おはようございます。
昨日までのお疲れモードから一転、シャワーも浴び・・朝食も食べて元気一杯の状態です
頭がクリアになったところで、例の「早期剥離」事件に関して考えてみました。
今回の事件に関して、様々なブロガーの先生方が意見を書かれていますので、詳細な検討に関しては先輩ドクターの皆様方にお任せして、僕は違う視点から考えてみたいと思います
まず、書き始める前に、これから生まれてくるはずだった「希望」と愛する「妻」「娘」を失われた御家族のお気持ちは「完全な理解」とはいえないまでも、共感するところは多くあります。
だって、そうでしょう?この事件が起こる数日前までは「希望」に満ち溢れて、恐らく「子供の名前」を決めたりだとか、子供用品を買ったりだとか・・・いろいろなさっていたと思うのです
それを考えれば、そういった一つ一つの事柄が、残されたご家族の「何故なんだ!」という思いに繋がる事は「共感」できるのです。
今回は各先生方のBlogを見ていると、なんとなく「情報」が入り乱れているようなので、ご家族の不信感などが募っていっているのかもしれません
情報が不確実なのでなんともいえませんが、一つ思うのは「母体死亡率:4~10%、児死亡率:30~50%」というのは非常に高い数値であり、「妊婦の死亡」が不適切な処置で生じたと言う話になれば医療は更に萎縮するかもしれません。
さらに病院側が適切な処置を行ったと考えています。これが「医療事故」だと思うのであれば、何故このような事が生じたのか、システム上の問題を考えるべきではないでしょうか?
「医療事故」として、今回「刑事」事件に発展しかけているようですが、適切な処置を行っていると考えている「病院」が、「24時間以内の死亡」で「結果が重大」であったから、「届出」を行った。
この状況(すぐに届出をした)の中、刑事介入が行われれば・・・当然ながら「第3次試案」の「届出規定」に基づいて届出を行えば、様々な分野で刑事訴訟になるかもしれません。
もっとも、「白血病」で戦っている方と「妊婦」さんでは遺族の感情が違うかもしれませんが・・・・。
しかも、「第3次試案」で様々な調査をされたものが「システム上の解決」ではなく、「医療訴訟の資料」として使われる可能性が示唆されている以上、この制度を受け入れることは医療従事者にとって難しいのではないかと思います。
静岡の「胎盤早期剥離」の件、ご遺族に対しては深い哀悼の念を・・・としか申し上げられません。
しかし、この件で現実として認識させられるのは「第3次試案」をもっと改善しなくては、「医療崩壊」まっしぐらである・・・ということです
静岡「早期剥離」事件を通して、第3次試案の改定、第4次試案の作成が必要であると考えられる方は、応援をよろしくお願いいたします
http://blog.with2.net/link.php?602868
個人的にはこの件に関して、医療訴訟が起きたとしても「医療事故」とされる事はないと考えていますが、医療そのものに対する影響が大きすぎるように思います。
死亡率10%という10人に1人がなくなる可能性がある疾患を救命できなかった事で訴えられたのであれば・・・・ほとんどの急性疾患での死亡は、訴えられる可能性があることを示唆しています
もちろん、妊婦さんと「患者」さんとでは状況が異なるかもしれませんが、死亡率10%は非常に高い数値なのです。
この件はしばらく注目してみていかなくてはならないものだと考えています
追記:
はじめ報告がなされていなかった件が、あとから報告されているなどの指摘もあります。
個人的にはこれは仕方がないのではないかと思います。大きな組織ですら「事件」が起きれば、最初の報告以外にも後からさまざまな報告が出たり、訂正されたりしました。
医師が患者さんへの説明の際に、「あの事が後から付け加わった」ために訴えられるとすれば、今後どのように説明していけばよいのでしょうか?
組織であっても・・・・個人的には「最初の報告」のあと、状況がある程度まとまってわかってきたり、整理されたりしてから「最良の報告」が来るのではないかな・・・と考えています。特にこういう突発的なものであればあるほど・・・・。
では、失礼します