射るような光

心の澱を捨てながら時々音楽話 特にヘヴィ・メタルとプログレの日々

出会い

2017年03月20日 | 多次元な恋人(ほぼノンフィクション)
あなたはあの夏の日
ステージで歌っていた
私の大好きなレインボーの
「キャッチ・ザ・レインボー」を歌っていた

正直 あまりうまくはなかった
本家のロニー・ジェームズ・ディオの様に
地声の高音があまり出ない
普通の男性よりは出る程度
ファルセットだととても綺麗に出ていた

でも カッコ可愛い

小柄なあなたは目立っていた
綺麗な顔でロニーの手の振りを真似て

それはまるで妖精の様だった

あなたが宙に浮かんで見えた

私にとって大事な人との出会いは
その人の周りの空気が光り
その人は浮かんで見え
私の体には電気が走る

その時もそうだった

大音響の音の波の中で
ステージは終わっていた

あなたはメンバーのギタリストと
楽屋横の通路の喫煙所で
煙草を吸っていた

私は一緒に行っていた友人に引きずられながら
あなた達二人の方へ
連れて行かれた

彼女は話しかけたかったのだ
私をダシにして
全く洋楽を知らなかったから

そしてその時初めて知ったのだ
彼女があなたを気に入っているのを

一瞬 私は軽い衝激を覚えた
二人の前で私を突きながら
「この子ギターさんの方ばかり
見ていたんですよ」

嘘だった
当時から私はギタリスト好きで
おまけにリッチー御大をご尊敬申し上げていたが
その時はボーカルのあなたに惹かれていた

ギタリストは当然リッチーもどき
そしてそのまま私はギタリストの方へ
押し付けられた
何を話していいのかもよくわからず
彼が話しかけてくるのに対して
にこやかに答えていた

ーいくつ?
高1ぐらい?2?
もしかして大学生かな?
そう言えば〇〇駅前で見かけたことがあるよ
君のこと
目が印象的だから覚えてたんだよ

始まった…
どうせ嘘でしょ 覚えていたなんて
こんなブス捕まえて
目の話から適当な事を言って

私は当時落ち着いて見えていたらしく
中学3年に見られた事はなかった
そして男女問わずに
目の話をされることがしばしばだった
大人からもよく言われた
自分で言うのも照れるが
ぱっちり二重で睫毛も長く
何も化粧していないのに
アイラインをひいている様な目だった

私は目の前の人に少しときめいたが
次のライブのチケットを売ってもらえれば
それだけで良かった
だから素直に答えた

ー中3です

目の前の人は絶句していた

ーえー!大人っぽいね
ーそちらはおいくつですか?
ー高2
ーん?もっと上なのかと思いました
19ぐらいかと思って見てました

そんな気のない会話をしていた

隣で話している友人とあなたの会話が
気になって仕方がなかった
二人は意気投合していた
気が気ではなかった

しかし 時々あなたの目線を感じていた
数回目が合ったと思う

私とギタリストの気のない会話は
いつしか次のライブの話になった
レインボーが大好きな私に
彼は食いついてきた

あっという間に
あなた達との会話の終わりの時がきた
結局 目の前のギタリストと電話番号を交換した
友人はあなたと交換していた

私は軽い絶望を覚えた

あなたとの出会いは
希望と絶望の時間だった

後に二人が付き合う事になり
ー初めて会った時
ステージ上から客席にいた君を
ずっと意識していたんだよ

そうあなたに言われるまで
それから2年以上の時間が必要だった


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