トウキョウ◎アワー

ふるさとの自然が、愛しい。
懐かしいとよく似てるけど、ちょっと違う。
帰りたいと思うか、思わないかだ。

カビ ビデオ

2008-05-31 01:19:17 | Weblog

弟から夜中に電話。
なんや、こんな平日のなんでもない日に。


「どうした?」
「おう、ねーちゃん、ビデオテープが見つかったぞい!」


それはあたしが探していた8ミリビデオテープ。
ちょっと前にお父さんに依頼していたんだけど
「難易度10」とか言って、ぜんぜん見つからなかった。

しかしついさっき、つり道具をタンスから
ひっぱりだしてる途中に見つけたそうな。


あたしん家は、裏山の竹林が津波のように
迫ってきているんだけど、そのせいかとっても湿気を持ちやすい。

だもんだから、なんでもかんでもすぐカビる。
一番山に近い弟の部屋なんて、、、ご臨終である。

そんな家から見つかった、もう10年以上前のテープなんて
そりゃ相当やられているわな。

「ねーちゃん、やっぱカビとったわ(笑)」


・・・・

でもきっとトウキョウに持ってきたらなんとかなる!はず!!


おかっぱでちんちくりんのあたしが見られる日もそう遠くない、、はず!!!




魂のアツい人

2008-05-29 22:56:35 | Weblog

「『俺は負けへんで。』

 こう言って役員室のドア、
 バターンって閉めてきた。
 ほんまはそのあと、
 ものっすごい放心状態やったんやけどな。」



強い人だと思う。
逆風が吹きまくってる中、
虚勢を張ってでも
血まみれになっても
這い上がろうとしている人の言葉。


仕事にプライドを持ち、
自分の生き方にも自信があり、
なんだかとっても自分の父さんを思い出すんです。


その人から
「お前、ドキュメントやりたいんなら、
 ほんまにこれから俺の力になってくれよ。
 絶対やぞ!」


そう言われちゃ、がんばるしかないじゃない。 
あたしは女だけど、女だと不利な世界だけど、
やってみるしかないと、思っています。


たとえ、前例がないとしても。





遠くにいる君へ。

2008-05-21 21:34:44 | Weblog


黒い点が集合しただけの
メールの文章でさえ、
どうしてこんなに君を感じるのだろう。


古い思い出の中にいる君と、
変わらぬ今の君を見つけてほっとするんだ。


以心伝心とは、
血のつながりだけではなく、
恋人だけでもなく、
大切な人すべてに起こるもの。


届け、想い。


祈りは天や神よりも
人の心に届きやすい。


届け、想い。



RE:

「なんとなくですが、予感がよぎりました。
 当たった。おめでとう!!」



どうしても大切にしたい人がいます。
人生の節目に立ち会ってほしい人がいます。


幼馴染をずっと続けてくれて
ありがとう。




父の肖像

2008-05-07 17:30:49 | Weblog


プチ博打が好きな父は
庭に植える木花も
花札から考える。



1月 松に鶴
2月 梅にうぐいす
3月 桜に幕
4月 藤にほととぎす
5月 菖蒲に八ツ橋
6月 牡丹に蝶
7月 萩に猪
8月 ススキに月・雁
9月 菊に盃
10月 紅葉に鹿
11月 小野道風にカエル 柳にツバメ
12月 桐に鳳凰


これを今度新しく作る庭に植えるんだと。
さっそく玄関先に小さな藤の鉢。


父の一言
「ニーキュッパやったぞ。」
母の一言
「どこで拾ってきたんかと思った。」


華道の師範免許を持っているらしい母から
ズブッとやられても、めげない父。
「次は牡丹が欲しいんや。」


誕生日に贈ってあげようかな。



かえる

2008-05-07 17:20:51 | Weblog


ボロ車を、
土地だけはある実家の
なんでもないスペースに停める。
ここに東京のハーモニカ横丁くらいは建つと思う。

テールランプも消す。
あたりは藍色と水音と、
ちょっと聞こえる生活音しかない。

ドアを開けて外に出ると
一斉にかえるの大合唱がこだまする。
ゲコゲコとかわいく聞こえればいいけど、
水田からいっせいにあがる声が山に反響して
地鳴りのように体を揺らしてくる。

そして初夏独特のむせ返るような緑のにおい。
苗床とか、たけのことか、新緑がまぜこぜになって
濃い空気になる。

空には当たり前にある星空。


私の故郷。






農道と泥んこ車

2008-05-07 17:01:50 | Weblog
「ジムニーは汚いほうがいいんや。」

そんなことはないと思うが、
そういう考え方も父らしい、と
実家の泥はねがついたボロ車を借りる。

久々のマニュアルなので
ギアチェンジするたびに、奥歯には妙な力が入る。

窓はもちろんハンドル式で
ぐるぐると力をこめて回すと、
初夏のきもちいい風がぶわーっと入ってきた。


まっすぐな農道をひたすらまっすぐ、65キロで走る。

水が張られた田んぼには
田植えをするおっちゃんたちが
ゴム長をはいて精を出している。

青々とした苗が、
まだ泥に浸かっているだけのように風で揺れている。
もうちょっとしたら、立派に根を張るのだろう。