葬式(幻水)

1主『アリー=マクドール』
2主『アウェイ』





海へ行こう。









ちょっと前、君と一緒に海に行ったじゃない。
…五月蝿いな。僕だって思い出に浸る時くらいあるよ。
まあいいや。…あの時は大変だったよね。
アウェイが休暇は駄目だって言ってさ。
おまけに勝手に休まないようにって見張りまで付け出すしね。
ま、あの程度の兵士。僕らの相手ではなかったけど。

うん。海は綺麗だったよね。
大きくて、壮大で、綺麗で、深くて、蒼くて。
本当に蒼くて。
君は馬鹿だから本当に海の水がしょっぱいが確かめるって言って飲んでむせてたよね。
覚えてるよ。あんな馬鹿なことする奴が本当にいるんだって思ったから。
砂浜は暑かったけど、それも慣れるとどうってことないしね。
そうだね、そんな事言ったね。
『どちらかが死んだらその死体は海へ投げよう』だっけ?
土の中よりはいいよ。たとえ魚や鮫に食べられる運命でも。
え?火葬は醜い死体のばあいだけ。
ぐちゃぐちゃだったらそれを海に投げ入れるのも一苦労じゃない。
…いいんだよ。それくらいの冷めた関係で。
君だってそれを望んでるんだろ。
まあ、僕が望んでるんだけど。
ほら。やっぱり君もそれがいいんじゃないか。
暑苦しいだけの関係ならいらないよ。
あ、そんな話しじゃなかったね。
そして…

「ルック、もう少しで始まるぞ……誰と話してるんだ?」
「シーナ…?誰とって見て解るだろ。アリーだよ」
「……ルック、冗談は、」
「冗談も何も、目の前の椅子に坐ってるじゃないか。あんた脳みそと一緒に
目玉も置いてきた?」
「アリーは死んだだろ…?」
「死んだ?変な冗談はやめてよ…ほら、アリーが文句言ってるじゃないか」
「ルック………葬式が始まる。早く、」
「死んだはずないだろ!」
「ルック!」
「死んでなんかいない。…死んでなんかいないんだ…」
「早く…しないと火葬が始まる」
「火葬は駄目。火葬は醜い時だけ」
「ルック?」
「アリーと一緒に海に行くんだ。もう一度」
「ルック」
「やくそく、したんだ」



ほら、彼は目の前で笑ってる。
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