射るような光

心の澱を捨てながら時々音楽話 特にヘヴィ・メタルとプログレの日々

いい加減な人

2017年06月17日 | 多次元な恋人(ほぼノンフィクション)
★お目にとめて頂きありがとうございます。
これは続きものになっておりますので興味を持って頂けたら
「多次元な恋人(ほぼノンフィクション)」カテゴリ―から順番どおりに見てやって下さい。お願いします★

昨日、あなたに別れを告げたのに
あなたの無事を
朝起きてすぐに祈るのが習慣になっていた私は
またしていた

惨めだなぁ
違う女の子と付き合う元彼の無事を祈るなんて

そんな喉の奥がキュッと詰まるような
重たい気待ちで起き上がった

学校が始まるまでどう過ごそう
そして学校が始まるまでにどうやって
最近の流行を頭に入れよう

私が進学する専門学校は
ファッションにも関係する職種の専門学校だった
ファッションが好きではあるが
私は常にその情報は
海外発のものを仕入れていたので
日本で流行っているものに疎かった
大流行しているものはよく知っていた
しかしanan止まりだった
寧ろ流行通信の方が好きだった
後はモアやコスモポリタンなど
ターゲットが少し上の人達向けの
雑誌しか見ることはなかった
女子大生や若いOLさんに人気の雑誌は
手に取った事もなかった

それから2日後
ファッション雑誌なら何でも目を通していた I に
SOSを出すことにした
雑誌を数冊借りてきて目を通したが
どうしてこんなに同じスタイルばかりなのかなぁ
ページをめくる度にそう思った

あなたと別れた事実は心の中の
殆どを占めていたが
表側ではなく奥底にまで及んでいたので
逆に日常では目先の事が先に来ていた
来ていた、と言うより
自分からそのようにしていた

雑誌を何冊か見た後に
洋服とバッグや靴を買った方がいいと判断した
ファッション系の専門校ではなかったので
どういう方向かわからなかったのだ
初対面の集団から外れる勇気はなかった
それまではそういう事を避けて
自分の好きなようなスタイルで好きな事をしていたが、逆に迎合してみようか
そんな気持ちも生まれていた

早い話が変わりたかったのだ

入学式を終えて登校第一日目に
自分のクラスに行くと
日本中から集まっていたせいか
明らかに今まで知っていた雰囲気ではなかった
同じクラスには北海道以外のあちこちから
入学してきた高卒以上の人達が
70人弱集まっていた
担任の説明だとそのうちの3分の1くらいの生徒が
6月頃までに辞めて行くという事だった
夏休みが終わると更に、残った生徒から4分の1位の生徒が辞めるという事だった

私はそこから、更にもう一つステップアップする為に入学していたし、月謝も半分はバイト料から出すことになっていたので、担任の話しを聞いてただただ驚いていた

登校二日目からは数日に渡って
自己紹介のスケジュールになっていた

そこにお互いに惹かれ合う人がいた
入学してくるまで彼もバンドマンだった
高校卒業後1年間、アルバイトをしながらバンドに専念していたが
もう一つの夢も諦め切れなくて
親に頼み込んでその学校へ入学してきた
私は彼の先輩の好みだったので、紹介したいと言われたのが普通の友人より更に親しくなった最初だった
友人関係になって1ヶ月程でそう言われた
その後、5月の半ば頃になって
先輩に紹介すると思ったら凄く悔しくなってきた
どうも好きになったみたいだから
付き合ってほしいと言われた

私は内心複雑だったが、悪い気はしなかった
とてもあなたを忘れる事なんて出来そうになかったが、先に進みたいというのも本音だった
しかし、その彼は明らかにモテる人だったので、付き合い出したら振り回されそうだった

すぐに返事は出来なかった

1週間、時間がほしいと伝えたら
そういう事に時間はいらないと言われた
断っても毎日言うから逃げられないからと
言われた
その強引さや自信があるところも新鮮で
私の恋心に火が着いた
彼に惹かれ始めていたので、遅かれ早かれそうなっていたのだろう

学校は1年間だった
その時から私は彼に振り回されながらも、4ヶ月後にはプロポーズをされた

彼は、プロポーズを機に目に見えて束縛が激しくなった
最初から浮気し放題で、それは男性にまで及んだ
バイセクシュアルだったのだ
私は同性愛者も異性愛者も両方でも、全く偏見はなかった
最初から聞かされてはいたが、実際に男性と浮気をされると肩の並べようがないので、味わった事のない敗北感を感じさせられた
彼にとって私は当然別格なのだが、反対に私には彼に対してそれまで以上に忠誠である事を要求してきた
自分は良くて私はダメなのだ
それどころか、束縛をしてくる

彼の感情の移り変わりは激しく、私もまるで助長されるように起伏が激しくなった
口調や行動には出してこないのだ
淡々と話してくる言葉がこちらへの爆弾であったり、愚痴であったりした
私は激しく傷ついた
浮気はいいから、もっと二人の時間を大事にしてほしいと何度も頼んだ
バンドマンと付き合うのは3人目だったせいか、浮気には鈍感になっていた
わきまえない女性への対処の方法も心得ていた
して欲しくないのは当たり前だし口に出してもいたが、私が彼女であると言うことは誰にでも公表していたのでそれで納得していた
お金も私にしか使わなかった
浮気する時は、お金は持って出なかった
家で待つのは私であった
それが全てだった

彼は同性の友人達との時間を第一にしていた
それは良かったのだが、そこに浮気の時間を入れてくるので結局私と過ごす時間は少なくなる
秋も深まった頃、耐えられなくなった私は彼に話した
あなたの行動には耐えられないと
彼はそんな事を言い出す私が信じられない、なら別れると簡単に言った

全く、想像もしない答えだったのであまりに驚いて暫く何も話せなかった
30分程過ぎた頃、やっと話せた

ー帰る

それしか言えなかった

私の自宅近くの喫茶店で話していたので
お店を出て徒歩で歩いていた

その私を彼が追いかけてきて
ーごめん、お前の後ろ姿を見ていたら胸がキュンとなったよ
俺、愛してるって感覚今まで知らなかったみたいだ
一緒にいて気を使わないのがそういう事だと思ってたのに、違うみたいだ
お前を一人には出来ないし、もう泣かせたくない
だから、別れないでくれ、お願いだから

そう言われ、胸のに奥にあったものが吹きだしてきた
それは涙となって溢れ出てきた

ー嫁さん、お前だけだから

そう言って人目もはばからず
抱きしめてキスをされた

私は彼に対してはいつも迷子の心境だった
安心する事がなかったのだ
抱きしめられてホッとしたのもつかの間になってしまうんだろうな
頭の隅にその思いが居座っていた

そして彼の事ではなくて、
あなたとならこの状況はどうなったんだろう
そんな想いまで湧き上がってきた

彼の仲間は私の仲間でもあった
その仲間達は事あるごとにつけ私に言った

ーあいつはいい奴だけど、心底いい加減だから早く別れた方がいい
Tサンをあいつが離したくないのは、あいつにとっての唯一の正しいことなんだろうけれど、その犠牲になって寂しと辛さを我慢することはないだろう

仲間達は殆ど男性だったが、私の寂しさと辛さはわかっていてくれた
彼へ直接進言してくれる友人もいた

しかし、彼には響かなかった
響かないどころか、反対に罵倒した
人にとやかく言われる筋合いはないと
本人には直接言わないで、私を介して言わせた

私はどんどん壊れていった
それなのに彼を深く想っていた
あなたの事は愛したままだったが、彼の事は別のところで想っていたのだ
大好きだった

それなのに寂しさと辛さばかりが募っていく

また、全てが嫌になりかけていた




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