言えない秘密



言えない秘密

監督・脚本・音楽・主演:周杰倫(ジェイ・チョウ)
出演:周杰倫(ジェイ・チョウ)、桂綸鎂(グイ・ルンメイ)、黄秋生(アンソニー・ウォン)
制作:江思強(ビル・コン)
撮影:李屏賓(リー・ピンビン)
脚本:杜緻朗(トー・チーロン)
音楽:TERDSAK JANPAN

原題 不能説的・秘密/2007台湾
第44回金馬奨 最優秀映画奨/主題歌唱奨/視覚効果奨

【STORY】
天才的なピアノの才能を持つ転校生・葉湘倫(シャンルン)は、
ピアノ室の古いピアノで耳にしたことのない曲を演奏する路小雨(シャオユー)と出会い、
二人はお互いを好きになる。
青春時代の淡い初恋と学生生活、すべてが輝いている世界にいるはずの二人だが、
小雨には湘倫にはどうしても言えない秘密があった。


秘密は言えないから、代わりに思うこと


物語の時代は1999年、今現代の21世紀の生活とは違いが大きい。
1999年では携帯もネットも今ほど普及などしていない時代だったから。
そこがひとつの映画の成功要因かもしれない。

美しい淡水の風景とその移り変わり、古い音楽学校のたたずまい、
古い家具やインテリア、ピアノの音色までが
ストーリーの切なさ、懐かしさ、そしてミステリアスな一面をいっそう際立たせている。
美術指導の郭志達、管理人好みです。

ジェイは「ぴあ」のインタビューで、
大林宣彦作品にテイストが似ているが、と質問された時
大林作品は見ていないが岩井俊二作品「ラヴレター」「花とアリス」は好きだと言っていた。
なるほど、アジアでもヒットしているし若い人たちには岩井俊二なのだと(笑)
管理人世代だと、最初に思うのはやはり尾道三部作などの大林宣彦かな…
音楽の使い方も感覚が似ているような感じがする。
もちろん岩井俊二作品も見てはいるのだが。
ただし《言えない秘密》にはクラシックの名曲と共に
ジェイ作曲の名曲(とあえて言わせて)がふんだんにちりばめられて、
その音楽がこの作品の印象を大きく左右しているところが大きな特徴となっている。
改めてソングライターとしてのジェイの才能の豊かさを感じさせる、りっぱな音楽映画だ。
そこも映画と音楽の関係が好きな管理人にはぴったりはまった大きな要因。
日本語字幕で鑑賞してから、特にその傾向が強くなってきている。
《不能説的・秘密》1回目は昨年9月の香港だった。
その時に比べて秘密も少しは判明したし(少しかよ!・笑)

もちろん、ジェイの仲間たちもいつものように出演していて
映画のユーモアの部分をしっかり担ったりしているのだ。




制服の魅力など

映画で使われた制服が新宿武蔵野館では展示されている。
この制服がとってもいい感じのデザインで、展示してあると動かないから
やっぱりその魅力はスクリーンで実際に感じてほしい。

学生服の主人公たちの淡い初恋や学園生活のひとコマを見ると
心のどこかにしまっていた記憶がよみがえり、
忘れかけていた思いでと淡い後悔とで胸がつまったりするのは
日本人のある程度の年齢より上の人には、経験ある方も多いと思う。

日本映画でも学生服姿が印象的な作品は多い。
台湾映画でも、学生服姿が出てくる作品が多いので、実際の制服も多いのかな?
香港映画もアクションや黒社会ものばかりでなく、
学生服の子たちが出てくる作品もある。
レスリーの若いころの作品にも頻繁に制服姿が出てきたし、
実際、香港の街中でも制服姿の学生をよく見かける。

そういった共通項がいくつかあるのも《言えない秘密》の特徴であるし
すでに公開されているアジア全域でのヒットの要素の一つであるかもしれない。


セリフに注意 そして秘密はまだまだある

面白いのは主人公の二人のセリフが少ないことである。
二人とも寡黙で、他の出演者の方が多く話しているシーンが多い。
湘倫はやはりピアノ弾きである、ということから
音楽で表現しようとする気持ちの表れなのか、セリフが少ない。

小雨は秘密を持っているのと、その性格の上からも必要最小限のことしか話さない。
しかしその少ない小雨のセリフに重要な鍵が隠されている。
湘倫以外の登場人物との会話も要注意。
う、これ以上は書けない、ネタバレしてしまう。

そして会話と共に重要なのが「Secret」の楽譜に書かれた言葉。

Follow the notes upon the journey.
At first sight marks one's destiny.
Upon the voyage come to an end.
Return lies within hasty keys.

映画では英文で書かれているが、中文で訳すと↓のようになるらしい。

隨著音符踏上旅程
第一眼就決定了命運
當旅途走到終點
回去的路就藏在快速的旋律中


この中にも秘密が隠されている。
そして管理人はひとつは2通りの解釈ができる部分があるのではないか?と思っている。


明かされない秘密

映像にも細かい伏線が貼られているので注意深く見ることも大事。

映画は大きな秘密が明かされても、
明かされない秘密がまだまだ残っている。
これらは私たちの解釈に委ねられているのか、
それともまだ気づいていない答えが映画の中にあるのか?
もう一度スクリーンで見てごらん、と言われている気分。



最後に

これが初監督作品、
それは丁寧にいろいろな要素を持ち込んで良く練られた作品で驚く。
まわりの素晴らしいスタッフと共に生み出した作品であることは言うまでもないが、
予想を裏切る?良い出来に、次はどんな作品になるのか、期待と不安も確かにある。
2作目は難しい。
でもそんなの関係ない(ちょいと古い・笑)というように
ジェイは軽々とバーをクリアして、
これからも思いがけない創造の世界を私たちに見せてくれるのか?

ちょっと期待してもいいよね?




新宿武蔵野館は3階エレベーターも《言えない秘密》仕様。


《言えない秘密》公式サイトはこちら 音が出ます。
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