ANANDA BHAVAN 人生の芯

ヨガを通じた哲学日記

人生のピーク

2012年02月24日 | 日記
人生のピーク

 遥か昔、私がまだ幼かった頃、「シェーン」という題名のアメリカ映画が大変にヒットしました。西部劇でした。

 アラン・ラッドが演じるシェーンという名の流れ者が開拓者の家へやって来て居候します。シェーンはガンマンです。真面目な開拓者達にとってガンマンは軽蔑の対象なのですが、開拓者の子や妻はシェーンに大変な好意を抱きます。開拓者の一家は月に1度程近くの町へ出掛けて必要な買い物をします。町にはジャック・パランスが扮する悪党のガンマンが居て、やがて開拓者はこの悪党のガンマンとの対決に追い込まれます。決闘の為に開拓者が家を出ようとするところをシェーンが殴り倒し、シェーンは開拓者の代わりに町へ乗り込み、壮絶なガンファイトの末に悪党を倒します。シェーンはそのまま馬に跨り、遥かなる草原や山々の向こうへと去って行きます。「シェーン、カムバーック」と開拓者の子が叫びますが、シェーンは戻りませんでした。そこに流れる「遥かなる山の呼び声」の切ないメロディーが当時は大変流行りました。

 シェーンにとって悪党のガンマンとの決闘は彼の人生で1度限りの事件だったのでしょうし、だからこそ「遥かなる山の呼び声」は切なく観客の胸に迫る事が出来たのでしょう。

 時は経ち、私が中学生から高校生の頃、テレビでは1時間物のアメリカ映画のシリーズが人気でした。西部劇では「ローハイド」、戦争物では「コンバット」です。「ローハイド」では主人公のフェイバーさんが毎週、人生に1度有るか無いかの事件に遭遇し、毎週、生きるか死ぬかのガンファイトを演じます。このパターンは「コンバット」のサンダース軍曹も同じでした。毎週毎週人生のピークを迎えるフェイバーさんやサンダース軍曹は、よくぞ死ななかったものです。

 実際の人生では毎週毎週人生に1度の事件に出会うことは有りませんね。テレビの視聴者が欲張りで毎週毎週人生に1度のワクワクを欲しがったのです。でも実際にはこんな事は起こりません。もし起こっていたらフェイバーさんもサンダース軍曹も、命が幾つ有っても足りません。

 人は毎週、人生に1度の楽しみを求めます。そしてそれが過ぎると、次には毎日と言う事になります。

 芋洗い坂係長という芸人を私は面白いと思いました。私は大爆笑したのですが、これを2度、3度と見ますと飽きてしまって、つまらないなと評価が下がってしまいました。芸人はひとつのネタを仕込むのに1ヶ月位は掛けるでしょう。ところがテレビの視聴者は1度同じネタを見てしまうと、今度は次のネタを期待します。これでは芸人も堪りませんね。テレビが芸人達のおしゃべりの場になってしまったのは、当然と言えば当然の事なのです。これがテレビでは無く演芸場でしたら客の方が入れ替わりますから、芸人も同じネタでしばらくは通用する筈です。いやいや、お話がそれてしまったようです。

 最近私は、自分にとって人生のピークは何時(いつ)だったのだろうか、どの1件だったのだろうかと考えます。日本ゴーシュ・ヨガ道場に入門した時かな、もっと前だったかな。先の妻を見送って3人の子供達を必死で育てていた頃かも知れない。こうやって人生を振り返って見るのは楽しいものです。だがしかし。

 「私の人生のピークはこれからやって来るのかな、いやいやもっと先、死んだあとかもね」と思うのもワクワクであります。



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携帯メール

2012年02月17日 | 日記
携帯メール

 私は携帯メールが嫌いです。PCとは文字の変換の仕方が違い、平仮名を漢字に変換するのはまだ簡単なのですがカタカナやアルファベットや数字に変換するのが厄介で、また入力ミスをした際に必要な文字を削除して不要な文字が残る事も有って、そういう時には作文を最初からやり直します。でも私が携帯メールが嫌いな第1の理由は、文字を打ち込むテンキーの文字が見えない事です。携帯の画面の文字は見えるけれどテンキーの文字が見えない。わざわざ老眼鏡を掛けないと作文が出来ません。ですから私は携帯を買い換えます時に、メール機能は外してもらっていました。

 昨年の秋に熊本で独り暮らしをしている母が入院しました。退院する迄の1ヶ月余り、私達兄弟3人は交代で熊本へ行って母に付き添いました。入院初日は「もう、駄目かもしれない」と思いました。2日目には設備の整った病院へ転院し、バイパス処置で顔から症状が消えました。3日目にはベッドから起き上がり、4日目には人の悪口を言い始めましたので、「これは間違いなく助かった」と確信しました。病院での処置やその結果や先生の治療方針等を夕刻に、東京で待機している兄弟に電話をします。最初こそ兄弟2人で当たりましたが、母の容態が落ち着いてからは1人が付き添い2人は東京で待機しました。ですから携帯メールの無い私は兄弟2人に同じ内容の電話をしました。電話が夕刻の1回だけならまだ良いのですが、事が有る都度に電話を掛けたり受けたりは結構手間が掛かり、ですから2度目に妻と2人で行った時には妻の携帯メールを使って2人の兄弟へ同時に連絡をしました。

 母が退院したあと、私は自分の携帯のメール機能を復活させる事にして妻と2人で携帯ショップへ出向き、メール機能の設定をやってもらいました。悪戯メールを防ぐ為に、PCからのメールは着信拒否にしてもらいました。

 帰宅した私は、先ず自分の3人の子供達のメールアドレスを登録する事にしましたが、PCからのメールは着信拒否にしたものですから、うちのPCに有るアドレスを飛ばせません。妻が、妻の携帯から3人のアドレスを送ってあげると言い、赤外線で私の携帯に飛ばしてくれます。私の携帯に「上書き保存をしますか?」と出ましたのでYESのボタンを押しますと、私の携帯の電話帳から3人を除く全てのデータが消えてしまいました。

 「うわあ、電話番号が全部消えてしまったよ、どうしてくれるんだ!」、私の頭と顔面は真っ白。電話帳の回復には相当時間が掛かりそうですし、大体、誰の電話番号が入っていたかもはっきりとは分かりません。私がパニクッていますと、妻が携帯ショップへ電話をしました。「買い換えられた以前の機種をお持ちでしたらそちらのデータを今の携帯へ復活させられます」と言いますので、私は妻と2人でショップへ急ぎました。ショップの女性は私の2つの携帯を預かって奥へ引っ込みました。しばらく待ちますと女性が戻って来ました。そして私の電話帳は復活しました。

 でも、私はまだ2人の兄弟のメールアドレスを登録していません。さっきと同じ方法で登録すれば、また同じ事が起こりそうです。「3人のメールアドレスを上書き保存にしたら他のデータが消えちゃったんですが」と聞きますと女性は事も無げに言いました、「3つのデータを上書き保存すれば、そのデータが元のデータに被さりますから元のデータは消えます」。罠のような仕掛けです。

 帰宅した私は2人の兄弟のメールアドレスを手書きで打ち込んで登録しました。ぐったりしている私に妻が言います、「あなたってパニクッたらもう駄目なのよ、私が居て良かったわね」。

 誠にその通りでありました。



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無線LANの恐怖

2012年02月10日 | 日記
無線LANの恐怖

 うちのPCの無線LANが故障しました。朝、PCを立ち上げますとグリーンのアンテナマークの上に黄色い三角形の注意マークが現れ、インターネットに繋がりません。勿論メールも同様です。

 うちの玄関の靴箱の上には電話の親機が乗っていて、電話線からゲートウェイ、モデムへとインターネットが我が家に入ってくるようになっています。そしてモデムの横に無線LANのルーターを置き、ルーターからインターネットを室内のPCへ無線で飛ばすのですが、どうもこのルーターが怪しい。私はPCのメーカーのコールセンターに電話をしました。コールセンターの男性が「あれをこうして下さい」「これをああして下さい」と指示してくれますので、私は言われる通りにPCを操作して見ます。終いに男性は無線を有線にして下さいと言います。有線のケーブルはどこに仕舞ったっけ、とあちこち探して見ますと、有りました。でも、有るには有ったけれどもケーブルが短い!寒い中を私はノートPCを廊下に出し、玄関の靴箱の前にしゃがみ込みます。男性は「これでインターネットが使えます」と言います。なんだい、PCを玄関の床に置ける訳が無いだろう、と不満でしたが私は男性にお礼を言って電話を切ります。とりあえずメールチェックだけをして、私はPCを元の部屋に戻しました。

 今度は無線LANのルーターのメーカーのコールセンターへ電話です。コールセンターの女性はやはり「あれをこうして下さい」「これをああして下さい」と指示してくれました。そして最後に「リセットボタンを押して下さい」と言い、私がリセットボタンを押しても状況は変わりませんでした。「これは間違いなく故障です」と言われたので私がお礼を言って電話を切ろうとしますと、女性は「うちには修理センターが有ります。電話番号を申し上げますので電話されては如何でしょうか」と言います。私は「有難う」と言って電話を切りました。修理センターに電話をしますと、男性が「宅配便でお引取り、修理をして宅配便でお届けになりますが料金は10000円です」と言います。私は「いやいや、ヤマダ電機へ行けば5000円も出せば新品のルーターが買えるでしょう、修理は結構です」と言って電話を切りました。10000円も出して修理を頼む人が居るのだろうか、不思議な事です。

 私は妻と2人でヤマダ電機へ向かいました。PC関連の売場で青年にルーターが欲しいと言いますと、青年はニコニコしながら「それならこれがお薦めです」と1500円位の製品を薦めます。ルーターはこんなに安かったっけ。私は3000円以上の製品を買う事にしました。「設定は簡単ですよね」と念を押しますと青年は「はい、簡単ですよ」と気楽に答えます。

 私は無線LANのルーターの設置設定をナメていました。2006年に初めてうちでPCを買った時に、プリンターの接続は私がやりました。私は無線LANの設定もプリンターと似たようなものだろうと頭から思い込んでいました。プリンターの接続の際には添付のCDをPCにインストールすれば終わりでした。でもプリンターは有線です。PCのUSB端子からプリンターへケーブルを繋ぎますので、プリンターとPCのペアリング(マッチング)はCDのインストールだけで出来たのです。でも無線LANは文字通り「無線」です。ですからルーターとPCとのペアリング(マッチング)はプリンターとは違うのです。PCを買った時にインターネットの設定はプロバイダーの「駆けつけ設置隊」のおばさんが有償でやってくれたのですが、その時に無線LANのルーターの設置設定もやってくれていました。今度はそれを自分でやるのです。甘かった。

 帰宅した私が買って来たルーターの箱を開けますと、ルーターの本体と一緒にCD-ROM、取り扱い説明書、そして新聞の1面くらいに広げる「つなぎかたガイド」が入っています。「つなぎかたガイド」は左上から右下へ作業手順を番号を振って、夫々図示して分かりやすく説明してあります。このフローチャートに従って作業を進めれば設定も簡単だろう。妻が「買い物に行って来る」と言いますので、私は「帰って来る頃には設定は終わっているよ」と送り出しました。

 先ずは古いルーターを新しい物に置き換え、PCとモデムの電源を切る。ルーターをモデムに接続したらモデムの電源を入れ、ルーターも電源を入れる。何々、ウインドウズXPの場合は「らくらく無線スタートEX」をインストールする。これは添付のCD-ROMの事だね。PCを立ち上げてCD-ROMをセットしますとPCに指示画面が現れます。指示画面に従ってインストールしてCD-ROMをPCから取り出し、今度はルーター側面の「らくらくスタートボタン」を長押ししてPOWERランプが緑→橙点滅に変わったらもう1度長押し→無線設定が終わったら緑点灯・・・出来た!・・・と思いきや。

 インターネットに繋がらない!

 私は上記の作業を何度も何度も繰り返しましたが、結果は同じでした。顔を真っ赤にしながら作業をしていますと妻が買い物から帰って来ました。「おかしいよ、変だよ」。横で説明書を見始めた妻が「リセットボタンを押して見れば」と言いますのでリセットボタンを押してからもう1度上記の作業をやって見ますと、腹が立つ事に、インターネットに繋がりました。しかし。

 そろそろうんざりしてきた私がもう1度「つなぎかたガイド」を広げて見ますと、なんと、裏面が有ります。裏面の右半分のスペースに「自動(らくらくネットスタート)で設定しよう」と書いてありました。「なんだい、これからかよ!」。

 何々、ルーターの電源を切り、ルーター側面の「らくらくスタートボタン」を押したままルーターの電源を入れるとPOWER、ACTIVE、AIRのランプが同時に緑色に点滅する。しばらくするとルーター前面のランプが以下5通りの中のいずれかの状態になるので、その手順に従って作業を続ける。ふんふん。

 パスワードの設定ね。ふんふん。工場出荷時のネットワーク名を入れる?これはルーターの側面にPINナンバーとして書いてありました。次にPCのスタートボタン→全てのプログラム→アクセサリ→コマンドプロンプトを出してENTERキーを押す。表示されたIPV4アドレスを確認して控える、これは「192.168.0.4」でした。そして、まだまだ作業は続きます。

 ①WWWブラウザを起動する。②アドレス欄に指定のURLを入力して「クイック設定WEB」の頁を開く。③管理者パスワードを画面に入力し、「設定」をクリックする。④ユーザー名とパスワードを入力する。⑤「OK」をクリックすれば設定終了。私はこの始めの所で立ち往生してしまいました。「ブラウザって何だ!」。説明書は不親切です。どうすれば「ブラウザを起動」出来るのかが書いてありません。それともPCを使う誰もが「常識」として知っているのだろうか。私はインターネットの検索用の窓に「ブラウザを起動する」や「ブラウザ」を打ち込んで検索して見ましたが、期待する内容が出て来ません。検索用の窓に②の指定のURLを打ち込んで見ましたが、アウト!万事休す。

 夕食の時間になりましたが妻が夕食の支度をしてくれません。「ここでやってしまわないと駄目よ!」。頭を抱えた私はPCに詳しそうな友人は居ないかと考えて見ました。MKはどうだろうか。彼は有名な広告代理店で活躍してきた男だから分かるかもしれない。MKの携帯に電話しますと、幸いにMKが電話を取ってくれました。「ブラウザって何?」「何してるんだい」「これこれしかじか」「お前が今見ている画面、それがブラウザだよ」「はあ?どうやって起動する?」「画面の一番上か一番下に窓が有る筈だよ」。「一番上にも一番下にも無いよ」「ある筈だ」「無いよ」。

 うちのインターネットの待ち受け画面はMSNです。冷静に待ち受け画面を見ますと待ち受け画面の枠の外、左上にMSNのURLの入った窓が有りました。「やった、これだ!」。「有難う、分かったよ」と電話を切り、私はMSNのURLを消し、そこに指定のURLを入れます。ENTERしますと、画面が開きました。今度は指定のURLの中の「X.Y.Z.」の所に、控えておいたIPV4アドレスの「192.168.0.」を打ち込んで置き換えます。「Z」の次には「4」が来るのですが、横で説明書を見ていた妻が「4の所に211と入れて見て」と言いますのでそうしますと・・・。

 やった!ブレイクスルー!

 ルーターの設定は終了しました。目には涙を浮かべ吐き気をこらえながら私は友人MKに電話をしてお礼を言いましたが、とんでもない恐怖の1日でした。インターネット環境は今の私にとって不可欠なものになっていますが、私はPCについてもインターネットについても、その理屈が分かっていません。只、何の疑念ももたずに日々PCを操作しているだけ。ですから何かが起きるとたちまちアウト。これって砂上の楼閣?

 現在の私の心境は「ノンちゃん雲に乗る」であります。









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外貨預金

2012年02月03日 | 日記
外貨預金

 この間大学時代の友人達6人でお酒を飲む機会が有りました。そこで友人MKに「これから円はどうなると思う?」と聞きますと友人MKは答えました、「短期的にはもっと円高が進むだろうけど、中期的にはさっぱり分からない」。利発なMKにして「さっぱり分からない」です。これはどうしたものでしょうか。

 現在1ドルは76円から77円で推移していますが、これから円がドルに対して安くなるにはどう言った要因が有るでしょうか。また、逆に円が益々高くなるにはどう言った要因が有るのでしょうか。円がドルに対して安くなる要因について私なりに考えて見ますと、すぐに3つばかり思い浮かびます。①現在は日本の貿易収支は赤字ですが所得収支が黒字なのでこれを総合した経常収支は黒字です。そしてこれから所得収支の黒字が貿易赤字をカバー出来なくなって経常収支が赤字に転落した時に日本の国力は弱くなったと判断されて円安へと流れは変わる。②日本政府が新規に発行する国債の引き受けを金融機関がしぶり始めると日本国債の金利が上昇して日本の財政悪化が表面化、そして円安の局面が始まる。③世界的に重要な地域で紛争が起こった場合、例えばホルムズ海峡が封鎖されるとかスエズ運河が封鎖されると言った事が起こった場合、日本はこれを軍事的に解決する事は出来ず、どうしてもアメリカの武力に頼らざるを得なくなる、つまり有事のドルと言う事になって円は安くなる。

 こう言った事態は近々起こってもおかしくはありませんね。そして一方で益々円高が進む要因とは何でしょうか。これはなかなか思いつきません。アメリカがドル紙幣をどんどん印刷すれば相対的にドルの価値は下がりますから、これはもう一段の円高局面と言えます。アメリカの景気が悪くなった場合、その時には日本の景気も悪いですから、これは駄目。EUの信用が低下してユーロに対してドルが高くなる場合はどうでしょうか。この場合にはユーロに対して円も高くなりますから、これも駄目。なかなか円高ドル安の局面が見えませんね。

 なんだかもやもやした気分になりますが、ここで視点を変えて、円安や円高は日本の国民の生活に対してはどう言った影響を与えるのかを考えて見ましょう。先ずは円安。円が安くなりますと輸出企業の業績は上がりますよね。でも、輸出企業は儲けたお金をなかなか労働者に分配をしません。一方で円安ですから輸入品の値段は上がります。石油の値段が上がればガソリンを始め石油から作られている製品は全て値上げになります。また、輸入される食料品も値上げです。国民の生活ににとって何も良い事は有りません。政府やマスコミが「円高は大変だ」と主張していますが、これは「嘘」です。

 円安は国産の食料品に対しても打撃を与えます。お米は元々高い。お肉は餌代が上がりますので値段も上がります。魚はどうでしょうか。漁船の燃料が上がりますから、お魚も値上げ。良い事は何も有りません。私としたら現在の円高水準が続いてくれと願うばかりです。

 私は外貨預金(ドル預金)をした場合にはどうなるのかを考えて見ました。1ドル76円の時点で外貨預金を組んだとしましょう。これが1ドル66円の円高に進んだらどうでしょうか。預金通帳の中では1ドル当たり10円の損になります。ここで私達の現実の生活を見渡して見ますと、円高が進みますので生活にかかる物価はより下がるか今の水準を維持するかになります。そして預金通帳の中身と現実の生活を通算しますと、これは私達の生活にはプラス、つまり多少円高に進んでもも問題は無い事になります。一方で1ドルが86円に値下がりした場合はどうでしょうか。預金通帳の中では1ドル当たり10円の得になります。ここで私達の現実の生活を見渡して見ますと、円安が進みますので生活にかかる物価は全てに於いて上がりますから国民の生活は困窮に向かいます。そして預金通帳の中身と現実の生活を通算しますと、これは私達の生活にはマイナスとなりますが、預金通帳の中で10円得をする分がインフレヘッジの働きをする事が分かりますね。

 政府の無策に一矢報いるべく、ドン・キホーテの如く、私達夫婦は夫々のヘソクリを同額だけ外貨預金(ドル預金)しようと決めました。1月30日に私達2人は繁華街へ出掛け、銀行に入りました。ズラッと並んだATM機械の向こうに案内のおばさんが立っています。おばさんに「外貨預金をしたいのですが」と言いますと「既に外貨預金をされていますか、それともご新規ですか」と聞かれます。「新規にお願いしたいのですが」と言いますと「2階へどうぞ、2階に係が居ります」と答え、エレベーターへ案内してくれました。

 2階のフロアに出ますと、ここにも案内のおばさんが居ます。用件を言いますとおばさんはB5版程のメモ帳を持っていて、「米ドルの外貨預金ですね、普通預金ですか、定期預金ですか」と聞きます。「ほお、外貨預金は定期預金だけかと思っていたが、普通預金も有るのか」。私は普通預金に、妻は定期預金でお願いしますと言いますとおばさんは素早くメモを取り、私達に番号札をくれ、「今日は混んでおりますので番号をお呼びするまでお待ち下さい」と椅子を勧め、元の場所に戻って行きました。

 20分程待ちますと番号を呼ばれました。2人でカウンターへ行きますと、30才くらいの窓口担当の女性が居て、その後には35才くらいのサポート担当の女性が居ます。窓口担当が「どう言ったご用件ですか」と聞きますので、「さっきお話ししてメモにしてもらったんですが」と答えますと、彼女はさっきのメモを持っていました。

 「新規の外貨預金のお申し込みですね」と言ったサポート担当が「米ドルでの投資信託は如何ですか」と投資信託を勧めます。昔は証券会社でしか出来なかった投資信託が規制緩和で銀行でも出来るようになったので、銀行は投資信託の実績が欲しいのでしょう。私は「投資信託では無く外貨預金をお願いします」と答えました。

 窓口担当は普通預金よりも定期預金を勧めたいようです。「2月1日からキャンペーンが始まりますから、もう1度2月1日にいらっしゃれば、定期預金ですと3ヶ月間だけ、年利4%の利息をお付け出来ます」と言います。例えば100万円を定期に組めば、年利4%の4分の1の1万円をプレゼントしますよと言う事のようです。「もう1度出直すのは嫌だから、それは結構です」と私が答えますとサポート担当は少し驚いて、「金利よりも為替の変動で利益を考えておられるのですね」と言いました。「為替差益が欲しい訳では無く、インフレヘッジをしたいのです」と私が答えますとサポート担当はきょとんとした顔をしました。

 窓口担当は口座の開設には3つの方法が有りますと言います。第1にはカウンター窓口での対面での開設です。この方法だと、円をドルに、またドルを円に換える際に、片道で1ドル当たり1円の手数料が掛かると言います。また、為替相場は銀行が開店する午前10時時点の相場をその日1日間、固定して扱うのだそうです。

 第2に、PCのインターネットから入っての口座開設が出来ますと言います。一旦家に戻ってインターネットから口座を開設するのだそうで、この場合は両替の際の手数料が片道20銭しか掛からないとの事です。「カウンター窓口を使わないので人件費を節約出来る分だけ手数料が安くなる訳ですね」と私が言いますと、サポート担当はうなずいて見せます。そしてこの場合も為替相場は午前10時の相場が1日固定されると言います。

 第3の方法は携帯での口座開設です。両替手数料はPCの場合と同じく20銭だけれど、為替相場は固定では無いと言います。携帯での取引きですと、刻々と変動する為替相場を取引きの時点に反映出来るのだそうです。携帯メールも苦手な私が「携帯はどうもねえ」と言いますと、サポート担当が「私達は携帯で取引きしていますよ」と言い、窓口担当もうなずきました。そして、第1の方法だと通帳を発行しますが、第2、第3の方法だと通帳は発行しませんと言います。

 私が会社に入った頃の銀行窓口の女性と言えば、算盤(そろばん)が得意で身元のしっかりした女性というイメージが有ったのですが、最近の女性達は凄いですね。

 究極のアナログ人間である私達夫婦は、結局は第1のカウンター窓口での普通預金の口座開設をお願いしました。帰宅して一息ついた頃、妻が「今日は時代の最先端で働く女性達を見たわねえ」と言います。日頃はお年寄りばかりの街でのんびりと散歩などをしている私達に、この日は新鮮な刺激を与えてくれました。










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