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世界の片隅から、愛をささやいてみたり @goo

『アガサ・クリスティーの秘密ノート(上)』

2014年08月13日 | 本と雑誌

    あなたのことは恐るるに足りずよ。
    今回は、わたし、天使の側にいるんですもの!

           「ケルベロスの捕獲」より ヴェラ・ロサコフ伯爵夫人


「天使の側にいる」って、イギリスではフツウの言い回しだったのか。
(この「あなた」はポワロさんのことで、伯爵夫人は元宝石泥棒ですv)
 




*****
 




てなわけで、読了してしまいました。


『アガサ・クリスティーの秘密ノート(上)』
  アガサ・クリスティー&ジョン・カラン著
  山本やよい・羽田詩津子訳/ハヤカワ文庫



半年かかるって言っていたのは誰ですか?(はい、私です


いや~やばい、面白い。
上巻は6章+未発表の短編「ケルベロスの捕獲」からなっていたのですが、
3章目から最後まで、ほぼ1日で一気読みしてしまいました。
さしあたって今度本屋で『ヘラクレスの冒険』を買ってこようv
(先日通販で『なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?』を買ったばかりですが)


私が好きだったのは、『雲をつかむ死』の飛行機の座席配置や
『白昼の悪魔』の島やセント・メアリ・ミードの地図と同列で、
クリスマスの贈り物のリストや、旅行の予定や、
電話のメモや家計簿が書き込まれている、というくだりでした。
この、日常と非日常、家庭の平和と犯罪の恐怖が混沌としている感じ、
なんかいいですよねえ。


あと、大好きな『ABC殺人事件』のアイデアが、
ABC順に連続殺人が起きる、から始まったわけじゃない、
むしろ、ABC順を思いついたのは最後の最後だったようだ、というところも。


「ケルベロスの捕獲」第1バージョンの発見により、
なぜ『ヘラクレスの冒険』の12篇の中で、これだけ雑誌に載らなかったのか?
という謎が解けた、というところも面白かったです。


下巻を読むのも楽しみですv (もちろん購入済み)
 


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