横浜の司法書士安西雅史のブログ

2011-01-23湘南国際マラソンで初のフルマラソンに挑戦しました。

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不動産登記事件備忘録

2013-10-19 | 業務日誌

下記サイトにて,日々取り扱う不動産登記業務を中心に実務上の問題点などを記しております。

よろしければご参照下さい。

http://www.shihou-anzai.com/blog.html







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受験時代に使っていた書籍

2011-11-25 | 実務ノート


昨日自宅の本棚を整理していたら、司法書士の受験時代によくお世話になった参考書籍の一つ「民法 判例実戦演習」(東京法経学院出版/1998年発行)が奥の方から出てきました。


かれこれ12.3年くらい前に使っていたわけですが、なんだかとても懐かしいです

中身はかなりボロボロです


で、やたら付箋やチェックマークのついているページがいくつかあったのでその箇所を読んで見たら、ちょうど前回書いた内容と類似の事例がありました。


「最判昭40・05・04」

判示事項
 滅失建物の登記を新築建物の所有権保存登記に流用することの可否。

裁判要旨
 滅失建物の登記をその跡地に新築された建物の所有権保存登記に流用することは、許されない。

本書解説には、<登記された建物が取壊し等により滅失した後、跡地に新たに建物が築造されたときは、旧建物について滅失登記を行いその登記記録を閉鎖し、新建物について建物表題登記をして新たな登記記録を設けた上、所有権保存登記等の権利に関する登記をすることになる。上記判決は、このような手続を経ない新建物の登記は、当事者の事情いかんに関わらず、無効となることを明らかにした点に意義がある。>とあります。
※<>内一部修正。

ところで、登記記録と実体との食い違いが後に是正され、登記記録が実体に符号する結果となった場合の類型として、以下の三つが挙げられます。

(1)実体を欠く無効な登記が、後に実体と符号するに至ったという類型
(2)実体関係が一度消滅し無効となった登記を、当事者が類似の別の実体関係に流用する類型(ex:弁済により消滅した抵当権を、他の債権を担保する抵当権に流用する場合等)
(3)上記(2)の類型と類似するが、個々の登記の流用でなく、特定の不動産のための登記記録の全部を他の不動産の登記記録として流用する類型


これらの類型に対し判例は、(1)については、第三者との関係でも有効と判示し<最判昭29.1.28>、(2)に関しては、原則として無効とするが<最判昭6.8.7>、・・・中略・・・流用を合意した当事者間では有効とする<最判昭37.3.15>等、問題となる状況を考慮に入れて判断する余地を認めています。そして(3)については、一貫してその効力を否定しています<最判昭40・05・04>。
これは、2)と異なり、登記記録自体の流用は、二重登記を生じる可能性や不動産の特定についての混乱を招くおそれがあり、不動産登記制度の基本構造に反するからとされています。


まあ、実務をよく知らなかった受験時代にはイマイチ理解できなかった論点で、当時本試験で出題されたら捨問として処理していたと思いますね。。

久しぶりに受験時代の書籍を眺めてみると懐かしく新鮮な気持ちになりますが、果たしてあの時の知識が今どれだけ頭の中に残っているのか、ちょっと不安にもなります




参考文献

民法 判例実戦演習 司法書士 判例・先例実戦演習シリーズ1
(東京法経学院出版/1998年発行)

判例サイト

・仮装の売買契約に基き所有権移転登記を受けた者がその後、真実の売買契約により所有権を取得した場合とその登記の対抗力
(最判昭29.1.28)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=57258&hanreiKbn=02

・流用された抵当権設定登記について当事者が無効を主張できないとされた事例
(最判昭37.3.15)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=74303&hanreiKbn=02

・滅失建物の登記を新築建物の所有権保存登記に流用することの可否
(最判昭40・05・04)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=56275&hanreiKbn=02




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増改築した建物の同一性について

2011-11-18 | 業務日誌


建物の所有権移転登記を申請する際に、対象の建物の登記記録の内容が評価証明書の内容と大きく食い違っていることがたまにあります。先日扱ったある登記手続では、登記の対象となる建物(以下「A建物」。)の登記記録には<木造瓦葺平家建 床面積○○平米 昭和 年 月 日新築>とあり、依頼者が用意したA建物(と考えられる)評価証明書には<木造スレート葺2階建て 当初建築年 平成 年 月>と記録されており、また、摘要欄に増築等の記録はありませんでした。

さて。悩ましい

これはホントに同一の建物なんだろうか、疑問が沸きました。。

たとえば、A建物は既に取り壊しており、滅失登記がされておらず、平成 年に新しい建物(ex:A’建物)を建て替えたというケース。もしそうだとすれば、存在しない建物について所有権移転登記をしてしまうことになり、しかも登記の原因となる法律行為が、現在のA’建物でなく、滅失しているA建物に関して行われたとあれば、非常にマズイことになります

依頼者に確認しても、相続などのケースで当時の資料がなく詳しい事情はわからないといった場合は、要注意だと思います。


因みに、登記された建物の一部を取り壊し、その部分に増築した場合、建物の同一性が認められるなら「増築による建物表題変更登記」をすることになりますが、同一性が認められない場合は、増築部分について新たに「表題登記」をすることになります。ただこれらに関しては、登記手続上の明確な基準はなく、判例等を参考にして、個々の事案ごとに慎重に判断していく必要があります。



~参考判例~

<事件名>
家屋明渡請求
<裁判年月日>
昭和50年07月14日
<判示事項>
建物の改造によるその物理的変化と新旧建物の同一性の有無
<裁判要旨>
建物につき改造がされ、物理的変化が生じた場合における建物の同一性の有無については、新旧の建物の材料、構造、規模等の異同に基づき社会観念に照らして判断すべきであり、右建物の物理的変化の程度によつては、新旧の建物の同一性が失われることもありうる。

サイト
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/js_20100319130403562444.pdf

以上。



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フルマラソンの結果

2011-11-04 | My Runs


SNSなどで既に報告していますが、先週の日曜日に行われた<第三回しまだ大井川マラソン>の結果です。




地味なタイムですが、一応サブ4を達成できたことは良かったと思います
いろいろと応援してくださった方ありがとうございます。

レース前、調子は悪くなかったので、もしかしたら・・・という気持ちもありましたが、フルマラソンにまぐれはないと実感しました

レースで実力を発揮できないことはあっても、実力以上のものが偶然に出ることは決してないようです。

ところで、本番前に読んだ本の中に、<フルマラソンでは、あらかじめ自分で設定した距離毎のペースをレース本番でいかに正確にトレースできるかが重要である。>とありました。また、<20キロまでとにかく抑えて我慢の走行を続け、20キロを越えたらリミッターを外しペースを上げていき、25-30キロで大会自己最速ラップをたたき出す。これがレースマネジメントの最重要ポイントである。>ともありました。

前半飛ばしすぎて後半失速するランナーの話はよく聞きますが、今回のレースは、前半を抑えたわりには後半以降もペースアップ出来ず、勝負所もなくそのままゴールに辿り着くような格好だったので、上に書いてあることを次回の課題にしてみようと思います。








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行政区画変更に伴う登記名義人の住所変更登記(その2

2011-10-25 | 実務ノート

昨日書いた内容の記事に以下のコメントを頂きました。


>これにより、変更されたと思います。

「行政区画の変更に伴う登記名義人等の住所の変更に係る登記事務の取扱いについて(通知)」:平成22 年11 月1 日付法務省民二第2759 号 

要旨
1.登記名義人の住所の変更の登記について

(1)登記名義人が登記簿上の住所から他の住所に移転したのち、移転後の住所について区制施行などの地番変更を伴わない行政区画の変更が行われた場合に、一つの申請で登記名義人住所変更登記を申請する場合の原因は「年月日住所移転、年月日区制施行」

(2)上記の場合に、行政区画の変更に係る市区町村長等の証明書を添付したときは、登録免許税5条5号により登録免許税は非課税




おっしゃるとおり、上記の平成22年通知により昨日取り上げた「昭和48年回答」は、効力を失ったと考えてよさそうです。
ありがとうございます。

ところで、ついでにもう少しまとめてみますが、昭和42年当時の先例に<住所変更と住居表示実施による変更登記とを1件の申請書でする場合、登録免許税は課税されない。>とする回答(昭和42年回答)があります。これは、登記名義人が住所移転を繰り返しつつ最終の住所の変更が住居表示実施なら、いわば中間省略の登記として、住居表示実施後の住所のみが登記事項となり、当該変更登記にかかる登録免許税は、登録免許税法第5条4項により非課税となるという趣旨です。

他方で、昭和48年回答の趣旨は<行政区画の変更に関しては、旧不動産登記法第59条で規定されていた行政区画等の変更に関する「みなし規定」が存在するため、・・(中略)・・登録免許税を課税する。>といったもので、昭和42年回答の例外を示したものと考えられています。

そして、上記の平成22年通知により、昭和48年回答は効力を失ったと考えれば、原則的な取扱いである昭和42年回答より登録免許税の課税の扱いを考えることになりそうです。


以上


参照文献 登記研究755号


参考

住所変更と住居表示の実施による変更登記とを1件の申請書でする場合の登録免許税登記名義人が住所の変更の登記をしない間に住居表示の実施による住所の変更を生じ、その登記を1件の申請書でする場合の登録免許税は、課税されない。(昭42.12.14、民事甲第3447号民事局長回答)





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行政区画変更に伴う登記名義人の住所変更登記

2011-10-24 | 実務ノート

 先週、ある登記事件で住所変更登記を申請した司法書士から受領証がきていたので、内容を確認したところ、

原因「錯誤、昭和年月日行政区画変更」

登録免許税「金0円」
とありました。

 登記名義人の住所移転とその後の行政区画の変更にかかる変更登記については過去の登記研究で何回か取り上げられており、特段目新しい論点ではありませんが、実際に申請したことがないので、備忘録としてまとめてみます。

 まず、登記名義人が住所を移転したにもかかわらず、その変更登記を申請しない間に、地番変更を伴わない行政区画の変更(※1)が生じた場合、当該登記名義人の住所変更登記を一件で申請する場合は、登録免許税を徴収するものとされています(昭和48年11月1日民三第8187号民事局長回答)。これは、登記名義人の住所のうち行政区画にかかる部分は、登記上、当然に変更されたものとみなされることから、その変更登記にあっては、住所移転にかかる事項のみが登記事項となり(原因は「年月日住所移転」のみ。)、登録免許税を徴収するものとされています。

 ところが、平成17年に施行された新不動産登記規則92条の行政区画の変更に関する<みなし規定>は、条文の構成上、<権利に関する登記>について適用されない規定ぶりとなっているため、権利に関する登記については、当然に当該行政区画が変更されたものとみなされないことになります。その結果、登記名義人の住所移転後に行政区画の変更があり、その登記名義人の住所変更登記を一件で申請する場合は、原因に「年月日住所移転、年月日行政区画変更」と並記して、添付情報として市町村作成の行政区画の変更を証する情報が提供されていれば、当該変更登記の登録免許税は、登録免許税法第五条第五号の適用があり、0円(非課税)となると解されています(※2)。




(※1)地番変更を伴わない行政区画の変更とは、区の変更や市町村合併、区制の施行等によって、例えば「横浜市戸塚区和泉町」が「横浜市泉区和泉町」へ、「相模原市○○町」が「相模原市A区○○町」へと、区のみが変更されるような場合を指します。
(※2)これによって、上記昭和48年の回答が変更されたか否かについては、明らかにされていません(参照文献登記研究748号.755号)。



条文

不動産登記規則
(行政区画の変更等)
第九十二条  行政区画又はその名称の変更があった場合には、登記記録に記録した行政区画又はその名称について変更の登記があったものとみなす。字又はその名称に変更があったときも、同様とする。
2  登記官は、前項の場合には、速やかに、表題部に記録した行政区画若しくは字又はこれらの名称を変更しなければならない。





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秋の大会いろいろ

2011-09-16 | My Runs


先日、仕事中にわたしの携帯に家内からこんなメールが来ていました。


(さっき幼稚園で今度の運動会の種目を決めたんだけど、父親リレーにあんたの名前でエントリーしておいたからよろしくね!)と。


さらに続くメールには、クラス対抗リレーでかなり盛り上がるらしく、娘はもちろん娘の友達もその父兄もみんな応援するんだから頼むよ!!と。:-O


ウチに帰って家内に、何人のリレーで自分は何番目を走るのか、どれくらいの距離を走るのか、等を聞いたら詳しいことは知らないと。orz

娘の幼稚園の運動会は10月10日開催予定のようですが、今年から通い始めたので私たち家族にとって今回が初めての参加となります。


さて、運動会のかけっこだけでなく、10月から秋のマラソンの大会がいくつか始まります。

わたしが10月にエントリーしている大会だけでも、10.2「第22回東日本国際駅伝」と10.30「第三回しまだ大井川マラソン」があります。

ともに初出場で、「東日本国際駅伝」は(1区5K-2区5K-3区2K-4区3K:全15km)を神奈川の司法書士メンバーで4チーム(16名)を編制済み。わたしは1区5キロを走る予定です。会場は相模原の米軍基地内ですが、ふだん入れない区域なので新鮮な感じがします

「しまだ大井川」は自身2回目のフルマラソンになりますが、1月の湘南国際マラソンのときに感じた走行中の苦痛や走りきったあとの達成感も今じゃすっかり忘れてしまっています。なんでまたフルマラソンを走ろうと思ったのか自分でもよくわかりませんがw、目標を決めて42.195キロ走りきれば、またなにか見えてくるような気がします。。















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契約者兼被保険者と指定受取人との死亡の先後関係について

2011-09-14 | 実務ノート

 以前にもこのブログで取り上げたことがありますが、「保険」に関しては、旧商法中に定められていた「保険」に関する規定が見直され、2010年4月1日より新たに「保険法」が施行されました。

 昨日NHKの「ラストマネー」というドラマで、生命保険の契約者兼被保険者である夫と保険金受取人と指定された妻とが車の運転中に事故に遭い亡くなった場合、夫の死亡に伴う生命保険金は誰に支払われるのか、という話がありました(二人の間の子もこの事故で亡くなっており、夫・妻側の両親はいずれも健在という設定です。)。

(前回書いた内容がちょっと中途半端だったので、自分用にまとめてみます。)

さて、上記の結論は双方の死亡時刻の先後で異なってきますが、契約者兼被保険者を夫、保険金受取人を妻として、

1)夫(先)→妻(後)の順番なら、通常とおり保険金は妻へ渡り、妻側の両親がこれを遺産として取得することになると考えられます。

2)妻(先)→夫(後)の順番なら、保険法第46条の規定が適用されることになり、保険金は妻の相続人である夫(ただし、夫も後に死亡しているので、その権利承継者としての相続人である夫側の両親)と妻側の両親とがそれぞれ取得することになります。そして、その取得割合ですが、下記最高裁判決では、法定相続分ではなく、民法427条の規定の適用により平等の割合になるものと解すべきであると判示しています(平成5年09月07日 最高裁判所第三小法廷)

3)では、夫と妻とが同時に死亡した場合、又は双方の死亡の時間的先後関係が不明の場合は、どのように考えればいいのでしょうか。この場合も、上記と同様に保険法第46条の規定が適用されますが、妻の死亡の時点で夫は生存していなかっため、夫側の両親が保険金を取得する余地はなく、妻側の両親のみが保険金を取得することになります(平成21年06月02日 最高裁判所第三小法廷)。


※各生命保険会社の約款に上記と異なる定めがあれば、それに従うことになります。
※この裁判例は改正前商法676条2項に関するものですが、保険法46条でも同様の結論になることが予想されます(第一東京弁護士会東日本大震災に関する情報「震災関係Q&A」より)。
参照サイト http://www.ichiben.or.jp/shinsai/qa/qa7.html#qa5


以上


参考

民法
第五節 同時死亡の推定
第32条の2 数人の者が死亡した場合において、そのうちの一人が他の者の死亡後になお生存していたことが明らかでないときは、これらの者は、同時に死亡したものと推定する。

保険法 
(保険金受取人の死亡)
第46条  保険金受取人が保険事故の発生前に死亡したときは、その相続人の全員が保険金受取人となる。


平成5年09月07日 最高裁判所第三小法廷
一 商法六七六条二項にいう「保険金額ヲ受取ルヘキ者ノ相続人」とは、保険契約者によって保険金受取人として指定された者の法定相続人又は順次の法定相続人であって被保険者の死亡時に生存する者をいう。
二 生命保険の指定受取人の法定相続人と順次の法定相続人とが保険金受取人として確定した場合には、各保険金受取人の権利の割合は、民法四二七条の規定の適用により、平等の割合になる。


平成21年06月02日 最高裁判所第三小法廷
生命保険の指定受取人と当該指定受取人が先に死亡したとすればその相続人となるべき者とが同時に死亡した場合において,その者又はその相続人は,商法676条2項にいう「保険金額ヲ受取ルヘキ者ノ相続人」には当たらない。


改正前商法 
(保険金受取人の死亡と再指定)
第676条 
保険金額を受け取るべき者が、被保険者以外の第三者である場合において、その者が死亡したときは保険契約者は、更に保険金額を受け取るべき者を指定することができる。
2 保険契約者が、前項に定める権利を行わないで死亡したときは、保険金額を受け取るべき者の相続人をもって保険金額を受け取ることができる者とする。








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嘱託登記と登記識別情報

2011-09-03 | 業務日誌

先日私のブログを読んで下さった方からあるお手紙を頂戴致しました。
私と異なる立場でお仕事をされている方からの貴重な体験やご意見が書かれており、大変参考になるものでした。お気遣い、励ましのお言葉を頂きありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。


さて先月、ある不動産売買で複数の土地を売却するにあたり、一つだけ登記識別情報が見あたらないとの相談を受けました。売主本人は、この物件に関しては自分で法務局行って登記手続をしたこともなく、司法書士へ登記を依頼した記憶もないとのことでした。早速、その土地の登記情報を調べてみたら、ごく最近の日付けで「横浜市」から買って登記をしたことが判明しました。

ところで、官庁・公署から土地を購入した場合の登記手続については「嘱託」によってなされるので、買主本人が登記手続をすることはありませんし、司法書士が登記の代理人となって登記することもありません。そして、嘱託登記完了後に登記権利者(買主)へ通知される登記識別情報は、官庁・公署の嘱託者へ通知され、その後遅滞なく、買主へ通知されることになります。

つまり、官庁・公署が登記権利者のためにする登記の嘱託の場合には、官庁・公署が登記識別情報を登記権利者に必ず交付することを期待して、登記所から官庁・公署の嘱託者に通知されることになります(cf:債権者代位による登記手続の場合)。

以上

※(メモ)これと類似の事例で、民事執行法第82条第二項の規定による申出があった場合の同項の「被指定者」への登記済証の交付の可否につき、登記インターネット6巻1号。




参考

登記インターネット6巻1号

条文
不動産登記法

(官庁又は公署の嘱託による登記)
第116条  国又は地方公共団体が登記権利者となって権利に関する登記をするときは、官庁又は公署は、遅滞なく、登記義務者の承諾を得て、当該登記を登記所に嘱託しなければならない。
2  国又は地方公共団体が登記義務者となる権利に関する登記について登記権利者の請求があったときは、官庁又は公署は、遅滞なく、当該登記を登記所に嘱託しなければならない。

(官庁又は公署の嘱託による登記の登記識別情報)
第117条  登記官は、官庁又は公署が登記権利者(登記をすることによって登記名義人となる者に限る。以下この条において同じ。)のためにした登記の嘱託に基づいて登記を完了したときは、速やかに、当該登記権利者のために登記識別情報を当該官庁又は公署に通知しなければならない。
2  前項の規定により登記識別情報の通知を受けた官庁又は公署は、遅滞なく、これを同項の登記権利者に通知しなければならない。



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遺言の執行いろいろ

2011-08-19 | 実務ノート

月刊誌登記情報(第597号)の「判決速報」の中に、司法書士立会の下に作成された公正証書遺言が認知症により遺言能力を欠き無効であるとした東京高裁の判決がコメント付で紹介されています。実務上、非常に興味深い判決ですが、その解説中、参考文献として「月報司法書士2010.7月号」が取り上げられていたので、本棚から探して再読してみたら、これが実務に役立つ有益情報満載の内容でした(^^

本号は「死後の法律問題」を題材にして様々な考察を加えていますが、専門家が公正証書遺言の作成や執行に関与する場合の留意点や、実際に司法書士が遺言執行者に就任した場合に立ちはだかる諸問題とその対処方法等がケース毎に掲げられています。

たとえば、遺言執行の前に相続人から遺留分減殺請求を受けた場合の遺言執行者の対処方法として選択肢は以下の3つが考えられるとあります。

1.遺留分の争いが解決するのを待って、執行する。

2.遺留分侵害額を算定し、遺産から遺留分権者に遺留分相当分を渡して、残りを受遺者に引渡す。

3.遺言どおりに受遺者に遺産を取得させ、あとは、当事者全員の問題とする。

実際に自分が執行者となりこのケース ―実務ではこれが一番大変とあります。― に当たったら、どう対応すべきか、悩ましいところです。

また、いわゆる「清算型遺贈」では、相続登記の際に戦災等で戸籍類が焼失している場合の扱い(cf:相続人から登記手続の協力が得られない場合)や、相続登記後の売買における法定相続人への譲渡益の課税の問題など、現在、自分が扱っている身近な業務として非常に参考になる内容でした。

以上。


参考

「月報司法書士2010.7」

・公証人からみる遺言と司法書士からみる遺言(公証人加地誠先生)
・遺言執行(司法書士松井秀樹先生)
・他








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夏季休暇のお知らせ

2011-08-05 | お知らせ

当事務所では、8月10日(水曜日)から8月14日(日曜日)までの期間を夏季休暇とさせて頂きます。
この期間のお問い合わせ・ご連絡は、メールにてお受けいたします。

Mail info@shihou-anzai.com

お問い合わせ頂きました件につきましては、8月15日以降に順次ご回答致します。
尚、回答をお返しするのにお時間のかかる場合がございますが、ご了承いただきますようお願い申し上げます。


司法書士安西雅史



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青島広志さん主催のコンサートへ行ってきました。

2011-07-31 | 雑談

7月最後の日曜日


 テレビ「題名のない音楽会」や「世界一受けたい授業」等でお馴染みの音楽家青島広志さん主催のコンサートが、今日、私の地元公会堂で開催されました。コンサートの内容は~親子で歌って、聞いて、踊って楽しむ!~といったもので、今日のコンサートを娘だけでなく私も家内も期待していました。

 開演時間となり青島さんが舞台に登場すると、途端に会場内の空気は一変。あっという間に会場全体が青島ワールドに引き込まれ、気がつけば子供だけでなく大人も一緒になって「となりのトトロ」の歌を歌いながら踊っていました

 会場内はウチのも含め小さい子供連れがほとんどで、静かに音楽鑑賞できるような状況ではなかったですが、青島さんは会場内の空気を上手くコントロールし、笑いをとりながらプログラムを進めていました青島さんの冴え渡るピアノパフォーマンスとキレのあるトークは、終始私たちを楽しませてくれました。青島さんの生パフォーマンスは圧巻で、やはり評判どおりの一流のエンターティナ―だなと実感しました










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建物分割登記と登記識別情報

2011-07-14 | 実務ノート
質疑応答(登記研究363号166頁)

 不動産登記規則128条2項による附属建物分割後の建物については、権利に関する登記済証は存在しないので、所有権移転等の場合には保証書の提出を要する。

 これは今月号の登記研究に再掲されていたものですが、個人的には、調査士の受験勉強を始めるまで全くノーマークの論点でした(^^;前回の続きとしてまとめておきます。


 附属建物を主たる建物より分割すると、分割後の建物について新たに表題部が設けられ、権利部の相当区(甲区・乙区)には、分割前の建物の登記記録から権利に関する登記が転写され、かつ、分割登記申請の受付年月日及び受付番号が記録されます(規則第102条1項、同128条1項)。土地の分筆登記と同じ扱いです。

 もちろん、分割後の建物について登記識別情報は通知されませんので、分割後の建物の移転登記をする場合は、分割前の建物について既に通知されている登記識別情報を利用することになります。


た・だ・し

 分割前の建物において、分割する附属建物が所有取得の登記後に登記されているとき(たとえば、主たる建物の所有権保存登記後に、附属建物を新築したケース)は、分割後の建物の登記記録に権利に関する登記は転写されません(同128条2項)。

 ということは、分割後の建物の登記記録には、分割前建物の所有権取得の登記の受付年月日や受付番号は転写されず、従って、このケースで分割後の建物の移転登記を申請する場合は、分割前の建物について既に通知されている登記識別情報を利用することはできず、不動産登記法第23条で定める「事前通知等」による手続で行うことになります。


参考 登記研究760号「実務の視点(30)」 


不動産登記規則

第128条  
1.第102条及び第104条第1項から第3項までの規定は、前条第1項の規定により甲建物からその附属建物を分割して乙建物とする建物の分割の登記をする場合について準用する。
2.登記官は、分割前の建物について現に効力を有する所有権の登記がされた後当該分割に係る附属建物の新築による当該分割前の建物の表題部の登記事項に関する変更の登記がされていたときは、前項において準用する第102条の規定により当該所有権の登記を転写することに代えて、乙建物の登記記録の甲区に次に掲げる事項を記録しなければならない。
一  分割による所有権の登記をする旨
二  所有権の登記名義人の氏名又は名称及び住所並びに登記名義人が二人以上であるときは当該所有権の登記名義人ごとの持分
三  登記の年月日




以上φ(・ω・ )



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トランクルームの名義変更手続き

2011-07-01 | 業務日誌


以前、某マンション内にあるトランクルーム(約三平米)をマンションの住民同士で売買したので、その登記手続を依頼したいという相談を受けたことがあります。

対象のトランクルームは、売主(A)が現在住んでいる専有部分(ex:101号室)の「附属建物」として登記されており、このままでは売買は成立しても、それに基づく買主(B)への所有権移転登記は出来ません。従いましてまずはじめに、登記上、このトランクルームを101号室から切り離して、一つの独立した建物として登記する必要があります。この場合の登記手続を「建物分割登記」といいます。

この登記手続は、たとえば、ある人に相続が発生し、「母屋」(主たる建物)と「離れ家」(附属建物)をそれぞれ別の相続人が相続する場合などにも利用されます。

さて、実務上、とっても悩ましいのは、例えば、母屋に対する別棟の浴槽・物置のように、社会通念上、専ら主たる建物に従属する建物であって附属建物としてのみ存在する建物(従属的附属建物)は、それ自体1個の独立した建物としての要件が備わっていないため、建物分割登記により一つの独立した建物として登記することは認められないとする見解があります(登記所でも判断の分かれるところだと思います)。

しかし、このような従属的附属建物であっても、他人に所有権を移転し、他人の建物の附属建物として登記するためなら、そのような建物分割登記は受理しなければならないとされています(Q&A建物表示登記の実務(下)参照)。

従って、上記のケースではトランクルームに独立性はありませんが建物分割登記の対象となり、分割登記後に所有権移転登記を申請することによって、トランクルームの登記名義はAからB名義へと変更されます。

以上。

※上記のようなケースでトランクルームの登記名義をAからBへ変更しておかないと、もし将来、Aが101号室を第三者へ売ったときは、トランクルームも一緒に移転登記されることになりますので注意が必要です。

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ところで、区分建物として登記された附属建物が、専有部分の属する一棟の建物と別の棟に属する場合、当該附属建物の「構造欄」に登記される事項は、当該附属建物が属する一棟の建物の所在、構造及び床面積並びに当該附属建物の構造、となります。

こんな感じです。






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大人も楽しめるパズルゲーム

2011-06-25 | 雑談

先週、4歳になった長女の誕生日プレゼントにこんなオモチャを買いました。



木製パズル日本地図
学研
評価



パズル遊びをしながら日本地図を覚えようって商品。

長女はパズル遊びが好きらしく、最近は朝起きると幼稚園行くまでの間、これであそぼう~と私に言ってきます。

で、実際に遊んでみると、都道府県の位置のみならず県境やピースでイメージできる各県の大きさ(形)、さらに県庁所在地まで明記されていて、なかなか興味深いオモチャだと思います。

また、普段、小説なんかを読んでいて「備前」「備後」とか「因幡」「但馬」など自分にとって馴染みの薄い「地名」(旧国名)が出てくるたび、自分の地理の知識の乏しさを感じていたので、ある意味いい機会です。

娘は地名を覚えることよりパズルそのものを楽しんでいる様子ですが、地図にも興味があるらしく、そのうち関東地方くらいは覚えるかな~って感じです。

因みに、もう一つセットで買ってみましたが、こっちは70ピース以上あって(アフリカだけで40ピース近く)、中には聞いたことのない国名もありちょっと刺激的です





木製NEWパズル世界地図

学研




ま、どちらかというと私が楽しんでいます。。









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