あなたは二頭の牛を飼っている。政府がそのうちの一頭を取り上げ、それをあなたの隣人に分け与える。あなたとは共同組合を作り隣人にどうやって牛を飼育するかを教える。
共産主義:
あなたは二頭の牛を飼っている。政府がその牛を二頭とも取り上げて、あなたにはその牛から作られた牛乳を配給する。しかしその牛乳を得るために何時間も行列の後ろで待たねばならない。さらにその牛乳は異常に高価なうえに腐っている。
ファシズム:
あなたは二頭の牛を飼っている。政府がその牛を二頭とも取り上げて、牛乳を高値で売りつける。政府のやりかたに不満なあなたはゲリラ組織を結成し、破壊活動を繰り広げる。
ナチズム:
あなたは二頭の牛を飼っている。政府がその牛を二頭とも取り上げて、あなたを射殺する。
官僚主義:
あなたは二頭の牛を飼っている。政府がその牛を二頭とも取り上げて一頭を撃ち殺し、残り一頭から牛乳を搾る。搾った牛乳はドブに捨てる。
伝統的資本主義:
あなたは二頭の牛を飼っている。一頭を売って雄牛を一頭買い、雌牛を繁殖させる。それを売ったお金で退職する。
米企業:
あなたは二頭の牛を飼っている。一頭を売って残り一頭に4等分の牛乳を出すよう強要し、牛は過労死する。裁判を恐れるあなたは獣医に牛の死因を検分させ、なぜかダウンタウンを歩いていた黒人青年が牛を殺害した罪で逮捕される。
仏企業:
あなたは二頭の牛を飼っている。あなたは牛を三頭欲しいと要求してストライキに入る。その間に昼食を食べに行ってワインを飲む。人生は楽しい。
日本企業:
あなたは二頭の牛を飼っている。ハイテク技術を駆使して牛を標準サイズの10分の1に再設計し、従来の牛の20倍の牛乳を搾ることを可能にする。さらに、その牛のアニメキャラを制作、世界に営業展開する。
独企業:
あなたは二頭の牛を飼っている。牛には高効率化を図るための特殊な品種改良を施す。その結果、エサは月に一度ジャガイモを食べるだけでよくなり、メニューが少ないことについては一切の不平を言わない。さらに就業時間中はまったく私語をせずに、自分でもくもくと乳を絞る牛に生まれ変わる。
イタリア企業:
あなたは二頭の牛を飼っている。しかし、どこにいるのか分からない。とりあえず昼食にする。人生は楽しい。
英企業:
あなたは二頭の牛を飼っている。どちらも狂牛病だ。
ロシア企業:
あなたは二頭の牛を飼っている。数えてみたら5頭いる。もう一度数えてみると42頭だ。また数え直してみる。2頭だ。もう数えるのはやめにして、また1本ウォッカを開ける。
中国企業:
あなたは二頭の牛を飼っている。300人が乳絞りに働いており、失業者は皆無で、ミルクの生産が非常に優秀であることを宣言する。そして、従業員の実数や不正な労働契約、基準値を満たさない衛生状況を暴露した記者を共産党に逮捕させる。
インド企業:
あなたは二頭の牛を飼っている。崇め奉る。
ヒンドゥー教:
二頭の牛を飼っている。二頭があなたが何をするべきかを諭す。
仏教:
牛は一頭もいない。牛乳もない。バケツは完全に空っぽだが至福に満たされている。欠けるものが何一つ無いという悟りがあるからだ。
ユダヤ企業:
二人のユダヤ人がいる。ミルクの低温殺菌工場を建設し、アイスクリームの店を経営し、これまでのサクセス・ストーリーの上映権を映画会社に売りつける。さらに子牛たちをハーバード大学で医学を勉強するよう送り込む。
カリフォルニア企業:
あなたは何百万頭もの牛を飼っているが、これらの牛の中で英語を喋れるのはわずか五頭で、牛のほとんどは南米出身の不法就労である。そのため、牛は誰かにそのことを告発されないかを、いつも恐れている。アーノルド州知事はことのほか大きな乳を持った牛がお好みのようである。
アフガニスタン企業:
あなたはこの牛から乳を搾ろうとしない。なぜならすべての生き物の生殖器に触ることは禁じられているからだ。あなたはアメリカ合衆国政府から牛乳の代替物を買うために、4,000万ドルの補助金をもらうが、この金で武器を買ってしまう。
アメリカ民主党:
あなたは二頭の牛を飼っているが、あなたの隣人は牛を一頭も所有していない。あなたは自分だけ豊かなのは心が痛むので、牛の飼い主に対して莫大な税金をかけるように政府に要求する。あなたはその税金を支払うために牛を売り飛ばす羽目になり、政府はあなたが支払った税金であなたの牛を買い取り、あなたの隣人にその牛を譲る。あなたはそれを見て大変に安心して満足する。
アメリカ共和党:
あなたは二頭の牛を飼っているが、あなたの隣人は牛を一頭も所有していない。それが何か?