僕はチーズケーキ

piece of cheesecake

薬師見平

2005年10月28日 20時06分21秒 | 日常
夏休み、薬師岳にいってきた。
と、以前書いたように思う。
本当は薬師岳にもいってきたんやけど、それはついでのようなもので本来の目的地は「薬師見平」という湿原だった。
TV番組のロケの取材アシスタントとして同行させて頂いた。
この取材アシスタントのバイトは同じ研究室のY君に紹介してもらった仕事で、彼が研究室で他の友人たちとそのことを話しているところに、僕が首をつっこみ参加することになった。

ちなみに、この薬師見平はめったに人の訪れない、っていうかめったな人じゃないと行けない場所らしく、TVカメラが潜入するのも今回が初めてだったそうだ。

一緒にいったメンバーは、ガイドの志水哲也さん、番組の主役のIさん、TV局のプロデューサのYさんとディレクターのTさん、富山医科薬科大学登山部のO君、友人のYくんと僕の計7名。
僕と友人の2人は本格的な登山はまったくの初めて。
初めての登山なのに、TVカメラの入ったことのないところにいくからちょっと面白かったり・・・。本人たちはそれまでハイキング気分で「楽しみだなぁ」とかうれしそうに話していたくらい。
けど、いざ登りだすと2人で回りに迷惑のかけっぱなし。
一緒に行ったメンバーの方々が優しくてよかった。本当に・・・。

日程は
 初日 :TV局→折立→太郎平→薬師沢
 2日目:薬師沢→高天原小屋
 3日目:休養日(台風のため)
 4日目:高天原→薬師見平
 5日目:薬師見平→高天原
 6日目:高天原→雲ノ平→太郎平
 7日目:太郎平→折立→TV局→家
とまぁ、こんな感じ。
本当は8日目からも山関係の取材でいろいろいってきたのだけど、それはまた今度。

初日はただ歩くだけだったのだけど、登山初心者でもあり標高1000m以上にいったことのない僕にとっては、かなりの重労働。
特に、折立から太郎平までは一気に1000m登るような感じだったので、かなりしんどかった。

2日目は薬師沢から高天原まで行くだけでそれほどしんどかったとは思わないけど、それでも周りの人の足を引っ張っていたのは間違いない。
3日目。台風接近のため「休養日」となったけど、本当はこの日も行動する予定だったそうだ。後から聞いたけど、プロデューサ以外はみんな口をそろえて
「あの日は休んでおいてよかった・・・」
と言ってた。

4日目、4時出発でいざ薬師見平へ。
途中(歩いて1時間程度)までは前日の休養日に散歩程度で行っていたからよかったけど、その先から悪夢のようなやぶ地獄が待っていた。
というのも、今回のコース的には「昔、「高天原新道」という登山道が走っていたけど、今は廃道になって道もなくなってしまった。その道をたどって薬師見平へ行こう。」というような内容で、道がないんだからやぶの中を突き進むのは当たり前なんだけど、そこまで考えてなかった初心者は絶句。
けど、戻るわけにもいかないから、ただただ前にくらいついて歩いていった。
ヤブ漕ぎ(やぶの中を進むこと)で何が大変かというと、平坦な場所でのヤブ漕ぎなら全然楽なんだけど、手を離せば「落下、そして死。」というような急斜面でのヤブ漕ぎだったので脚力はもちろん、腕力をかなり使い相当疲労があった。
ヤブ漕ぎで斜面を登って、そのあと斜面を下って、沢に出る。
それが5回ほどあったけど、1つの沢に出るまでが2~3時間。
「沢は水もあるし、楽だろう」とか思ってたけど、2つ目の沢だったろうか、土砂崩れがあったのか激しく斜面が崩れているところに出てしまった。
やってきましたロ~プダウン!
朝からハーネスという固定器具?をつけさせられていたので、もしやと思っていたけど本当にやることになるとは・・・。
それまでも、ヤブ漕ぎ中でも落下防止のためにハーネスにザイル(ロープ)をつけていたけど、このときほどハーネスのありがたさをわかったときはなかった。
初登山で30mのロープダウンなんてすごい経験だ、今思いだしてもすごいと思う。
そんな命がけの「ファイト一発」を何度も何度もして薬師見平についたのは18時ごろ、14時間の行動。
「やっとついた~」とそこで、座り込んで休みたいところだったけど、太陽が沈む前に撮影を済まさなきゃいけなくてあわただしく撮影。
一息つけたのは、太陽も沈んだ19時過ぎ。

翌5日目は朝6時ごろに出発し、行きとは違うコースで帰ったこともあり10時間ほどで高天原に帰ることができた。

6日目は雲の平経由で太郎平まで、7日目は太郎平から折りたてへ。
ちょっとおなか痛くなってたりはあったけど、薬師見平までいって結構実力がついたのか、6日目7日目はすごい楽だったように思う。

この7人で登ったのはこの1週間だけで、初日や2日目なんかは「同じペースで登ってる他人」のようにさほど会話がなかった。
けど、休養日のリラックスムードと薬師見平での命がけの2日間でパーティーの仲も親密になり、6日目には笑いの耐えないパーティーになってた。
志水さんをはじめ、メンバー全員からいろんなところで助けていただき、いろんなことを教えていただいた。
もうこのメンバーで登ることは2度とないだろうけど、またいつか機会があればご一緒させていただきたいと思う。
僕が登山に興味をもつきっかけとなった1週間でもあり、大学入学当時から「立山を登りたい」と願っていた夢がかなった1週間でもあった。
しかも、ただ観光地をまわるような登山ではなく、プロの登山家と一緒に登山のベテランと一緒に普通の人じゃ行けないようなところにいけた。
Iさんに言わせて見れば、「普通の人の10年分くらいの経験」ができたそう。
まさにその通りで、これからどんな登山をしても物足りないんじゃないだろうか・・・。

写真の集合写真は今年の1番の思い出の写真かな。





番組のホームページはこちら
主役のIさんのホームページの薬師見平に関するページはこちら

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2 コメント

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一週間かけた登山って・・・ (ちき)
2005-10-29 12:42:31
よくぞご無事で!

すんごい大変そう。

体は大丈夫だった?
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すごく (さとる)
2005-10-30 00:46:11
つかれましたけど、怪我とかはなかったですね~。

ただ、靴擦れで足の爪はがれました!

いまだ、爪はありません!(涙
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