射るような光

心の澱を捨てながら時々音楽話 特にヘヴィ・メタルとプログレの日々

初日の出

2017年05月14日 | 多次元な恋人(ほぼノンフィクション)
★お目にとめて頂きありがとうございます。
これは続きものになっておりますので興味を持って頂けたら
「多次元な恋人(ほぼノンフィクション)」カテゴリ―から順番どおりに見てやって下さい。お願いします★

初日の出行き当日
あなたは早めにうちへ来たいと電話でしてきた
早めに来て何処かへ行くのかと思ったら
車の中で路駐してその時間を過ごそうと言うのだ

ーどれくらい早めに来るの?

ー1時間ちょっと

ーえ?それじゃあ寒いでしょ、絶対に
だってうちを出るの3時半くらいでしょ?
2時くらいに来るって事だよね?
でも何で早めなの?

ーうちさぁ 大晦日にみんな出かけちゃうんだよ
夕方から
だから一人でいたくないんだよね

ーじゃあその前から一緒にいればいいじゃない?
初詣はいつも行くんだから
付き合う前から一緒じゃない大晦日と元旦は

ー今年はSがいるから行かれないでしょ
 一緒には

ーあっ・・・そうか ごめんなさい

ー忘れてたんだ
 しょうがないなぁ もう

ー今回はだめでもきっとすぐに大丈夫になるから

ーそうだといいけれどね

ーはい・・・

あなたの言葉には諦めが漂っていた
私は怖くなったけれど それを無くそうと違う言葉を探した

ーでも それなら初詣に一緒に行ってそのまま時間までみんなと一緒にいたらいいんじゃない?

ー俺と一緒にいるのが嫌なの?

ーそんなわけないじゃん
 ずっと一緒にいたいに決まってるでしょ

ーなんかやたらに寒いとかって連発するよね

ーそれはね その場所に行くまで A一人で運転じゃん
 渋滞もあるのに疲れさせたくないからだよ
 いつもなら大晦日から朝までみんな一緒だったじゃん
 私とか女子組みは帰されちゃってたけれど
 なんで今回はもんな一緒にいないの?
 それがなんとなく気になる

ーえ? それはさぁ Sは初詣でのあと彼女を迎えに行ってそのまま
 待ち合わせまで彼女の所にいるし 
 ほかの奴らも寒いから一回帰るっていうだもん

ーそうか Kくんち毎年ハワイだっけ

ーそう 年末年始はKはいないじゃん
 そのうえ今回は居場所がないよ みんなが一緒にいられる所がない
 初日の出に行くから酒も飲めないじゃん
 時間を潰す所がない

ー私は全然構わないよ

ーじゃあ2時過ぎでいい?

ーいいけれど車は厳しいから うちに入って行くまで待っていればいいじゃん
 親父いないから
 ママだけだから

ーえー 悪いじゃん お母さん寝られないでしょ
 俺がいたら

ー大丈夫だよ
 Aのことは認めているんだし
 
ーほんとにいいの?

ーうん でもAが嫌なら無理にとは言わないよ
 私完全防寒で行くから

ーそこまで寒くないでしょ

ーそうか じゃあとりあえずうちで待つことにしようよ

ーわかったよ じゃあ2時に行くからうちの前に出ててくれる?

ーはい じゃあ待ってるね

ーうん じゃあ後でね

ーはい 後でね

私がSの事を忘れて初詣の事を言ってしまったので
緊張した空気になってしまい
どうしようかと浮き上がって話していたが
和やかに電話を終える事ができてほっとした

電話を切るとすぐに 母に今夜の了解を得に行った
母は父がいない時に私の彼氏をうちに上げるのは 
気がすすまないとは言ったが
車の中で1時間も過ごす方がもっと良くないと言って
しぶしぶ了解してくれた

私は 初日の出行きに持っていくサンドイッチの材料を買いに出た

その後はいつのように過ごし 11時ごろにサンドイッチを作り
12時前に母と二人で氏神様に初詣に出かけた
近くのお寺の除夜の鐘を聞きながらお参りを終え帰宅した

二人でテレビを見ながら時間を潰していると すぐに時間になった
午前2時前に家の前に出た

あなたは2時5分前にやってきた
路駐してもいい所へ車を停めうちへ入った
そして 今度は3人でテレビを見ながら時間を潰した

しかし間もなくして母が居眠りを始めた
大晦日も自営業者は忙しいのだ
母は日中の疲れが溜まっていたようだった

ーねぇねぇ お母さん疲れているみたいだから寝てもらったほうがいいんじゃないの?

ーそうだね
 じゃああっちの部屋へ行こう
 先に行ってて

あなたは隣りの部屋へ移動した
私は母に声をかけて寝る事をうながし
出かける時には何も言わずに出て行くからと告げた

隣りの部屋にはテレビがなかったので
話をしながら時間を潰した

ーところでどこで待ち合わせしているの?

ー〇〇駅のロータリーでSとMたちの車2台と合流して
 そこから〇〇駅でW達と待ち合わせして 計4台で向かう事になっている

ーそれで富士急には何人で行くの?

ー俺とMたちとR 

ーん?高校時代の?Rって

ーそう

ーそうなんだ やっぱりそうなんだ

ー何?それ

ー何でもないよ

ーそこで私と会わせようとしたんだ

ーそういうわけじゃないよ

ー別にいいんだけどね
 でもSもWくん達も行かないんだ 結局
 
ーそう 女性は元旦からそういう所へは行きたくないらしい
 Tさんだけじゃなかったよ 嫌だって言うのは

ーうーん そうだね だってちゃんとお正月迎えたいもの
 自分の両親や彼氏の両親にご挨拶してから動きたいもの

ーTさんもそれならよかったわけ?

ーうん ご挨拶に行くと思う
 でも いないじゃん Aのご両親

ーいたら そうしたかった? 

ーうん 元旦から遊園地っていう気分にはなれないよ
 中学生とかならともかく 

ーそうかー あっ もう出た方がいいかも

ーうん わかった

二人は家を後にした
寝ている母には「行ってきます」とメモを残し
そしてすぐにSとMたちとの合流場所に着いた
Sの車は以前と変わらなかった
助手席を見ると女性のシルエットが見えた
それを見ても何とも感じなかった
私は顔を合わせても大丈夫そうな気がした

ーちょっと声をかけてくる

あなたはそう言うと車から降りてSの車から声をかけに行った
次にMの車に行ってすぐに戻ってきた

ーどういう予定になっているの?
私は聞いた

ーWたちと合流した後にそのまま横浜に向かうんだって

ーわかった

ーWたちとの合流地点までは一緒に行くけれど
 その後は横浜で待ち合わせしてそこからまた一緒になって行くよ

ーどこで車を降りるの?

ー降りないよ

ーえ?なんで?

ーSの彼女も嫌がってるから

ーん?なんか最初の話と随分違うね
 Sも彼女に言う前に勝手に決めたの?

ーそうらしい

ーそんなー 何の為に私達緊張状態になったの?
 損した気分

ーそんな事ないよ 元々俺が気にしてたことだしそれでお互いの事が
 今までよりわかったじゃん

ーそうか 元々緊張状態だったしね

それを受けてあなたは無言で笑った
しかし目は笑っていなかった
私も ただ微笑み返すだけだった

こうやって今年が終わって来年もそのまま迎えてしまうんだな
と 心の中にグレーの雲が広がっていくのを
ただ見上げることしか出来なかった

何でもいいから風が吹いてくれればいいのに

自分ではどうしようも出来ない空気に胸が苦しくなっていた


ランキングに参加しています

リアル小説ランキングへ

 


ジャンル:
小説
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 何もしない | トップ | 心象風景 »

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。