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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

井岡一翔 世界王座を返上し引退へ?! 

2017年11月11日 | ボクシング

昨日は、スポーツ界で負のニュースの連鎖が起こったかのようでした。

競馬のレジェンド・武豊騎手が落馬で負傷。
日曜日のG-1エリザベス女王杯への騎乗ができなくなりました。
それどころか、年末までの復帰もどうなるかわからないとのことで、
「キタサンブラックは、どないなるんじゃ~」
と心配が尽きません。
『靱帯損傷?』
マジかよ!!!

フィギュアのNHK杯も、
羽生選手が負傷とのことで、
てんやわんやの大騒動になっているみたいですね。

今シーズンは冬季オリンピックも控えており、
心配ですね。


そしてもう一つ、
現在WBA世界フライ級王者の井岡一翔選手が、
王座の返上を発表しました。

発表に本人は同席せず、
ジム会長でもある父親の井岡一法氏のみが発表したという、
ファンにとっても違和感バリバリの会見でした。


~ボクシングニュースより~
井岡ジムの井岡一法会長は9日、大阪市内のジムで記者会見を開き、長男のWBA世界フライ級王者、井岡一翔(28)が5度防衛している同王座を返上したと発表した。


復帰するとしても本人次第だが、
本人の(ボクシングに対する)モチベーションがない状態なので・・・
ということで、引退も示唆しました。

まあ、
現実的に言って引退が濃厚でしょうね。

なんともはや、
すっきりしない形ですなあ。。。。

井岡と言えば、
前回タイトルマッチを行ってから、
その行方がようとして知れず、
トレーニングも行っていないのでは?ということが、
まことしやかに囁かれたりしていました。

5月、そして10月と同じ階級で世界を獲った比嘉選手が、
『井岡選手、統一戦やりましょう』
と呼びかけても全くなしのつぶて。

『だいたいこんなに長く試合やらないで、王座は大丈夫なの?』
と言われつつも、
『まあ、例年大みそかにタイトルマッチ組んでいるんで、しばらくしたらその発表もあるだろう』
なんて言われていました。

しかし11月に入っても一向に試合の発表は成されず・・・・・
というタイミングでの昨日の会見。
各方面とも、これ以上は待てないというタイミングなんでしょうね。


井岡は鳴り物入りでプロボクサーへの道を目指しました。
アマチュアでの好成績、そして叔父の井岡弘樹氏は元世界チャンピオン。

そしてマスコミ受けしそうなさわやかな好青年の風体。

更にその強さは、
『未来のボクシングのスター』
を予感させました。


スタートは、
まさに順風満帆。

彼の攻防一体のスマートなボクシングは、
ファンを魅了していきました。
あっという間のプロ7戦目にWBCミニマム級の世界王者を奪取。
2度の防衛を果たした後、
WBA王者であった”激闘王”八重樫東との王座統一戦を敢行。

待ち望んだ【日本人同士の統一戦】であっただけではなく、
その激闘はファンのハートをがっちりとつかみました。

勝った井岡も、敗れた八重樫も、
一気に知名度はアップ、そして両者ともに男を上げて、
その存在が広く知られるようになっていきました。

ワタシもその激闘を見て、
『井岡は本当に強いなあ』
と思ったものでした。



と、
ここまでが井岡一翔のサクセスストーリー&グローリーデイズ。。





しかしながらその後、
TBSというボクシング界での”魔物”に取り込まれ、
井岡はその戦いを「安全に、長く王座を防衛。リスクのない路線」に変更させられ、
次第に『興奮を呼ばない相手との、安全運転の戦い』が多くなっていって、
ボクシングを長く、深く見続けているファンに特に、
見放されていったような感じがしますね。

あの素晴らしいボクシングをする井岡が、
だんだんと『作られた世界チャンピオン』になっていく過程、
悲しくその防衛ロードを見ていたワタシも、
だんだん彼には興味を失っていきました。

まあそれと引き換えに、
安定したタイトル防衛路線と巨額のマネーを手に入れた、
ということでしょうがね。

それぞれのチャンピオンの『生き方』というのがあるので、
一概にそれを否定することはありませんが、
応援するということはなくなりました。


特にジムの会長であり父親である井岡一法氏は、
その手法・路線から抜け出せなくなったんでしょうね。

井岡一法氏の言う『井岡一翔がモチベーションを失っている』というのは、
その『路線に対する反発』ということもあるのではないか、
そんな感じで思っています。

井岡一翔チャンプには、
非常に気の毒な思いがしたりしています。




ボクシング人気は落ちた


最近だけではなく、
00年ぐらいからは特に、
そんなことをよく目に、耳にするようになりました。

確かに高度成長期から、
日本の看板を背負ったボクサーが外国人選手と戦い、
それを見た一般の民衆が興奮する・・・ということで人気を博してきたボクシングという競技が、
そういった目で見られなくなり、徐々に人気を失ってきたのは肌で感じています。

しかも近年は、
階級の細分化、団体の乱立、
”暫定””スーパー”など意味のよくわからない『チャンピオン』が作られたり・・・・・
ということで世界チャンピオンが乱立して、
チャンピオンベルトの価値も相当に落ちてきていることは、
否めない事実です。

そういった状況を打開するために、
テレビ局が打ち出した「路線」こそが、
この『自らが作り出した(作られた)チャンプ』路線。

K兄弟のある意味での”大成功”で味をしめたTBSが、
2匹目のドジョウを狙ってターゲットとして囲い込んだのが、
『話題性も十分なチャンピオンである井岡一翔』だったのではないでしょうか。
しかもK兄弟とは真逆な、
『イメージはベビーフェイスの好青年』だったものだから、
『別の切り口になるから、こいつは行ける!』と思ったのも、必然でしょうかね。

そしてテレビ局主導で、
『一般大衆の受けを狙ったバラエティー手法を駆使した路線』
に大きく舵を切ったのが、
井岡の戦い方だったようにも思えます。

もはやスポーツというよりも、
バラエティー番組に近いような感じもしていました。


しかしながら、
ボクシングという世界には、
そんな状況の中でも熱心に応援するファンが数多く存在しています。

彼らが見たいのは、
単純に『だれが一番強いのだろう』ということ。

だからパッキャオvsメイウェザーのビッグマッチだったり、
村田諒太のミドル級での世界戦だったり、
そんな『乾坤一擲のガチの戦い』では、
まだまだ熱狂するのです。

ボクシングにはそういった、
抗えない魅力がふんだんにあるのです。

当然のことながら、
そうしたファンが熱狂するのは、
『一切の筋書きのないドラマ』
であることは自明の理。

テレビの影響は競技を語るうえで抜きにはできない現状ではあるものの、
テレビ局ごときがまるで「試合を差配する」「王座を差配する」みたいな傲慢な態度をかますと、
ファンはそっぽを向いて逃げていく・・・・・
それをわからなければならないでしょう。
スポーツなんですから。筋書なんてないんですよ。


『作られた王者』とは、
その王者を長くタイトルに君臨させ、ずっと中継をするために、
とにかくリスクのある戦いを避けさせる・・・・・そう、決して強い奴とはマッチメイクをしないということ。

そうやって選んできた【必ずしも強くない相手】を、
テレビ局お得意の”ねつ造”気味に
『こいつ、ものすご~く強い、最強の相手なんだ~~~』
と煽りにあおって、
見ているライトなファンに【誤解】させること。

その”つよ~~い”相手をやぶった『俺たちの世界チャンピオン』は、
ものすごく強いんだ~~~~、
次も楽しみだな~~~~
と思わせ、次回も見てもらう・・・・・ことですね。


しかし日本人の世界チャンプたち、
もちろんほとんどのボクサーは『そうではない、リスペクト出来るガチに強いチャンピオン』です。

村田諒太はもとより、
井上尚弥、山中慎介、内山高志、三浦隆司、八重樫東、比嘉大吾・・・・・

彼らの戦いは、
『強い奴に向かっていく。俺がどれだけ強いのか、自分で確かめたい』
というもの。

そう、
ボクサーの本能そのもののチャンピオンたちなんです。
ハングリー精神も、バリバリにあります。


そもそもワタシ達がボクシングや格闘技を見るのも、
とにかく『このボクサー強いんだ!!!』ってことに、
単純に興奮し、思い入れるからでしょ。


それを欠いちゃったら、
たとえ100回世界チャンピオンを防衛しようとも、
興奮して応援することは、ありませんね。


井岡一翔選手、
チャンピオンになった当初、
本当に強いボクサーだと思っていましたが、
何かその『テレビ路線』を受け入れたあたりから、
戦いがこじんまりとまとまり、いわゆる”守りに入った”感じになっていき、
『彼の才能からすると、惜しい、惜しすぎる戦いだ・・・・』
なんて思いを強くしました。

その前にTBSが総力を挙げて作り上げたK兄弟とは、
そのボクシングにおけるポテンシャルで、
井岡の方がずっと上だと思っていたので、
今回の事も含めて、
残念でした。


できることならば、
何か月かして復帰し、
『俺は単純に、自分がどこまでやれるのか、試してみたいだけだ』
と言って、
ギラギラした目で再び戦いに身を投じる姿、
そんな姿を見てみたいものだと思ったりしています。
もちろん、今のテレビ局とは完全に手を切って、ね。


まあしなしながら、
彼がいなくとも、
ワタシが応援する世界チャンピオン、いっぱいいますから、
正直に言うと、
残念な気持ちは持っていても、悲しいとか寂しいといった気持ちは、
全くありません。

ロマゴン、井上、比嘉。。。。

本当に強い奴が、
あなたと戦いたがっていた(?)という事実、
どう受け止めているのでしょうか。

本人の口から、
聞いてみたいですね。

会見を開く必要は、
やっぱりあるのではないでしょうか。


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