嵐の波に揺れる月

大宮+櫻葉の腐った妄想話です。未成年、ご理解のない方は入らないでください。

注意

嵐の腐った話です。ご理解がない方、未成年の方は回れ右でお帰りください。 コメ欄は開いてますが、お返事は致しません。 でも、月魚もなみも拝見してます。 では、ここから始まる二人のコラボ、お楽しみくださいね。

虹のカケラ 〜no rain, no rainbow〜  3/最終章

2016-11-08 00:00:00 | 虹のカケラ





*智

「んー。リーダーじっとしてろよ」
俺のベッドの上。
胸の上に頭を乗せてゲームをしてるニノをぼうっと眺めてる。その重さも心地よい。
俺たちが互いの気持ちを確かめ合った後、ニノはこうしてふつーに俺んちにやってきて、こうしてふつーにベッドの上でゲームをし
ふつーにここで眠ってく。
彼が乗っかってる場所だけはあったかくて、その温もりで体の芯がじわっと熱を集める。

あの手紙が届いてから俺たちは好きだって気持ちを確かめ合った。
けれど、秘めてた欲望を出すと変態だと騒がれて、それから手出しができなくなってしまったんだ。
今は毎日交わす口づけが甘く、濃く、深くなって、時々ニノのすべすべのお腹を触らしてくれるだけ、それだけでもかなりの進展。
でも、このあとはやっぱり変態なのだそうだ。
ニノだって、ちょこっと興奮してるのに。
飼い殺しみたいだけど、これ以上近づけば特別な関係になるしかないから、俺たちは互いの距離を測りかねていた。
その最後の一歩を俺からも彼からも歩み寄ることができずに、昔のようにふざけて一緒にいるのだけでも楽しいと思うようにしてる。


「リモコンを取るだけだから」
ニノの背中に手を当て、もう片方の手を伸ばし枕元に置いてあったテレビのリモコンを取ってパチンとつけた。

月曜日の夜。
ゼロを見ないと一週間が始まる気がしないんだよね。

「あー、ゼロの時間かぁ」
村尾さんの声が聞こえ、ニノはテレビが見えるように首を回すとゲームをやめて俺の胸に頭を乗せた。
テレビ画面には村尾さんに並んで、堅苦しいスーツ姿の翔くんが真面目な顔で座ってる。
「翔くん、今日もお疲れ」
俺はいつものようにテレビの向こうの翔くんに話しかける。
ニノも彼に手を振り「ゼロを家で見てると変な感じだよね」とテレビを見たまま話しかけてくる。
「メンバーなのに、遠い人みたいだよな」
「そうそう」

俺たちはファンの気分で『嵐の櫻井翔さん』をテレビ越しに見る。

『今日は、アフガニスタンの国境なき医師団で命を落とされた日本人医師、金本勝さんの人生を取材してきました』
一方的に送り込まれてくる情報を二人でぼうっと眺める。
『金本さんは30年前、東京の病院で多くの子供達を治療していましたが、紛争地帯の子供達を救いたいと世界各国の危険地帯で治療をしてきました』
『彼は任期を満了して、日本に帰国していましたが先月亡くなった友人の変わりに前線に派遣されたばかりでした』

俺はニノの背中を撫でている手を止め、ニノも息を止めたのを感じた。
昔の同僚という貫禄のある医者が『彼は子供の先天的な病気の研究をしていて、多くの患者が彼の診断に縋るように集まってきていた』というようなことを話していた。

「まさかね」
俺が呟くと、ニノも「まさか」と声を出す。
テレビには、先ほど話をしていた医者がまだ細くて髪が多かった頃の顔と、メガネをかけ白衣を着たイケメンの男性が笑ってる写真が大写しにされてる。

彼らの後ろには、俺が怪我をすると連れて行かれてた、かかりつけの病院が写っていた。
「これ俺のかかりつけの病院。。。」

『金本先生は今回の紛争地帯に派遣される前に、医療が進化しても神様が決めた運命に人類は手出しができないと言いました。でも、だからこそ神様が決めた命を全うせず、戦争で運命に逆らって消えてく命を救うんだと前線に向かったのです。彼自身が自分の運命を全うしたのか。それは誰にもわかりません』
翔くんの静かな声が胸を締め付ける。

スタジオにいた翔くんは『素晴らしい医師の命が戦争で奪われたことに憤りを感じるとともに、こんな日本人がいたことを誇りに思います』とコメントし、そのコーナーが終了した。

「まさかね」何度もつぶやいてる俺に
「リーダー、一回母ちゃんに電話してみろよ」
ニノが胸から顔を離し俺を見上げてる

「うん。。。」
俺は起き上がってベッドにあぐらをかいて、母ちゃんに電話した。

「母ちゃん?」
『智?どうしたの?こんな遅くに』
「ちょっと訊きたいことがあって」
そう言ったとき、後ろから『わはは』という笑い声とテレビの音が聞こえた。
「もしかして父ちゃんと飲んでる?」
『そうなの、美味しい日本酒をもらってね。で、何?』
母ちゃんが立ち上がる衣擦れの音と、バタンとドアを閉める聞き慣れた音がした。
電話の向こうが静かになる。

「あのさ、俺がガキんときに怪我をするといつも診てもらってたお医者さんってさ、名前覚えてる?」
『何よ、あなたはいつも突然変なことを訊くのよね。えーっと。。あれは。。。鈴木先生だったかな?』
俺は「良かった」と呟いて、ほうっと息を吐き出した。
「だよね、金本先生なんて聞いたことないもんな」と言ってから「じゃ、ありがとう。それだけ」と携帯を耳から離そうとすると
『金本先生は、鈴木先生の前任者よ。智が5歳ぐらいまで診てくれてたわねぇ』と言い出した。

「はぁ??」
俺が大きな声を出したので、ニノはビクっと体を動かしてからゆっくり起き上がりベッドの上に座った。
そして、眉間にしわを寄せて俺の顔を覗き込む。
ニノにも聞こえるように携帯を離して母ちゃんに話をした。
「マジか?俺、そんな先生覚えてねーぞ」

『智はこの先生が大好きだったのよ。男前の先生だったわねえ。。。』
俺も驚いて声が出ないし、母ちゃんも何かを思い出そうとしているのか、二人の間に静寂が漂った後

『そういえば、あの先生が来月から海外に行くとおっしゃった日だったかしら、注射をしないといけなかったの。
智は珍しく大泣きして、逃げ出しちゃったのよね。
病院の中で行方不明になっちゃって大変だったんだから。
そしたら、色の白い女の子みたいな可愛い男の子。。3歳ぐらいだったのかしら、その子が智を連れて戻ってきてくれたのよね。
面白かったのよ、智よりずーっと小さいのに、智のことを慰めて、大丈夫だからって励ましてくれて。
その子もその日注射があって自分も泣きそうなのに、智のことを心配してね。
智もその子の注射の時は側から離れないし、二人して泣き顔で本当に可愛かったのよね』
ニノが俺の顔をじっと見つめて『訊いてみろ』って声にせず、口だけを動かした。
彼の気配は母ちゃんには届いてない。

「その子の名前とか覚えてる?」
『まさか、30年も前の話よ。でも、智が諦めて静かに注射をした後ね、金本先生が私にこの子は素晴らしい運動神経の持ち主だから、それを生かしてやってくださいって言ってたのよ。それが本当に不思議でね、何でわかったんだろうって』
「。。。。」
ニノと俺は顔を見合わせるしかなかった。


『あの先生は小児の治療では本当に有名で。。。そういえばあの小さな子も東京都内からわざわざ先生に診てもらいに来てたって言ってたわ』
そう言うと『酔っ払ってるから血が回ってるのかしら、いろいろ覚えてるものねえ』と感心して『じゃあ切るわよ』と勝手に通話が切れた。


*ニノ

金本 金本…

頭の中で繰り返してみるけれど、覚えているはずもない。
リーダーの母ちゃんの言う、その子供がホントに俺なのか。
もっと情報がいる。

俺は他のチャンネルでも この金本と言う医師のニュースをやっていないか手当たり次第にリモコンを押した。
そして―――――

「あっ…」

俺とリーダーが同時に声を洩らし、画面に釘付けになった。

それは病院の小さな中庭。
木々の間を縫うように、コンクリートで小径が作られていて、そこには 青と黄色のビー玉が転々と埋め込まれている。

「ここ…」
息を飲んだ時、
『こちらの庭は金本医師の提案で、子供たちが楽しめるように天の川をイメージして造られたそうなんです』
そこを歩く女性アナウンサーが説明した。

「…ビー玉、取ってよ……」
記憶の一端が解放されたように、俺の口をついて零れた。
「そうだ… 思い出した。取れないよって、俺、その子をなだめて…」
画面を見つめたまま、リーダーが呟く。
「その子、始めは注射が怖いって泣いてて… 俺も注射が嫌で逃げてたのに、俺より小さい子が泣いてるから変に兄貴ぶって、その子をここに連れてったんだ… 俺のお気に入りの場所だったから。
そしたら その子、今度はビー玉が欲しいって泣き出して」
想い出を辿りながら、彼は優しく目を細めて笑った。
「ビー玉、キレイで欲しくなったんだ… でも取れなくて… 」
また泣き出した俺を、一生懸命なだめてくれたのは…
「そうだ、そしたら急に芝生の中のスプリンクラーが回り出して」
リーダーの言葉に、俺も頷く。
弾ける水が、真夏の陽射しに虹を作った、あの眩しい光景が、数分前の事のように目の前に広がる。

「虹、キレイだね…」
「…ビー玉よりキレイ」
ふたりで虹を捕まえようとした…

「虹、捕まえられなくて、」
「ふたりで飛び越えて、病院に戻った…」
「母ちゃんに どこ行ってたんだって怒られたけど、それより、注射 我慢するから、コイツ連れて帰って一緒に遊びたいって、俺…」
「俺も…一緒に帰るって」
「犬猫じゃないんだから!ってまた怒られて」
俺たちは顔を見合わせ、吹き出して笑った。それからお互いに目を細め、
「あれ、リーダーだったんだ」
「ニノだったんだな…」
呟いて、深く息をついた。

「俺、初めて会ったのに、なんか、なんでか分かんないけど、コイツを守んなきゃって、そんな気がして」
言いながら、彼は俺の頬に触れた。
「俺は… 断片しか思い出せないけど… …後ろを ついて行ったんだ。そうしたら、大丈夫になる気がして」
「注射、怖かったもんな」
俺を撫でながら、リーダーがふふっと笑うから、
「オマエもな」
俺は きゅっと睨んで、それから彼に抱きついた。

「…でもさ、注射が嫌で泣いてたってことは、注射を打つ前ってことだよね。あの注射が そうなんだとしたら…」
リーダーに くっついたまま、その肩に顎を乗せてそう言うと、
「そうだよ、ほら!
やっぱ遺伝子交換なんて関係ないじゃん!
だって俺らは もう」
彼は急に声を大きくして、勝ち誇ってそう言った。

ああ
そうだね
俺たちはもう
お互いを見つけてたんだ

俺は胸が震えるのを感じて、大きく深く息を吐き出し、「…うん」頷いて、もっと深く、彼の香りを吸い込んだ。


*智

深夜特有の賑やかなテレビの音がBGMのように流れ、俺はニノの呼吸を首で感じる。
それだけなのに、心も体も満たされてる。
ほんの少し残ってた不安が全て消え去った気分。


「翔くんがさ、あの先生の取材をしたことも運命なんだろうね」
ニノが耳元で呟いた。
「翔くんも俺たちの運命に引き寄せられたんだと思う。。。あの先生が俺たちに運命は誰にも変えられないと知らせてくれたんだよ」

金本先生は自分の寿命も生まれてきた時に決められた定だと覚悟して戦場で亡くなったんだろうな。
「リーダーと俺で先生の想いが正しいものだったって証明してあげないとね」

「うん。。。好きだって気持ちは誰にも曲げられないってことね」

「今の俺たちに会いに来てくれたら、ちゃんと教えてあげられたのにね」
ニノが小さくため息をついた。遺伝子交換のことがわかった時はあんなに憤っていたけれど、今の俺たちには遺伝子なんて意味ないことだって思えたんだ。
こんな騒動を起こした人だけど、優秀な金本先生が亡くなった事実に悲しくなってしまったのだろう、
「俺たちに悪戯はしたけど。。。素晴らしい人だったんだろうな。。。」
くぐもったニノの声がして、暖かい吐息がうなじをくすぐりテレビがCMを流し始めた。

「何、しんみりしてんだよ。ほらっ」
俺は彼の体を思いっきり抱きしめてから、腰を支えベッドに押しつけた。
「せっかく真面目に話ししてんのに、やめろよ」と抵抗する彼に
「俺たちが仲良くしてることが、先生の喜ぶことなんだって」と横になった体をガシッと抱きしめる。
「ふーっ」と息を吐き出す音がしてから
ニノは「そうだな。。。」と言って体の力を抜いた。

俺の背中に彼の手が回り優しく撫でる、そして俺の足の間に腿を押し入れた。
「ん?。。。。リーダー?」と言う声を無視して、もっと体を押し付ける。
「お前。。もうこんな。。。って変態じゃん。。。」
ニノの呆れた声。
こんなにくっついてたら、俺の。。この。。。状況はバレる。
でも、これはニノが悪い!と思う。

「変態だけど。ニノが悪いんだぞ」
「お、俺が何したって。。」
ニノが力一杯俺を押し戻そうとするけれど抱きしめたまま
「全部ニノが悪い」と呟く。

「は?」
イラッとした声がしたから
「ニノが可愛すぎるから悪い」と大きな声で宣言する。


「はぁ?」

「ニノが俺に惚れさせるから悪い。ニノが色っぽいから悪い。ニノが近くにいるから悪い。ニノが息をしてるから悪い。それと。。。」

「じゃあ、俺にどうしろと」


「何にもしなくていい。ニノはニノでいればいい。何をしてても好きになっちゃうんだから。。」

そうだよ。

俺は俺でいればいいし
ニノはニノのままでいれば、俺たちは世界の流れに逆らってでも惹き合うんだ。

「やっぱり、リーダーのことは分かんね。。。。」
そう言いながら、彼は俺の顔を両手で柔らかく挟んで唇を重ねた。

彼の唇と舌は。。。今まで以上に熱く、艶めかしくに俺に絡んだ。
ほら、彼だって。。。
こんなに欲情してるじゃん。

これは遺伝子のせいじゃないんだと、溢れる想いを彼に注ぐ。


「はぁっ。。。」
彼の唇から甘い吐息が漏れ

「リーダー、俺、ずっと我慢してたけどこれ以上無理。。。だってこんなに好きだから」
痛いほどに俺を抱きしめる。

「にの。。俺も。。。もう。。。。」

「うん。。。」
小さく頷く気配を感じた。

静かな部屋にシーツの擦れる音がして、二人の吐息が部屋を熱くする。
ベッドが軋み、二人の動きが激しくなる。

いつかこうなることはわかってた。
俺たちの繋がりは運命だと証明できたから、俺たちの気持ちを抑えるものなんてない。

好きだって気持ちだけで互いを求め、どちらの体かわからないほどに絡む。



俺たちは
誰に邪魔されようと
誰に細工されようと離れられないし
必ずまた引き寄せられるんだ。


だって、これは生まれる前から決まってたことだから。


神様が決めたことだから。
















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