あなたのことは恐るるに足りずよ。
今回は、わたし、天使の側にいるんですもの!
「ケルベロスの捕獲」より ヴェラ・ロサコフ伯爵夫人
「天使の側にいる」って、イギリスではフツウの言い回しだったのか。
(この「あなた」はポワロさんのことで、伯爵夫人は元宝石泥棒ですv)
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てなわけで、読了してしまいました。
『アガサ・クリスティーの秘密ノート(上)』
アガサ・クリスティー&ジョン・カラン著
山本やよい・羽田詩津子訳/ハヤカワ文庫
半年かかるって言っていたのは誰ですか?(はい、私です)
いや~やばい、面白い。
上巻は6章+未発表の短編「ケルベロスの捕獲」からなっていたのですが、
3章目から最後まで、ほぼ1日で一気読みしてしまいました。
さしあたって今度本屋で『ヘラクレスの冒険』を買ってこようv
(先日通販で『なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?』を買ったばかりですが)
私が好きだったのは、『雲をつかむ死』の飛行機の座席配置や
『白昼の悪魔』の島やセント・メアリ・ミードの地図と同列で、
クリスマスの贈り物のリストや、旅行の予定や、
電話のメモや家計簿が書き込まれている、というくだりでした。
この、日常と非日常、家庭の平和と犯罪の恐怖が混沌としている感じ、
なんかいいですよねえ。
あと、大好きな『ABC殺人事件』のアイデアが、
ABC順に連続殺人が起きる、から始まったわけじゃない、
むしろ、ABC順を思いついたのは最後の最後だったようだ、というところも。
「ケルベロスの捕獲」第1バージョンの発見により、
なぜ『ヘラクレスの冒険』の12篇の中で、これだけ雑誌に載らなかったのか?
という謎が解けた、というところも面白かったです。
下巻を読むのも楽しみですv (もちろん購入済み)
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