西方見聞録

北米滞在中の日々の記録を時差付きでマイペースに書き続けます。

グレートサンドデューンズ国立公園

2012-09-02 | Weblog
コララドにある国立公園の一つ。
ここはアメリカで最も標高の高いところにある砂丘です。
周りに3,000m級の山々が聳え、花が咲き乱れる荒野に、突如として現れる砂漠は違和感ありまくり。

そしてこの砂丘が形成された歴史がまた凄い。
西を流れるリオ・グランデ川によって堆積した砂が長年風で運ばれて続けて出来たとか。
長年ってどれくらい??
気の遠くなるような年月には違いないでしょうけど。

国立公園に入って駐車場に車を停めると普通に歩いて砂漠に入っていくことができます。
夏の昼間は火傷するくらい熱いので、この日は夕暮れ時に訪れました。
まだ若干熱いですが火傷する程ではありません。



さて子供達は元気に裸足で走りだしましたが、大人は靴を履いて行った方が無難でしょう。
というのも、どっちにしても砂の上は歩きにくいのですが、やはり長時間歩くと裸足では疲れてしまいますし、折れた枯れ枝などが砂に埋もれている場合もあり危険です。
意外と良くなかったのがクロックス。
クロックスの中でもつま先を包み込むようなタイプだったので、つま先が蒸れるだけでなく、砂が入り込んで出て行かないという状態になり歩きにくいことこの上なかったです。
つま先が開いているビーチサンダルならまだマシだったかもしれません。

砂丘ですから、皆丘を登ったり降りたりして景観・トレッキングを楽しんでします。
中にはサンド・ボードを持って来て砂滑りを楽しんでいる人々もいました。



サンドボードは雪ぞりに似ていますが、砂の上で体重をかけても滑りやすいようにできています。
(雪ぞりや段ボールではやはり滑らないそうです)
珍しい物なので、やりたい場合は近くのレンタルショップで借りましょう。

実はこの公園では夏期は水遊びもできるんです。
砂漠の砂でできたメダノ・クリークという小川があり、うねり、波を立てながら流れていくとか。
残念ながらこの時期は水がすっかり干上がってしまっていて見ることはできませんでしたが。

さて日も暮れて来たので一度退散。
近くのアラモサという街に泊まって、翌朝もう一度訪れました。

・・・

翌朝。
公園内の砂漠を回り込むようにしてダートロードを北上すると、これ以上は4WDじゃないと進めないという地点に駐車場があります。
その名も「Point of No Return」。
この地点でもすでに1~2cm砂が積もっているのでスリップする可能性はありますが、この先はスタックする可能性もあるので、それなりの車に乗って自己責任で進みましょう。
本当にNo Returnになったらシャレになりませんから。

その駐車場から少し先に歩いたところにトレイルの入口があります。
といっても一つ看板があるだけで道が舗装されている訳でもなく、相変わらず足場は良くありません。
道の両脇にサボテンも生えていますので、夏場でもしっかりとした(かつ汚れても良い)靴を履いて行くことをお勧めします。
また日が出て来たら日陰も無いので水と帽子は必須です。



トレイルは特にどこで終わりと言うことも無かったので正確には分かりませんが、視界が完全に開けるビューポイントに辿り着くまでの時間は片道で約30分くらいだったと思います。
昨日とは違った角度から見る砂丘。
しかも他に人がいない無音の世界。
苦労してここまで歩いて来た甲斐がありました!



パイクス・ピーク

2012-08-04 | Weblog
山シリーズ第2弾。

コロラド・スプリングスの近くにあって、「America's mountain」の名を冠するコロラドで最も有名な山がこの「パイクス・ピーク」。
また「雲へ向かうレース」として有名なパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムが開催される場所でもあります。
そんなメジャー処にも拘らず、今まで行ったことがありませんでした。

標高は海抜4302m。
それでもコロラドで1番高い山ではないというから驚きです。
そしてその山頂まで登っていく登山電車があるというからまた驚き。
実際、観光客で来る人たちはこの登山電車を使うことが多いらしいのですが、料金が高い(現時点で大人$35/子供$19)、片道1時間以上かかるのに頂上での滞在時間は30分程度に限られる、景色が良いのは崖側のシートだけ、子供が騒いだら地獄(笑)という口コミもあって今回は車で行くことにしました。

入場料(大人$12/子供$5)を払ってゲートを通過。
序盤の道は比較的ゆるやかで走りやすかったです。
途中の貯水池に山影が映えて美しい~。
晴れて良かった!




さらにずんずん進んでいくと道路脇に何やら障害物が見えてきました。
「PIKES PEAK HILL CLIMB」
これってコースアウトして崖から落ちないようにするためですよね、、、なんか生々しい。



そして・レースカー!?
練習中というより偵察中でしょうか。
観に来る予定はないけど頑張ってください。



このパイクス・ピークにはBig Foot(いわゆる雪男)が出るという噂があるそうで、どこまで本気か知りませんがこんな看板が立っています。
見つけたらご一報を。



さてどんどん標高も上がってきて「雲へ向かう」様な景色になって来ました。
後ろ(下)を振り返って二度ビックリ。
レースではこの道をドリフトかましながらぶっちぎる訳ですからね。
ゴール前に天国に辿り着かないよう祈るばかりです。




そしてようやく頂上(サミット)へ到着!
ほどなく登山電車も到着し、どわっと観光客が溢れ出して来ました。
写真スポットの場所の取り合いがちょっとうざい感じでしたが、そこはマナーを守って譲り合い。

遮る物の無い景色はやはり登頂者だけに与えられた特典ですね~。




山頂は夏だというのに肌寒く長袖の上着が必要でしたが、登頂した達成感と広々とした空の爽快感でとても清々しく感じられました。
ちなmにパイクスピークは冬期もオープンしていますが、雪道はとても危険ですし、冬の山頂は寒すぎるので、ぜひ夏期に訪れることをお勧めします。

マウント・エヴァンス

2012-07-29 | Weblog
エバンスではなくエヴァンス。
何度やっても下唇を噛むような発音は難しいものです、、、

さてこのエバンス山(笑)、北米で最も標高が高い舗装道路がある(つまり車で登れる) ところとして知られています。
その高さ、なんと14000フィート(約4267m)超!
つまり日本で一番高いあの山よりも高いところまで、車でスィ~と行けちゃう訳です。
怖いのはむしろちょっとしたドライブ感覚でそんなとこまで行けてしまうことですね。
真夏であっても肌寒いので、間違っても半袖短パンとか普段着で向かってはいけません。
そしてその標高による気圧差。
普段標高1600m付近の場所で生活している私も、さすがに運転している途中で頭痛がしてきましたので十分に注意が必要です。

ドライブルートはデンバーからHwy 70で西に30分ほど走らせ、アイダホスプリングスのEXIT 240で降りた後、103号線をひたすら登っていくとエコー湖を過ぎた辺りにマウント・エバンス・ロードのゲートがあります。
ここから先は冬期(といっても9月~5月くらいだと思いますが)は閉鎖されていることがあるので事前に確認してください。

マウント・エバンス・ロードから見る景色はすばらしいですが、ひたすら山道ですし、ガードレールの無いところもあるのでよそ見やスピードの出し過ぎは厳禁。
私のときは曇ってて時折霧がかかったりあられが降ったり雷が鳴ったりしたので余計怖かったです。



しばらく走るとサミット湖を通ります。
あとで上からこの湖を見下ろすことになりますが、逆に湖畔に迫る山の姿を見上げるのも良かったです。
ここまで来れば終点はもうすぐ。
景色は全て上から目線で、ただの池でさえこんなに神々(こうごう)しく見えてしまいます。
両手を前に差し出して「下界に棲む下々の愚民たちよ」とのたまうことでしょう(笑)。



そしていよいよ終点に到着。
ご覧の通り、登山の経験も無い私があっさりと14,130フィートをクリアできてしまいました!
登山部の皆さん、どーもすいませんっ!!



しかしここはまだ頂上(サミット)ではありません。
頂上に到達するには一旦車を降りて、さらに徒歩で数十メートル登らなくてはならないのです。
たかが数十メートルと侮るなかれ。
すでに頭痛がしていた私、一歩登る毎にこめかみの脈が打つのを感じるようでした。
こんなところでぶっ倒れたらシャレにならないので諦めようかと逡巡していたら、普段口を閉じることを知らなような子供達や杖をつきながら登る老人たちが自分のペースで黙々と歩き続ける姿を見て心を打たれ、もう一度歩く決心をしたのです。
無心になって歩き続け、息が切れたら立ち止まり、一歩一歩前へ進み続けているうちに、妙な充実感と生命の躍動を感じ「これがクライマーズ・ハイかぁ~」とひとしきり感慨に浸っていたら、いつのまにかそこは頂上でした。
一度でも山頂まで登りきった人であれば分かりますよね、この感動。
写真や言葉ではとても伝えきれません。



いやー、しかし今度ばかりは生命の危機を感じました。(^^;
なんとなく「生きてこそ」ってタイトルの登山映画を思い出しましたね(こっちは夏山で生命の危険度は格段に違いますが)。
登山者って本当にすごいと思います。



車に戻ると持ってきたポテチ(ローカルなBoulder Tipsです)の袋も気圧が下がってパンパンです。
ちなみに下山するときにしぼんでたので気圧が戻ったのかと思ったら、どうやら袋が破れたからのようでした。
おそるべし、標高4000m。


引っ越し。

2012-07-14 | Weblog
最近引っ越しまして。
タイトルは「いいひと。」みたいなノリで。

引っ越しと言っても隣の市なので、生活空間自体にそれほど劇的な変化はありません。
しかしこの引っ越しの作業と来たら面倒なことだらけ、トラブルの連続で、この何ヶ月かでほんとに疲弊してしまった感じです。
まぁ日本でも引っ越せば同じような手続きや作業が必要になると思うんですが、ここは米国、言語は英語。
その面倒さが2倍3倍になることを忘れてはなりません。

今回の最大の疫病神はガス・電気会社Xcel Energyの引越サービス「Smart Connect」。
こいつが全然スマートじゃなかった!
最初は旧住居での最終メーター確認と新住居でのサービス開始をお願いしようと思って電話し、これらは何の問題も無く順調にアポイントが取れました。
「さすがに駐在4年目ともなるとこの辺は苦でもないな。ふ~やれやれ。┐(´д`)┌」と勝ち誇っていると(笑)何やら聞き取れない宣伝文句が語られた後に「ではSmart Connectサービスへおつなぎします」「え、何??」

後から分かったんですが、このサービスは引っ越し時に必要になるであろう連絡先(例えばインターネットプロバイダやケーブルTVなど)についでに連絡してくれるだけのサービスなんです。
つまり「連絡はするけど後は勝手にやってね」というスタイル。
それなら自分の都合の良いタイミングで連絡した方が数倍マシだし、丸投げするだけなら単に余計なお世話とも言えます。
そしてそれだけに留まらず、勝手にプロバイダを替えようかと提案してきたり、同じプロバイダでも新規契約にすれば最初の6ヶ月割引になるよとか言ってきたりするのですが、メールアドレスが替わってしまうと困る私にとっては全くの迷惑でしかありません。
実際、現在のプロバイダの別のプラン名を言っているのかと思ってあやうくお願いしそうになりました。
英語が苦手な人にこういう売り込みはほんとに迷惑ですね。

しかしなんだかんだと問答した上で結局インターネット(Comcast)と衛星TV(Dish)の連絡はお願いすることにしました。
これがまたトラブルの始まり。
思えばここでSmart Connectサービスをキャンセルしておくべきでした。
前述のように基本丸投げですので「あとで電話がかかってきますので確認番号を聞いてからComcastに電話してください」と言われ、「結局自分で電話するのかよ。そしてかかって来る電話って誰から?」という状態で電話を待つことになったんですが、その電話がなかなか来ない。
しびれを切らしてComcastに電話すると、やはりその確認番号とやらが必要とのこと。
「知らない」というと「じゃあこのサービスは使えない」と言われたので、「このサービスじゃなくていいから引っ越しの手続きをしてくれ」と言って結局通常の窓口へ転送、、、だーかーらー。
最初からこうしておけば良かったというオチです。^^;

Dishに至っては何の連絡もしてこない。
この会社は連絡先電話番号と言うものがホームページに見当たらないので、Webチャットでコンタクト。
やたらタイピングが速い(もしくは定型文がどこかに保存してあるのかもしれませんが)相手が矢継ぎ早に質問してきます。
その中に「ご機嫌いかが?」とか「あなたのアシストができて嬉しいです」みたいなことも言って来るがとりえあえず無視(笑)。
で、何とかアポイントの確認をお願いすると、案の定、全く何の連絡も入っていない様子。
仕方なしにその場でチャット経由で新居へのセットアップを依頼、、、だーかーらー。
これで一件落着と思いきや、後日「旧住居に取り付けた衛星アンテナはいつ外しに来るのか」と訊くと「外すの?いいじゃん、付けっぱなしで。」みたいなリアクション。

えぇーーーー賃貸だし外すの当然でしょーーーー!?

気を取り直し「イエス、プリーズ」とお願いすると、「じゃあ旧住居のアンテナを取り外すアポイントを決めるね。同時に2つのアポイントは取れないんで、新居の方のセットアップはとりあえずキャンセルしておくから。」

えぇーーーー引っ越しなんだから新旧同時にやるの普通でしょーーーー!?つーかそれ2つってカウントするのーーーー?(笑)

とまぁこんな具合で、その後も新住居のセットアップの日に「着いたよ?」と旧住居の方から電話があったりとか、Dish様にはかなり振り回されましたよ。

* * *

色々面倒なことが多かった中で、今回最も良かったのは引っ越し屋の働きっぷりでした。
元々あまりお金をかけたくなかったのと近距離の引っ越しと言うこともあって、できるだけ運べるものは自分たちで運んで大物だけを引っ越し屋にお願いしようという計画。
しかし荷造りを初めてみると、出るわ出るわ、片付けても片付けても荷物が沸いて来るんです。
本帰国であれば売ったり捨てたりあきらめもつくのですが、今回はご近所への引っ越しであまり処分を考えてなかったので「これを全部運ぶのか~」と憂鬱になっていました。

そして引っ越し当日。
頼んだのは大型のトラック1台に作業員3名、彼らのオフィスからの往復時間も込みで4時間という時間契約でした。
最初はベッドやダイニングテーブルなどの大物だけを選んで運んでもらっていましたが、時間もスペースもまだまだ余裕があったので、途中から調子に乗ってあれもこれもとお願いし始めたところ、これが速いのなんの!
荷造りが間に合わないくらいで、あっという間に片がつきました。
もともと時間払いなのでいくつ運んでもらってもコストは一緒。
しかも予定より1時間以上早く完了したため、その分のコストが浮いたこともあり彼らへのチップ(ランチ代として渡しました)もはずみました。
これは嬉しい誤算でしたね。

* * *

そんなバタバタから解放され、今はのんびりと荷解きをしているところです。
それが落ち着いた頃に新居の話題でも載せることにします。

ボルダーボルダー!

2012-05-30 | Weblog
何を叫んでいるのかと思えば、毎年メモリアルデー(5月の最終月曜日)に行われる10kmマラソン「Bolder Boulder」
今回はその参加レポです。

日本も空前のマラソンブームらしいですが、これもなかなか大規模なイベントです。
世界中からプロ/アマ含めて5万人も参加者がいます。
もちろん全員が同時スタートと言う訳には行きませんので、予想タイムに併せてグループ(Wave)が選べるようになっていて、分刻みのスケジュールで次々に走り出していきます。
今回は子供と一緒に出ることにしたので、後半の遅いグループ(歩き+ジョギングというグループ)でタイムは度外視、完走のみをめざしました。

このWaveに並んでいるときが最もアドレナリン放出してます!


スタートしてしまえば後は流れにまかせるだけ。
10kmとはいえ周りも歩いている人が多いのでスローペースで走ったり歩いたりを繰り返します。
コースはボルダーの街中なので、市街地を眺めながら走るのですが、途中バンド演奏があったり民家からシャワーホースで水を撒かれたりたりして、のんびり走るのを楽しむというよりはワイワイ楽しみながら走るという感じです。
他にはクッキーやマシュマロを配ってたり、無料でハグしてくれたり(笑)、ダンスしてたり、水たまりダイブがあったりと、結構何でもありでした。
(もちろんプロのレースの際にはこういったものはありません)



出場する側もかなり自由です。(これもアマの場合ですが)
例えば服装。
ゼッケンさえ付けておけば、仮装しても女装してもオリジナルTシャツを着ていっても構いません。
それと年齢層も子供からおじいちゃんおばあちゃんまで様々。
赤ちゃんでさえ、お父さんのベビーキャリア(背中に背負うやつ)に乗って参加してますから。
以前はギターを抱えて走った人もいたようですが、そういうのは規制されたみたいです。



このようにアマチュアにとってはどちらかというとタイムを競うより参加することに意義があるタイプのイベントですが、当然プロの方々は真面目にレースをする訳で、世界各地から集まったプロの選手には一つ大きなハードルがあります。
それはアスリートの高地トレーニングのメッカとして知られるボルダーの「高度」。
平地がすでに海抜1,600mあるこの地では、海抜0~100m程度で普段生活している人にとってはやや空気が薄く感じるはずなのです。
特に激しい運動をした場合は急激に酸素を必要としますので、プロと言えどもその点は十分に気をつけてトレーニングして来ていると思われます。
ちなみに私のように普段からここに生活している場合は気圧差の問題は少なく、むしろ基礎体力の問題と言えます。^^;

10kmというと中学生の頃に走ったっきりという超ブランクのある私でしたが、今回は子供に合わせて走ったこともあり意外と楽勝でした。
むしろ6歳の子供がときどき歩きながらも10km完走したことにビックリです。
最初に走る前にIDタグを付けるので、ゴールしたらすぐにタイムと集計結果が出ます。
それによると同年代での集計は、息子の方が76人中17位、私の方は400人中346位でした、、、orz
あとはIDタグを返却して、出口で飲み物やらスナックやらを受け取って終了。

来年は一人で出てみようかな~。

となりで「ぼくも出る!」という声が聞こえますが、とりあえず無視(笑)