、脱水・代謝疾患・脊髄運動ニューロンの障害を考慮するが、ほとんどの場合、重篤な原疾患はない。よくある原因はつぎの2つである。
1.常見の原因
1)老人性末梢循環障害
運動しない状態が長く続くと、下肢の静脈環流がうまくいかず、循環障害が起こる。これはもともと循環障害傾向のある老人に多い。
この場合の治療は、下半身のみの電気敷き布団の利用でよい。
2)布団の重さによる足関節底屈状態の持続
仰臥位で長時間寝ていると、重い布団に押しつけられることもあって、足関節は長時間強制底屈状態になっている。この時、腓腹筋は緩んだ状態になり、時間経過とともに短縮状態となるのが原因である。伏臥位で寝ても、敷布団により足関節底屈が強いられるので、側臥位で寝るよう指導する。
2.腓腹筋痙攣時の応急処置
夜間とくに気温の冷える朝方に、腓腹筋痙攣はおきやすい。痙攣が起きて痛みにじっと耐えているだけでは、なかなか痛みは去らない。自分の手指を使い足母趾を強く背屈状態にする。すなわち腓腹筋のストレッチである。痛みが止まるまで、この状態を保つとよい。
3.こむらがえりには、太衝への神経ブロックが有効か?
高山整形外科病院院長伊藤博志氏は、これまで、腰椎変性疾患に伴うこむら返りで日常生活に支障が出ていた患者32人に対し、太衝穴に相当する部位から深腓骨神経ブロック(局麻注射)を実施。結果、全例でこむら返りの発生頻度が1カ月に1回以下に減少した。「1度行えば数カ月間、効果が持続する」と言う。(日経メデイカル2011年5月号のトレンドビューより)












今日の各論(辻村先生)の授業で、足のツレの話が出ましたよ。なので、早速拝見しました。
まさしく、うちの施設の利用者さん(70代)がそうです。夜中、睡眠中足がツルって、話されるんで、腓腹筋のマッサージをやってます。OAでもあるんで、余計負担になるのでしょうかね。
一つ疑問です。似田先生は、この場合鍼は使われないのですか?