Belle Epoque

美しい空間と、美しい時間

「伊勢神宮」、日本成立の秘密。

2009-10-02 | trouver...日本不思議発見
伊勢神宮の特徴。

【A】拝殿がない。→つまり入れない。(拝めない!)
【B】神宮寺がある。(「神社」の中に、「寺」?)
【C】手摺に、中国建築の影響がある。

以上3つが、伊勢神宮に行く前に、おさえておくべきポイントです。

伊勢神宮は、
「いつ」
「誰が」
「何のために」
建てたのか?
を理解してから行くことが、日本理解のキーとなります。

上の答えを書きますと、

「いつ」・・・5~7世紀には存在していた。699年に正式改装され、成立が記録されている。
「誰が」・・・持統天皇(女性)。
「何のために」・・・これが【A】に繋がってくるのですが、天皇ひとりのために、天皇が拝むために作った神社であります。だから、天皇以外は入れない。

そして、重要な点は、伊勢神宮がアマテラス大神を祀った神社であること。
アマテラスは女性とされ、持統天皇もまた女性です。
女帝の権威づけのため、人為的に作られたと読み取ることができる。

それはひとまず置いておき、【C】の事実がまた衝撃的です。
建築家・磯崎新氏の見解で、「伊勢神宮正殿の手摺には、火焔文様のついた珠玉の色彩配置があり、道教由来と見られる。」とあり、「純日本様式」といわれていた伊勢神宮に中国の影響があったと発覚。


ところで、日本書紀によりますと、「タカミムスヒ」という聞きなれない神が主神として登場しています。
「アマテラス」は主神でなく、「タカミムスヒ」の並列神であり、「タカミムスヒ」が主神である とされているのです。でも、多くの人は知りませんよね。私も知りませんでした。(大学、国文科ではありながら。)
「アマテラス」にはなじみがあるわれわれ日本人ですが、では「タカミムスヒ」は、なぜ“隠されて”きたのでしょうか?
それは、「タカミムスヒ」が朝鮮から来た神だからです。
一方「アマテラス」は弥生時代からの日本の土着神であります。
日本書紀においては、「タカミムスヒ」と「アマテラス」が婚姻を結んだとされており、
・・・ということは、アマテラスを先祖とする天皇家には、朝鮮と日本の血が半々に流れている といえるのです。

持統天皇の頃、すでにその血統は確立されていたといえます。
韓国・北朝鮮サイドでは、「天皇家は朝鮮人である」という声もあるそうですが、それも正しくない。純血ではないのです。
もとは豪族から生まれ出た天皇は、内資系(代表:物部氏、土着系)と外資系(代表:蘇我氏、おそらく朝鮮系)の混血である というのが、理屈に適います。
「神武天皇以来、万世一系、125代」とされてきた天皇家を否定する事実ですので、意図的に、巧みに隠されています。


そうすると、上【B】の理由にも思い当たります。
北インド→中国→朝鮮のルートでやってきた仏教を日本へもたらした外資系(朝鮮系)豪族(蘇我氏)。
土着神を祀る内資系豪族(物部氏)。
こうして「神仏習合」は、伊勢神宮にも見られるのです。
ただし、注目すべきはその割合。
敷地内にほんとにちょこんとだけ寺がある、というところに神道の勢力、まだそんなに勢いがない仏教を感じ取ることができるそうです。
同じ頃に建てられた上賀茂神社との違いは、ここにあります。
時代を経て、はじめはくっきり分かれていた「寺」と「神社」の融合していくさまを、京都に集中する建築物に読み取ることができます・・・。


さてそれでは、「日本という現象」の答えは、どこにあるのでしょうか。

【1】「日本」という国はどこから来たのか?
【2】「国王」はどこから来たのか?
【3】「国語」はどこから来たのか?
【4】「国神」はどこから来たのか?

この問いが、それを明かします。

【1】・・・7世紀後半(持統天皇)に成立。それまで、倭国、大和と呼ばれていました。ちなみに、持統天皇は、父を天智天皇に持ちますが、父の弟にあたる天武天皇と婚姻を結んでいます。①天智天皇②天武天皇③持統天皇の順に統治された歴史がありますが、7世紀のこの頃に、日本の原型があるのです。

【2】・・・天皇という概念も、7世紀にこうして成立しました。それまでは、「倭王」・「大王(オオキミ)」という呼び名でした。

【3】・・・外国から。ウラル・アルタイ語由来、というそれまでの説ではなく、南インドのタミル語に類似系があるといわれています(大野晋東大教授)。

【4】・・・「タカノムスヒ」が意図的に隠されています。現在は「アマテラス」のみに照準があてられています。

つまり、日本というのは、

≪北インドの宗教(仏教)≫
   ↑
≪朝鮮の血統≫
   ↑
≪中国の文字≫ecriture
   ↑
≪南インドの言語≫parole
   ↑
≪日本の風土≫

がこの順に積み重なったものと言えるのです。


以上のことを踏まえて、伊勢神宮にいくと「日本」の答えが見えます。
今月、行ってこようと思っています。
(母いわく、2歳のときに既に行っているそうですが、もちろん憶えていない・・・。)


3 コメント

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すごい! (shio)
2009-10-02 23:43:03
miさん、こんばんは。たくさんのことを教えていただきありがとうございます。知らなかったことばかりでした。
朝鮮の影響という点は特に興味深く読みました。
また、建築に中国の影響が見られるという点もおもしろいです。この点、伊勢神宮の親戚の?霧島神宮でも強く感じました。

私が今年の春に行ったときはお参りして赤福食べて伊勢うどん食べて・・・、というのんきなものでしたが、miさんご夫妻にとっては広くて深い知識と考察に基づくたいへん興味深い研究旅行になるのですね。
初秋の伊勢は気持ちいいでしょうね、どうぞよい旅を!
行ってきます! (shioさま(mi))
2009-10-03 06:51:27
つまるところ「純日本」というものがないのだ、
という事実に、私もビックリしました。
言葉も神も血すじも、日本独自のオリジナリティを示すものはほとんどない、、、とても衝撃的でした。

ありがとうございます。楽しみに行って参ります!
天照大神 (迷宮案内)
2016-06-16 21:51:53
照は則天武后の幼名です。そのため鎌足が作ったのが内宮。
「中」とはインド・越族が信奉した「ナ-ガ神」を表記するため作られました。
中国とは「ナ-ガ神の国」の意味です。
藤原本家には神代文字で書かれている春日文書がありますが公開はされません、しかし分家の九鬼家は九鬼文書を一時公開しました。

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