さて、ついに『フライトプラン』を観てきました。
この作品も随分前から映画館では予告を観てきたので、期待していた時間が長い分だけ、
ハードルも高くなっていました。
今回はネタバレしますので、ご注意ください(じゃないと、書けないので)。
あらすじ的なものは、以下の通りです。
1.飛行機の設計士の母親がいて、子供と一緒に飛行機に乗る。
2.母親が寝ている間に、子供がいなくなる。
3.飛行機内の誰も、その子供を見ていない。
4.パニックになる母親。
5.その子供が飛行機に乗っている記録がない。
6.飛行機内を大捜索。
7.でも見つからないから、母親更にパニック。
8.そして、母親暴走。
9.実は巧妙に仕掛けられた罠が。
10.犯人と母親との闘い、そして・・・。
「フォーガットン」ですね、まさに。
おんなじです。
全体のムードも似ています。
ただ違うのは、「どーん!」と、いろんな人がどっかに飛んでっちゃったりはしない、
ということ。
「フォーガットン」は、サスペンスに見せかけたSF映画だったわけですが、
これは、一応最後までサスペンスのままではあるので、
その点は安心してください。
僕は、祈るような気持ちでしたよ。
「わけのわからん謎の生物とか、出てくんじゃねーぞ」
と。
あと、
「飛行機自体が意思を持ってて、子供を食べましたー、とか言うんじゃねーぞ」
とか。
ステルス的な。・・・違うか。
まぁ、そういうわけのわからないことはない、と。
辻褄は、ギリッギリですけど、取りあえずは合っていると。
なので、「フォーガットン」を観たときのような、やり場のないモヤモヤ感はありません。
んが・・・。
これは問題作です。
「母親の、子供への愛情」
そんなことで、片付けたらイケナイことが、いっぱい起こりました。
まさに久々の、『突っ込みどころ満載ムービー誕生』です。
書き始めるとキリがなくなるので、いくつかに絞って書きます。
1.
犯人は何故、わざわざ飛行機の設計士を狙ったのか。どう考えても、自らリスクを高めているとしか思えない。
お金より、飛行機の知識がある人間と「勝負」がしたかっただけなのかな?
2.
ジョディ・フォスターと娘は、「子連れ」ということで、飛行機に一番最初に乗り込んだ。
この時点でもう誤算のはず。
何故なら、こういう場合、客室乗務員の全員がこの娘の存在を強く心に刻むはずだから。
だから本来は、ここで計画は失敗している。
でも実際には、客室内には誰もいなくて、娘の姿は誰も見なかった。すごい。
3.
母親は眠った。しかも娘を、空いている他の席に移し、横になるようにした。
もしそれをせずに、本来の席(娘は窓際)にいて、ジョディもいて、
そして眠くないジョディがずっと映画などを観ていたら、
絶対に誘拐できなかった。
4.
客室乗務員も乗客も、誰も娘を見ていない。普通、飛行機に乗ると周囲に子供がいるかどうか、
というのは非常に気になるものである。あれくらいの子供なら、騒ぐ可能性があるので、
周囲の人はチェックするはず。
まして、前の席の子連れは、自分も子連れなんだから、近くの子連れが気にならないはずがない。
5.
っていうか、そんなことの前に、
「飛行機に爆弾を仕掛けるために、ジョディの夫を殺して、セキュリティの甘い『棺おけ』を飛行機に積ませ、その中に爆弾を仕掛ける」
って、どーゆー設定だよ、そりゃ。そもそも、誘拐の前段階でリスクが高すぎる。
6.
ジョディがパニックになったせいで、乗客は全員疑うは、大声でわめき散らすは、
挙句の果てに、酸素吸入器を落下させて、機内を更にパニックに陥れるはで、もう大変。
きっと乗客の中には、心臓の弱い人とかもいただろうし、体調が悪くなってしまった人もいる。
ジョディより、その人たちの方こそ本当の被害者ではないか。
7.
観ていた多くの人は、
「コイツが犯人、と見せかけて実は違う、ってゆーパターンなんだろーなー」
と思ったのでは。
なのにまさか、そんな奴が犯人だなんて。
共犯の女も同じ。
ワカリヤススギル。
8.
すべてが成功したのに、犯人は最後の最後で、ジョディの挑発∞に乗って、
飛行機を降りるのをやめた。
何だそれ。
そっか、やっぱり「勝負」したかっただけなんだ。
9.
爆弾の殺傷能力を知らないはずのジョディ。
犯人も、「ここで爆発させるとお前達も死ぬぞ」的なことを言っているのに、迷わず扉をしめて爆発させた。
そりゃー、設計士だから飛行機の強度などは知っているだろうけど、
爆弾の能力が強ければそんなの関係なく破壊されるはず。
何の迷いもなく、素人が、爆弾を爆発させるなんて・・・。
10.
そして最後に、アラブ人に謝れ、ジョディ。
鞄を手渡された時の、あの態度はなんなんだ。
日本人なら土下座して、相手に頭を踏まれても文句ひとつ言えない場面だよ、あれは。
この「フライトプラン」は、すべてのことが犯人が思い描いた通りにならないと成立しない、
極めて難易度が高い計画でした。
もう成功したら「奇跡」ともいえるくらい。
結果的にそれらは、全部成功して、犯人の思い描いた通りになったわけですが、
犯人は、ひとつずつのことが予定と違ったときのリカバリー方法を考えていたのでしょうか。
また、よく考えてみると、同じことをするにも、もっと成功確率の高い、リスクの低い方法が絶対にあるはずなのに、
敢えて最も難易度もリスクも高い方法を選んだ理由が判りません。
興行的には大ヒットしているようです。
あれだけ壮大なスケールで宣伝を行なえば、当然の結果でしょう。
これからはクチコミにより、観客動員が伸びるかどうかが決まってくるわけなので、
そう考えると、これから頭打ちかな、という感じはしますが。
でも、あまりにも叩かれると、「そんなに酷いんなら逆に観てみたい」という心理が働いたりもするから不思議ですよね。
でもまぁ考えてみると、観てすぐに忘れられる映画よりは、どんな理由であれ記憶される映画の方がいいわけで、多分僕はこの作品のことを当分忘れないわけで、そういった意味では、中途半端な作品よりはいいのかな、とも思いました。
この作品も随分前から映画館では予告を観てきたので、期待していた時間が長い分だけ、
ハードルも高くなっていました。
今回はネタバレしますので、ご注意ください(じゃないと、書けないので)。
あらすじ的なものは、以下の通りです。
1.飛行機の設計士の母親がいて、子供と一緒に飛行機に乗る。
2.母親が寝ている間に、子供がいなくなる。
3.飛行機内の誰も、その子供を見ていない。
4.パニックになる母親。
5.その子供が飛行機に乗っている記録がない。
6.飛行機内を大捜索。
7.でも見つからないから、母親更にパニック。
8.そして、母親暴走。
9.実は巧妙に仕掛けられた罠が。
10.犯人と母親との闘い、そして・・・。
「フォーガットン」ですね、まさに。
おんなじです。
全体のムードも似ています。
ただ違うのは、「どーん!」と、いろんな人がどっかに飛んでっちゃったりはしない、
ということ。
「フォーガットン」は、サスペンスに見せかけたSF映画だったわけですが、
これは、一応最後までサスペンスのままではあるので、
その点は安心してください。
僕は、祈るような気持ちでしたよ。
「わけのわからん謎の生物とか、出てくんじゃねーぞ」
と。
あと、
「飛行機自体が意思を持ってて、子供を食べましたー、とか言うんじゃねーぞ」
とか。
ステルス的な。・・・違うか。
まぁ、そういうわけのわからないことはない、と。
辻褄は、ギリッギリですけど、取りあえずは合っていると。
なので、「フォーガットン」を観たときのような、やり場のないモヤモヤ感はありません。
んが・・・。
これは問題作です。
「母親の、子供への愛情」
そんなことで、片付けたらイケナイことが、いっぱい起こりました。
まさに久々の、『突っ込みどころ満載ムービー誕生』です。
書き始めるとキリがなくなるので、いくつかに絞って書きます。
1.
犯人は何故、わざわざ飛行機の設計士を狙ったのか。どう考えても、自らリスクを高めているとしか思えない。
お金より、飛行機の知識がある人間と「勝負」がしたかっただけなのかな?
2.
ジョディ・フォスターと娘は、「子連れ」ということで、飛行機に一番最初に乗り込んだ。
この時点でもう誤算のはず。
何故なら、こういう場合、客室乗務員の全員がこの娘の存在を強く心に刻むはずだから。
だから本来は、ここで計画は失敗している。
でも実際には、客室内には誰もいなくて、娘の姿は誰も見なかった。すごい。
3.
母親は眠った。しかも娘を、空いている他の席に移し、横になるようにした。
もしそれをせずに、本来の席(娘は窓際)にいて、ジョディもいて、
そして眠くないジョディがずっと映画などを観ていたら、
絶対に誘拐できなかった。
4.
客室乗務員も乗客も、誰も娘を見ていない。普通、飛行機に乗ると周囲に子供がいるかどうか、
というのは非常に気になるものである。あれくらいの子供なら、騒ぐ可能性があるので、
周囲の人はチェックするはず。
まして、前の席の子連れは、自分も子連れなんだから、近くの子連れが気にならないはずがない。
5.
っていうか、そんなことの前に、
「飛行機に爆弾を仕掛けるために、ジョディの夫を殺して、セキュリティの甘い『棺おけ』を飛行機に積ませ、その中に爆弾を仕掛ける」
って、どーゆー設定だよ、そりゃ。そもそも、誘拐の前段階でリスクが高すぎる。
6.
ジョディがパニックになったせいで、乗客は全員疑うは、大声でわめき散らすは、
挙句の果てに、酸素吸入器を落下させて、機内を更にパニックに陥れるはで、もう大変。
きっと乗客の中には、心臓の弱い人とかもいただろうし、体調が悪くなってしまった人もいる。
ジョディより、その人たちの方こそ本当の被害者ではないか。
7.
観ていた多くの人は、
「コイツが犯人、と見せかけて実は違う、ってゆーパターンなんだろーなー」
と思ったのでは。
なのにまさか、そんな奴が犯人だなんて。
共犯の女も同じ。
ワカリヤススギル。
8.
すべてが成功したのに、犯人は最後の最後で、ジョディの挑発∞に乗って、
飛行機を降りるのをやめた。
何だそれ。
そっか、やっぱり「勝負」したかっただけなんだ。
9.
爆弾の殺傷能力を知らないはずのジョディ。
犯人も、「ここで爆発させるとお前達も死ぬぞ」的なことを言っているのに、迷わず扉をしめて爆発させた。
そりゃー、設計士だから飛行機の強度などは知っているだろうけど、
爆弾の能力が強ければそんなの関係なく破壊されるはず。
何の迷いもなく、素人が、爆弾を爆発させるなんて・・・。
10.
そして最後に、アラブ人に謝れ、ジョディ。
鞄を手渡された時の、あの態度はなんなんだ。
日本人なら土下座して、相手に頭を踏まれても文句ひとつ言えない場面だよ、あれは。
この「フライトプラン」は、すべてのことが犯人が思い描いた通りにならないと成立しない、
極めて難易度が高い計画でした。
もう成功したら「奇跡」ともいえるくらい。
結果的にそれらは、全部成功して、犯人の思い描いた通りになったわけですが、
犯人は、ひとつずつのことが予定と違ったときのリカバリー方法を考えていたのでしょうか。
また、よく考えてみると、同じことをするにも、もっと成功確率の高い、リスクの低い方法が絶対にあるはずなのに、
敢えて最も難易度もリスクも高い方法を選んだ理由が判りません。
興行的には大ヒットしているようです。
あれだけ壮大なスケールで宣伝を行なえば、当然の結果でしょう。
これからはクチコミにより、観客動員が伸びるかどうかが決まってくるわけなので、
そう考えると、これから頭打ちかな、という感じはしますが。
でも、あまりにも叩かれると、「そんなに酷いんなら逆に観てみたい」という心理が働いたりもするから不思議ですよね。
でもまぁ考えてみると、観てすぐに忘れられる映画よりは、どんな理由であれ記憶される映画の方がいいわけで、多分僕はこの作品のことを当分忘れないわけで、そういった意味では、中途半端な作品よりはいいのかな、とも思いました。
ツッコミどころをひとつひとつ検証していただいて、本当にこの犯罪が成功するのは「奇跡」に近いんだということが再認識できました(笑)
ジョディももっと脚本選ばなきゃ~!
>「飛行機自体が意思を持ってて、子供を食べましたー、とか言うんじゃねーぞ」
ここを読んでウケちゃいましたよ(笑)
きっと、まだ突っ込みどころを確認したくて、皆さんまだ見ると思うのですよね~。
あ・・しかしこれからいろんな映画が上映されるんで、DVDにまわそうという方も多いかもしれませんね。
でも、この飛行機の中などは、スクリーンで見て大きさなどを楽しんで欲しいですが。
<ミチさん>
本当は、もっとたくさん書きたいことはあったのですが、あまりに文句ばっかり書くのもハバカラレタので、このへんにしときました。でも、こういう作品ってレビュー書くのも楽しかったりしますね。
<ぶてちんさん>
ぶてちんさんが仰った通り、飛行機の機体自体は素晴らしかったですよね。
テレビ画面だと、セット感が出てしまうと思うので、やはり映画館で観て欲しいですね。
でも、ひとに薦めると、あとで怒られますね、きっと。
レビューを拝見して、「ズバリ!」と
思うほど的確にツッコミ処が書かれてあ
って、頷いてしまいましたw
ま、現実的なオチで良かったとは、思
いましたが。
この映画、僕は観ている間は結構楽しめました。
ただ、オチがいかにも弱くて、奇抜な題材のわりには平凡な印象です。
名作にもB級にも分類できない微妙な映画になってしまったような・・・。
気になって眠れません・・・。
どなたか返事お願い致します。
ジョディの熱演がひかっていただけに、脚本の穴だらけには正直がっかりでした。
ただジョディームービーとしては大変面白かったです。
アイツが「ぴかー」って怪光線発射して、機内の人たちの記憶を消したり、ジョディを空席に誘導したり催眠させたり半狂乱にさせたに違いありません。
そう考えると今回の計画のリスクも低くなるんですけど、「わけのわからん生物」が共犯者ってのは反則ですな(笑)。
てなわけで、TBありがとうございました。
(♪シャラマンシャラマンヘイヘヘイヘヘイシャラマ~ン!)
そう、子供だなんて思ったら大間違いよ!ってな感じでした。
同様に「パニクリルーム」と来たら「フライトプラン」なんでしょうか!?
ジョディ信者の私としてはとてつもなく惜しい気がするんですが…。
そう、未見なのです。
思うにジョディ、女優としての存在がデカ過ぎるんでしょう。
彼女の後を追ってるのがジュリア・ロバーツ。
(レニー・ゼルウィガーやシャーリーズ・セロンにはそうなって欲しくないものですが)
彼女達を燃えさせる脚本家の登場を待ちたい物です。えぇ。