Andyの日記

不定期更新が自慢の日記でございます。

迷走する F1

2009-06-19 16:07:57 | モータースポーツ・車
FIA と FOTA が今後の各チームの予算制限を巡って対立しているが、このままだと
F1 は今週中にも分裂することになるかもしれない。F1 での内輪揉めはいつもの
ことだが、今回は少し事情が違う。今回は欧州自動車工業会も FOTA を支持する
ことを明らかにしているので、言うなれば FIA と自動車メーカーとの対立と
言っても過言ではない。

FIA としては、各チームの予算を大幅に少なくすることで、旧き良き時代の
F1 のようにプライベーターの参戦を増やしていきたいという思惑があるのだろうが、
現代のモータースポーツはとてもじゃないがプライベーターの予算だけでやって
いけるようなものではない。話としては美しいけど、実現させることはできないし
無理に実現させようとしてもいけない。

FIA の改革案を受け入れるかどうかの期限は今日 6/19 で、もし FOTA 側が
受け入れないとなると、マクラーレン、ザウバー、トヨタ、ブラウン、フェラーリ、
そしてレッドブルが 2010 年から参戦できないことになる。もしトヨタが参戦
しないということになれば現実にはウイリアムズも参戦が危ぶまれることになる
わけだし、フェラーリと関係の深いトロロッソだってあぶないものだ。

個人的には、もういい加減分裂したほうがいいと思う。F1 はセナが事故死した
あたりから、急速にルールの複雑さが増し、かつしょちゅう変更されるように
なった。FIA としてはチームがルールの抜け道を探すことがないように、いつも
突然ルールを変更するようにしているのだろうが、見ているほうとしてはもう
何がなんだかわからなくて、ついていけない。ここまで年中ルールが変更される
スポーツなんて、他にあるだろうか?いい機会なので分裂して、単純に一番速い
マシンとドライバーを決めるようなシリーズを立ち上げたほうがいいだろう。

ホンダ新体制

2007-11-13 16:36:29 | モータースポーツ・車
まさか、と思っていたが、あのロス・ブラウンがホンダチームに加入することに正式決定した。
そして 11/26 からチームに加入して仕事をするということだ。彼自身はフェラーリに再加入
したいという希望もあったようだが、その場合は全権を掌握しての最高責任者として加入する
ことを望んでいたようで、その条件面でフェラーリと折り合いがつかなかったらしい。きっと、
ジャン・トッドとはいろいろとあったのだろう。彼の仕事の進め方が、自分に合わなくなって
きたんじゃないのかな。

彼が入っても、すぐにはチームが力をつけてくるわけではないだろう。上位争いができるように
なるまでは、あと2~3年はかかるはずだ。ニック・フライ色が残るチームを自分の色に
しなければならないし、車をホンダエンジンに適したデザインに設計する必要もあるし、他にも
やることはいろいろある。今のフェラーリしか知らない人には信じられないだろうが、90年代
前半のフェラーリといえば、周回遅れにされることもあるような低迷ぶりだったのだ。それを
プジョーのラリー・チームから引き抜かれたジャン・トッドが少しずつチームを立て直して、
そのおかげで今のフェラーリがある。それと同様に、ホンダも一歩一歩着実に進歩していく
ことだろう。ていうか、福井さんが無茶な要求をつきつけないことを祈るばかりだ。

ドライバーはどうするのだろう、バトンはまぁいいとして、もう一人は?バリチェロはどうも
放出される可能性が高いらしい。確かに、今シーズンの走りを見ている限りでは、どうにも
情けないし、もう終わったという見方をするしかないと思う。代わりに誰を入れるのか?
ロス・ブラウンがホンダに来るとなれば、ホンダに入りたがるドライバーも出てくることだと
思う。ていうか、もし来年フェラーリがライコネン&アロンソ体制になるとしたら、マッサが
はじき出されることになる。ただし、ロス・ブラウンは彼の走りを間近で見てきた人間だから、
チームに必要な人間であるかどうかを知っているはずで、マッサを入れることを許すかどうか、
微妙なところではないか。どちらかといえば、彼は緻密なフィードバックを返してくれる
ドライバーを好むので、マッサという選択肢はあまりないのかもしれない。しかし、そういう
タイプのドライバーは今のF1には少ないようだ。先日引退を表明したブルツをもう1年ホンダで
走らせるというのはどうだろう、彼はそういう点では優れたドライバーみたいだし。今はまだ
勝てるドライバーよりは、チームを成長させるドライバーのほうが大切な時期だ。

落胆

2007-10-26 09:37:51 | モータースポーツ・車
日産自動車は10月24日、「NISSAN GT-R」を東京モーターショーで発表した。
12月6日より販売を開始する。グレード別の価格は、「GT-R」が777万円、
「GT-R Black edition」が792万7500円、「GT-R Premium edition」が834万7500円。

同社のブランドを代表するスポーツカー“GT-R”が帰ってきた。これまで
「スカイライン」をベースにした「スカイラインGT-R」として多くの車ファンを
魅了してきたが、新型NISSAN GT-Rは、スカイラインブランドではなく、
単独の“GT-R”ブランドとして新たなスタートを切る。

同社のカルロス・ゴーン社長は、この新生“GT-R”を「日産の、パフォーマンスへの
情熱の証であり、究極の表現」と説明する。搭載されたエンジンは新開発の
3.8リッターV6ツインターボ「VR38DETT」。最大トルク60kgm(588Nm)を
3200~5200rpmという広いレンジで確保し、出力は480馬力(353kW)を誇る。



相変わらず、こんな車を作って喜んでいるのか、日産自動車は。この記事を
読んでいてわかったことだが、おそらく日産の開発部門の社員というのは、
普段ニュースも見ず新聞も読まないのだろう。自動車の排出ガスがどれだけ
地球環境にダメージを与えているか、彼らは知らないのだ。だから、こんな
車を平気で作って喜んでいるのだろう。いくら LEV 対応のエンジンになって
いたとしても、こんな大排気量・高出力のエンジンを作っていては無意味だ。
化石燃料の無駄遣いであり、空気中の二酸化炭素を著しく増加させる。

また、車にとって first priority の性能とは何か。それは『安全』である
はずだ。万が一事故を起こしたときに乗員に与えるダメージを最小限にし、
相手の車や歩行者に可能な限りダメージを与えないことが、何より大切である。
車というのは、人間の何十倍も重い金属の塊を、人間の何百倍もの力を使って
動かしているものだ。すなわち、とても危険なものだ。その危険な物体を
どれだけ安全に管理することができるか、ということに自動車メーカーは
あらゆる技術を注ぎ込まなければならない。

こんな車に乗っていて、正常な精神状態でいられる人間というのは、いったい
どの程度存在するというのだろう。とんでもない馬力を持った車に乗れば、
誰だってスピードを出したくなるはずだ。まして、こういう車を買いたがる
人というのは、血の気の多い人ばかりだろう。目を逆三角形にしてアクセルを
踏み込む姿が目に浮かぶ。しかもこの車は高い。こんな車を買うことができる
のは、成金かお坊ちゃんか年寄りだけのはずで、割合から言っておそらくは
一番多いユーザーは年寄りになるだろう。年寄りがこんな車に乗ったら、
事故を起こす確立が増えるだけだと思うのだが・・・・・。

技術の日産は、人殺しの道具を大威張りで売る前に、絶対に事故を起こさない
車を開発するのが先ではないか?アクセル全開で壁に突進しても車が
自動的に減速して衝突を防ぐような車を、どうして作らないのか。居眠りを
して反対車線に飛び出しそうになっても自動的に本線に戻る車、急カーブが
迫る状況でスピードが出すぎていたら早めに自動的に減速する車、etc。
作ろうと思えば作れそうなものだが、なぜ作らないのだろう。今回の
GT-R にはがっかりさせられた、日産のモラルとはこの程度なのかと非常に
不愉快な気分にさせられてしまった。

2007 年 F1 総括

2007-10-22 17:18:23 | モータースポーツ・車
正直に言って、まさかライコネンがタイトルを獲得するとはまったく考えて
いなかった。シーズン前半は彼自身がフェラーリチームに溶け込んでいなかった
ことや、フェラーリ自体がまだ半分シューマッハ的なカラーで動いていたこともあり、
どこかちぐはぐしていた。加えて風洞実験の設備でトラブルが発生したために
車体の開発が停滞した時期もあり、シーズン中盤までに早々にチャンピオンシップ
争いからは脱落したと思っていたからだ。ライコネン自身も、どちらかというと
モチベーションの下がることの多いシーズンだったのではないだろうか。8月の
ハンガリーGPが終了した時点で首位ハミルトンとのポイント差は20もあり、
数字の上ではチャンピオンシップからは完全に除外されていたことから、チームからも
マスコミからも半ば「過去の人」扱いされていたところがあった。

ところが、楽に逃げ切ることができたはずのマクラーレンでチームメート同士の
内紛が勃発し、チームメート同士でお互いの車の情報を共有することがなくなって
しまった。これは1000分の1秒を削るためにあらゆる手段を尽くすF1の
車体開発の現場では、致命的な事態と言える。お互いの車のいい部分を取り入れ、
悪い部分を修正することで車の開発が進むのに、そのプロセスがなくなてしまうの
だから、車の開発は進まない。そのせいか、後半はマクラーレンの車にトラブルが
多く発生するようになり、この結果を招いた、と言っていいだろう。スパイ事件
云々よりも、ロン・デニスの人身掌握能力の低さが今シーズンのマクラーレンチームに
発生した諸悪の根源と言ってもいいと思う。

ともあれ、ライコネン、アロンソ、ハミルトンの3人は、来年も熱い戦いを続けて
いくと思うので、期待して見守っていきたいものだ。

今年光ったドライバーといえば、ハミルトンを除けばやはりベッテルだろう。
日本GPでは、あわや表彰台かというような走りだったし、上海GPでも見事に
4位に食い込んだ。まだぽわんとした表情のお兄ちゃんに見えるのだが、早く
いいマシンに乗せてあげたいところだ。実際、どれくらいの速さなのかわからないが、
来年の活躍に期待したいと思う。

アロンソはどこに行くのだろう、一般的にはルノーに戻ってフィジケラが追い
出されるという話だが、そうなるとコバライネンとの戦いになるのか。コバライネンも
それなりに速いから、予選でも決勝でもうんと速く走らないとチャンピオン扱い
してもらえなくなるぞ。というか、私は個人的にアロンソはそれほど速いとは
思っていないので、ある意味そろそろ引き際なんじゃないか、と思っている。

それ以外は・・・・・、正直誰がどこに入ってもそれほど代わり映えしないなぁ、
というのが正直なところ。中嶋一貴くんがトヨタで走るんじゃないかとか言われて
いるけど、あまり期待せずに見ていたいと思う。それなりに速いドライバーらしいが、
こればかりは何とも言えない。実績で言えば琢磨くんだってすごいのだけれど、
F1というところは才能プラス野心の強さで決まるような世界だから、押しの強さが
どれだけあるのかがポイント。おとなしそうな彼がF1でやっていけるのか。

トヨタとホンダは、もういい加減に撤退したらどうか。あれだけの資金力があって
これだけの長い時間F1に参戦していながら、まだ中団をうろちょろすることしか
できないなんて、どうかしている。どこに問題があるのかわからないが、まるで
よくならない状況を見る限り、事態は深刻そうだ。まぁ、お金使いたいんだから
使っていればいいわけだけど、その金を新車の開発費にまわしたほうがいいんじゃ
ないのか、と思ってしまう。売れないからねぇ、今は車が。

カナダGP雑感

2007-06-12 16:07:40 | モータースポーツ・車
ハミルトン、ついに初勝利を飾ってしまった。個人的には、後半のヨーロッパ
ラウンドあたりからロン・デニスが手綱を緩めて好きにさせるのかと思って
いたけど、そうではなかったようだ。もともとあのチームはウイリアムズと
同様にチームオーダーを出さずにドライバー同士を切磋琢磨させるのが方針
なので不思議はないのだが、しかし思い切った判断だった。

それも、ハミルトンの走りを見ていれば当然か。ハミルトンの能力は圧倒的で、
桁違いだ。ちょっと、これまでに見たことがないタイプの完璧さを持った
不世出のドライバーと言っていいと思う。速さは当然のことながら、アロンソと
比べるとよくわかるのはマシンのコントロール能力。特に無理をしているように
見えないのに、ぐるっと1周走ってくると、とてつもないタイムを出している。
プロストに似ているとも言えるが、プロストより骨太な印象の走りだ。

また、安定感も桁違い。今年からハードタイヤとソフトタイヤをレース中に
両方使用しないといけないという新しいルールになったが、これについても
完璧に対応している。普通はレース後半になると体力が切れてだれてくるもの
だが、全盛期のシューマッハのようなタフな走りを見せている。体力的にも
桁並外れている証拠だと思う。いったい、誰が彼を打ち負かすことができるのか。
シューマッハ引退で主役不在かと思われていたF1だけど、いきなり歴史的
名ドライバーの誕生となってしまった。

さて、チャンピオン争いをするはずであったアロンソとライコネン。右京が
解説の中であきれていたように、ライコネンはあまり期待に見合った働きを
しているとは言えないようだ。元フェラーリドライバーのアーバインからは、
「酒なんか飲んでいる場合じゃないだろ!」と場外から喝を入れられている
始末で、このまま不本意な成績しか残せないと、今シーズン限りで放出される
可能性もある。昔のフェラーリならともかく、今のフェラーリは24時間
365日体制のハードワークを強いられるプロフェッショナル集団で、しかも
ドライバーからの細かいフィードバックを重視するので、どうしてもかつての
シューマッハのようなドライバーが求められる。ライコネンはあまりそういう
作業には興味がないようで、今年のフェラーリのマシン開発が進んでいない
原因の1つになっているような気がする(逆に言うと、もしプロストが今の
時代に現役だったら、とてつもないチームになっていると思う)。

アロンソは、どこか自暴自棄になりつつあるように思える。モナコのときにも
感じたが、今回のカナダではそれが目立つようになってきた。モナコでは
あやうくマシンが横っ飛びしてアームコに激突するのではないかと思うほど
ハードに攻めていたが、今回は実際にコースアウトはするわ、マシンの姿勢を
乱すわで、あきらかに平常心を欠いているところがわかった。彼はルノー時代に
フィジケラとポールポジション争いをしていたときにも(セパンだったかな?)、
平常心を失ってスピンしたことがあり、割と感情的になりやすい嫌いがある。
1コーナーで何度もコースアウトしたのは、マシンの調子が悪いのではなく、
単に突っ込みすぎていただけだろう。脅威の新人が気になってしかたがない
という気持ちが、ああいうドライビングにつながっているはずだ。早いところ
冷静にならないと、ロン・デニスから愛想をつかされることにもなりかねない
ので、プロストのように着実にポイントを重ねるタイプに自己変革しないと
いけないだろう。

さて、もっと失望したことがある。ホンダとトヨタだ。今回、ウイリアムズ・
トヨタのブルツが3位に入った。ブルツはもともと能力の高いドライバー
なので今回の快挙も不思議はないのだが、本家のトヨタは何をやっているのか。
あれじゃ「金に物を言わせてチームだけ作ってみました」的な見方をされても
何も言い返せまい。ヤルノとラルフは、それほど能力の低いドライバーではないし、
チームには始終はっぱをかけているということだが、進歩の兆しも見えない。
税金対策でF1をやっているのか?トヨタユーザーとしては、憂鬱なシーズンが
いつまでも続いていてとても残念だ。ホンダについては、もう何も言うことはない。
さっさと日本に帰ってきて、ミニバンでも作って喜んでいてくれ。これ以上、
恥の上塗りをする必要はない。

ハミルトン

2007-04-11 15:47:24 | モータースポーツ・車
今年は花粉が少なくて、本当に助かった。ゴーグルどころか、マスクすらせずに
過ごすことができた4月というのは、子供の頃以来じゃないのかな。ていうか、
これは変すぎる。いくら少なめとはいえ、ここまで楽でいいのか、っていう
くらいに楽だった。薬が効果あったのもあるし、毎朝食べているヨーグルトの
おかげかもしれないし、風呂でやっている乾布摩擦のせいもあるかもしれない。
でも、やっぱり今年は花粉が少なかったんだろうな。実に変わった年だ。

変わったといえば、F1。ついに満を持してマクラーレンからルイス・ハミルトンが
デビューした。この新人さんについては以前にも書いたけど、やはり、並外れた能力を持った
新人のようだ。マッサとのオープニングのバトルは、どっちが新人だかわからなく
なるくらいに落ち着いていた。レースはアロンソが勝ったが、あれはたぶん作戦
だったのだろう。経験の浅いレーサーに好き勝手やらせるよりは、まずは安定
したセッティングでマシンを走らせ、確実にポイントを取らせ、レース経験を
積ませるほうが長期的に見て得策、という判断だったのではないか。
マクラーレンは歴史的にチームオーダーを出さないチームなので、もう少し
すればハミルトンにも好きに走らせるだろう。たぶん。

たぶん、というのは、今のF1は昔と違って、速いレーサーが速く走っていれば
それでいい、という単純なものではないからだ。ドライバーズチャンピオン、
コンストラクターズチャンピオンの両方で高い順位を狙うためには、どちらか
優秀なドライバーと相性がよくなるようにマシンを開発していく必要がある。
そして、優秀なドライバーがより高得点を稼ぐことで、DC、CC両方の得点を
増やしていく。チームオーダーではないものの、これは差別的なマシン開発だ。

今は各チームのマシンの差が縮まっているため、昔のようにただ素性のいい
マシンを作ってドライバーに与えて走らせているだけでは、高得点を狙いづらい。
確実にポイントを獲得していくには、こういう方法を取らざるをえないのだ。
しかるにマクラーレンチーム、あの二人はだいぶスタイルが違う。アロンソは
アンダーステアぎみにセッティングし、コーナー入り口でフルブレーキングして
一気にステアリングを切り込むというスタイルだ。マンセルにやや近いが、
あそこまで極端なスタイルのドライバーはあまりいない。

ハミルトンは、オンボード映像を見る限りでは、アロンソのようなスタイルでは
なく、マシンをいたわりながら優しくドライブしているように見える。もしも
アロンソ寄りにマシンが開発されていくと、今後ハミルトンとしては苦しくなって
しまうかもしれない。今のうちに、ロン・デニスにできるだけアピールしておいた
ほうがいいだろう。すでに水泳、ゴルフ、テニスなどでブラックパワーが吹き荒れて
いるが、F1でもついにブラックパワーが発揮されるときがきたようだ。

憧れの目医者(誤変換)

2006-12-26 13:51:40 | モータースポーツ・車
この車が何の車なのか、相当車が好きな人でもなければわかりますまい。
フランスのシトロエンのフラッグシップモデル「C6」です。こう書いても
普通の人なら「?」でしょうね。今、日本人にとって外車といえばベンツか
BMWかワーゲンか、少し知っているひとならアウディとかルノーとかも
名前くらいなら聞いたことあるでしょうか。あとはフェラーリとかそういう
車でしょう。車に興味のない人にとって、この車なんて「変な形」程度の
印象しかないことでしょう。

しかし、これこそシトロエン。変な形こそ、シトロエンの、いや、フランス車の
レゾンデートルと言っても過言ではない。最近では、ルノーのメガーヌも
かなりすごいスタイルでモデルチェンジしました。

megane


見てください、この太ったオヤジが床屋で刈り上げにしてもらったけど、
太りすぎていたせいで失敗してえらいことになってしまった後頭部のような
スタイル。見ているだけで、血湧き肉踊るのは私だけではありますまい。
フランス車フェチの人であれば、見ているだけでニタニタしてきてしまうはず。
しかもこのドテ尻車を、ルノーは「セダンではない、クーペである!」と
言い切ってしまうあたり、我が道を行く気高いフランス人のスピリットを
びしびしと感じます(美的感覚がずれているとも言えるが)。

メガーヌくんはさておき、このC6ですが、何がいいと言ってやはりそれは
その独特の乗り心地。それはシトロエンだけが採用する独特の足回りである
ハイドロニューマティックサスペンションのおかげです。何やら聞き慣れない
「ハイドロニューマティック」などという言葉が出てきて、困惑するかもしれ
ません。なんだか、ドロッとしてニュ~っていうサスペンションなのか?
という印象を持つかもしれませんが、それほどはずれていません。

難しいことを書いてもなんなので省きますが、これはまるで宇宙船に乗って
いるかのような独特の浮遊感を醸し出す素晴らしい装置なのです。
乗ったことあるのか、という厳しいツッコミ、OKです。実は私、
子供の頃に一度だけ体験したことがあります、このハイドロニューマティック。
CXというモデルだったのですが、ただの小学生の私がこの車の乗り味を
体験できたのは、実に恵まれていたとしか言いようがありません。
逆に言うと、あの体験のせいで私がフランス車に対していつまでも
飽きず懲りずに憧れを抱き続けているとも言えます。↓

cx

通に言わせると、今のハイドロニューマティックは昔のよりもハイドロっぽさが
ないということなのでどんなものかわかりませんが、ただあの乗り心地を一度
味わってしまうと、世間でいくらBMWがいいとかベンツがいいとか言っても、
「そんなこと言って、君たちシトロエン乗ったことあるのかね?」と聞きたく
なってしまいます。それくらい、やみつきになる乗り心地です。

とはいえ、そこはフランス車。そんなすごい装置が完璧に動き続けるはずもなく、
当然壊れます。そこがシトロエンのアキレス腱であるということは昔から有名で、
シトロエンファンはそこを理解したうえで購入しているのです。最近のはそれほど
壊れないそうで、20万km保証だかもついているらしいですが、でも壊れると
思っていたほうがいいでしょう。でも最近はベンツあたりもかなり信頼性に難あり
ですし、世界的に車の信頼性が落ちている昨今では、車のトラブルを恐れていては
どの車にも乗れないでしょう。

ドイツ車より知名度がなかろうが、日本車より精密でなかろうが、イタリア車より
官能的でなかろうが、そんなことは意に介さないフランスの至宝シトロエン。
いつかは乗りたい。しかもこの車、フラッグシップであるにもかかわらず、
700万円くらいしかしない。もし3億円当たったら、かなり欲しい車の一台です。


Tschuess, Michael!

2006-09-11 15:02:46 | モータースポーツ・車
いつかこの日が来るのはわかっていたことだが、やはり実際にその日が来ると
感慨深いものがある・・・・・。今日は、ミヒャエルの思い出をいろいろと
書いてみようと思う。

私がシューマッハの名前を最初に目にしたのは、1990年に開催された、F3の
マカオGPに関する記事だった。確か Autosports のマカオGP特集に掲載されて
いたと記憶している。このマカオGPは、世界中のF3選手権で華々しい成績を
あげた将来有望なドライバーを集めて行われる、事実上のF3世界選手権とも言える
一大レースだ。

この記事で別格の扱いを受けていたのが、当時まだ初々しかったミカ・ハッキネンと
ミハエル・シューマッハだった。当時のメディアはまだシューマッハの正しい読み方が
統一されておらず、ミヒャエル・シューマッハとかミハエル・シュマッハーとか
いろいろな表記をされていた。この二人がなぜそこまで別格の扱いをされていたかと
いうと、それは二人の飛びぬけた走りが何よりの理由だ。

このマカオGPのギア・サーキットは、マカオの市街地コースを利用したサーキットで、
いわばモナコのような市街地サーキットだが、路面状況はお世辞にもよいとはいえず、
滑りやすくミスをしやすいサーキットだ。そんな劣悪な状況のせいか、このサーキットの
予選タイムは、1983年に市街地マイスターこと、若き日のアイルトン・セナがマーク
した驚異的な予選タイムがいつまでも破られなかったことでも有名であった。

ところが、その予選タイムが7年ぶりに更新されたのだった。更新したのが、まさに
この二人。しかも、ハッキネンはセナがマークしたタイムよりも2秒近くも早い
タイムで予選をトップ通過した(確か 1 分 21 秒台だったと記憶している)。
ちなみにこのレースは、あのドリキン土屋圭一も参戦していたが、この二人のタイムに
ついて「マシンの差だけでは、あのタイムは絶対に出せない」と完敗宣言をしていた。

また、ハッキネンが当時所属していたのが、セナが在籍していたイギリスの名門F3
チームのウエストサリー・レーシングであったことも、話題になった。セナの
ように、眉間にしわを寄せて集中する姿もまたセナに似ており、しかもセナと同じく
イギリスF3選手権を優秀な成績で制していた。これらの点から、セナの後継者と
目されるにふさわしい条件が揃った逸材であった。しかし、その逸材を破ったのが
ドイツF3チャンピオンのシューマッハだった。

このレース、さまざまなメディアで語られてきたので詳述は避けるが、結果から
言えばシューマッハは狡猾で、ハッキネンは甘かった。速さでは確かにハッキネンの
ほうが圧倒的に勝っていたが、レースは速ければ勝てるものではないということを
具体的に示したいいレースであった。ハッキネンは泣き崩れ、シューマッハは表彰台で
狂喜乱舞した。

当時のシューマッハは、本当に生意気で向こう見ずで、何かというと「クレイジー!」
という言葉を連発する、文字通りクレイジーなやつだった。雑誌のインタビューで
尊敬するドライバーは?と聞かれて「アイルトン・セナだよ、あいつは本当に
クレイジーで信じられないくらい速いやつだ」とクレイジー節を披露していたのを
覚えている。俺以外のドライバーは全員クズだ、くらいの物言いばかりが目立つ、
ひどく鼻っ柱の強いドライバーだった。

しかし彼はその後すぐにはF1に行かずに、スポーツカーレースで経験を積む
道を選んだ。超一流F1ドライバーとしては珍しく、デビュー前にはル・マン24時間
レースにもザウバー・メルセデスチームから参戦している。このときのレースは
見ていたが、24時間レースというマラソンレースだったせいか、特に光る走りを
見せてはいなかった。しかし、すぐに彼の名前はF1の世界にとどろき渡ることに
なる。

91年、当時ジョーダンチームから参戦していたベルギー人ドライバーのベルトラン・
ガショーがロンドンでタクシーに乗っている時に運転手と口論になり、運転手に催涙
スプレーを吹き付けるという暴行を働いたことから解雇され、その代役として
シューマッハに白羽の矢が立った。シューマッハはまったく初めて乗るF1マシン、
初めて走るスパ・フランコルシャンサーキットでいきなり予選7位という驚異的な
成績をあげた。ここからシューマッハ伝説がスタートする。

決勝レースこそ、スタート時にクラッチを慌ててつないだためにクラッチトラブルで
リタイヤという結果に終ったが、次戦では突然ベネトンチームから参戦することに
なった。このときは、シューマッハの才能に目をつけたメルセデスベンツが、将来
自分たちがF1に参戦したときにシューマッハを優先的に獲得できるように、多額の
裏金を使ってシューマッハをベネトンに移籍させたらしい。当時のベネトンは、
ジョーダンに比べてマシンの競争力・信頼性ともに優れていたので、新人が経験を
積むのに最適なチームだった。

ベネトンに移籍してからは、同僚の元ワールドチャンピオンのネルソン・ピケを
圧倒する走りを見せたばかりか、翌年の92年にはデビューサーキットのスパで
初優勝も遂げてしまう。マシンを降りて高笑いしていたときの、憎憎しいばかりの
シューマッハの笑顔は忘れられない。「見たかこのクズども!」とでも言いたげな、
謙虚さのかけらもない不遜な若者がそこにはいた。

そんなシューマッハだけに、いざこざも多かった。特にセナとは何度もいさかいが
あった。92年のブラジルGP、決勝レース中にセナのエンジンが不調でタイムが
あがらず、セナの後を走っていたマシンが大名行列状態になってしまった。
セナはマシンが不調であるにもかかわらずいつまでも後ろのマシンをブロック
し続けたため、それに対してシューマッハが「あんな行為はワールドチャンピオンに
ふさわしくない」と噛み付いたのだ。

また当時のシューマッハは無謀な運転をすることでも有名で、セナとは何度か
レース中にぶつかってもいる。マシンを降りた後にセナに胸ぐらをつかまれたこと
すらあり、かなり危険なドライバーだった。しかしセナのそんな態度に対しても
「セナは僕の服の乱れを直してくれたのさ」と意に介さない大物ぶりを見せた。
今のシューマッハしか知らない人には想像できないだろうが。

しかし、そんなシューマッハも、態度を変えざるを得なくなる。セナが94年の
イモラサーキットで天国に召されてから、否応なしにシューマッハが次世代の
ドライバー代表ということになり、自分が望まずとも周囲がシューマッハに
責任ある対応を求めることとなる。それに応えざるをえず、シューマッハも
しだいに大人の態度を取るようになり、やがて現在のような紳士的な態度の
シューマッハに変わっていく。

ところで、シューマッハというドライバーには、最後まで変わらなかった、
大きな問題がある。それは、プレッシャーに弱い、という点。そして、自分が
無様に負けるくらいなら、相手にぶつけてでも勝とうという残忍な性格だ。
90年のマカオGPでハッキネンにくらわせた接触事故、チャンピオンシップが
かかった94年の最終戦オーストラリアでのデーモン・ヒルへの体当たり、
97年にやはりチャンピオンシップがかかったヨーロッパGPでのジャック・
ビルヌーブへの体当たり、最近では今年のモナコGPでの通せんぼ事件、etc。

プレッシャーに弱いという点では99年の日本GPを思い出す。ハッキネンとの
一騎打ちとなった決勝レース、スターティンググリッドに着いたときに、
シューマッハは緊張とプレッシャーから、まさかのエンジンストールをさせて
しまう。絶対優位なときには憎らしいほど自信に満ちたドライバーだが、
プレッシャーには滅法弱く、また焦ってミスを犯すことも多い。一気に形勢
逆転を狙いすぎる嫌いがあり、それが接触やミスにつながっていたように
感じられた。

彼は長いF1の歴史の中で、ドイツ人初のワールドチャンピオン、さらに
史上最多の7回(今年取れれば8回)ものワールドチャンピオンになった
不世出のF1ドライバーとして記録され、記憶されることになるのだろう。
私にとって彼は、超一流のアスリートとはどういうものか、ということを
何よりわかりやすく教えてくれたと思う。つまり、健全な肉体に健全な魂が
宿るとは限らず、また自分以外のライバルをすべて焼き尽くすほどの、
激しく燃え上がるエゴイズムがなければトップアスリートになど到底なれない
ということが、彼を通して実によくわかった。

決していやみで言っているのではなく、それが現実だということを今では
認識している。現役時代にはその計算高いマスコミ操作や政治的な人間関係が
目立ったアラン・プロストも、今思えばそれがトップアスリートとしては
当たり前の行為だということも理解できるようになった。そして、そのような
普通の人が眉をひそめるような行為は、忌み嫌うべきものでも受け入れるべき
ものでもなく、ただ「トップアスリートはそういうものだ」と思うしかない、
ということも理解できるようになった。

レースに、そして人間というものに対して、ただの未熟者であった私を
ここまで成長させてくれたのは、まぎれもなくミハエル・シューマッハだ。
これほどの名ドライバーに成長させてもらったのは、本当に幸運であったと
言わざるを得ない。奇しくも彼は私と同い年。私よりも何百倍も濃密で
激しい人生を歩んだであろうミハエル、正直に言えば好きなドライバーでは
ないが(笑)、でも今はただ「ありがとう、お疲れ様」と言いたい。

やめてくれ・・・

2006-08-17 16:25:17 | モータースポーツ・車
近藤真彦(42)が解説を務めるフジテレビ系「2006F1日本グランプリ
決勝」(10月8日午後1時40分)の制作発表が16日、都内で行われた。
近藤は「いろんなドラマや歴史のすべてを伝えたい」と抱負を語った。同局は
87年から同レースを放送し、今年は20年目となる。節目に、F1では
世界初のハイビジョン放送や小倉智昭を応援団長に起用するなど
力を入れている。キャスターを永井大と山田優が務める。


たのむ、フジテレビ。どうか嘘だと言ってくれ。なぜオヅラなんだ?
なぜあの男の力を借りないといけないんだ?それ以前に、オヅラは
F1て何だかわかっているのか?カツラのメーカーじゃないぞ。
あいつが何をしゃべるんだ?オヅラがF1のファンだなんて聞いたこと
ないぞ。マジでやめてくれ、まるで見当違いなことしか言わないに
決まっているだろ。「なんでそこで抜かないんだ、もっとアクセル踏めよ」
「パンクしたわけでもないのに、なんでタイヤなんか替えるんだ」
とか言い出しかねない。

せめて、F1にうんと詳しい人を呼んできてくれ。個人的には堂本光一くんと、
あとはジローラモさん。光一くんがF1にすごく詳しいというのは、すでに
番組に何度もゲスト出演しているからみんなわかっているけど、ジローラモさんも、
実はかなり詳しい。それも、けっこう古い時代のフェラーリの話なんかも
スラスラできてしまうくらいに。さすがティフォージ。でも、以前にF1に
ゲスト出演したときに、「シューマッハは嫌い、ドイツ人だから」
という爆弾発言を番組中にしてしまったので、出入り禁止になってしまっている。
ここはフジテレビ、ぜひ過去のことは水に流してあげよう。
なにせ彼はチョイ悪オヤジ、視聴率アップに貢献できるはずだ。

他にも、本当にレースしている芸能人なんてほかにもいくらでもいるんだから、
そういう人をせめて呼んでくれ。個人的には、元F1ドライバー全員呼んで
うんとマニアックな解説してもらったほうがいいんだが。それじゃ視聴率が
取れないというのであれば、せめてレースが何かわかっている人を呼んでくれ。
フジテレビが認識しているのか知らないが、レースファンというのは知的
好奇心を満たすことが好きな人が多いので、バカ騒ぎ系のゲストというのは
嫌われる。むしろ、素人にはついていけないくらいマニアックでいい。

競馬中継を思い出してくれ、馬一頭ごとに素人でもわかるような解説なんて
いちいちしないだろう。わからないやつは本を読んで勉強してから来い、
くらいの姿勢で番組作りに臨んでほしい。どうせ深夜枠の番組なんだから、
それくらい思い切ってもいいのではないのか。マニアにも素人にも気に入って
ほしい、なんて色気を出すと、二兎を追うものは一兎をも得ず、になるぞ。

Congratulations, HONDA!

2006-08-07 15:42:39 | モータースポーツ・車
F1の表彰式で、君が代が流れた!あれだけの勝ち星を重ねた第二期F1活動期に
すら、一度も流れなかった君が代が、とうとう流れた!この日が来るのを、本当に
楽しみにしてきたので、君が代が流れたときは、中本さんのように泣いてしまった。
嬉しい、ただひたすら嬉しい。言葉がありません。